【ベトナム中銀副総裁インタビュー】2026年の金融政策は「長期目標優先」へ転換、財政政策との連携で新たな成長サイクルを構築

Chính sách tiền tệ: ưu tiên mục tiêu dài hạn, tạo tiền đề cho chu kỳ tăng trưởng mới

ベトナム国家銀行(中央銀行)のファム・タイン・ハー副総裁が、2026年の金融政策運営の方向性について語った。インフレ抑制とマクロ経済の安定を最優先としつつ、財政政策や資本市場との連携強化により、新たな成長サイクルの基盤を築く姿勢を鮮明にした。

目次

2025年の金融政策運営を振り返る

ハー副総裁によれば、2025年は世界経済が予測困難なショックに見舞われる中、ベトナム経済は底堅さを維持し、国会・政府が掲げた主要指標を達成した。国家銀行は、インフレ抑制、マクロ経済の安定、経済成長支援、金融・外国為替市場の安定、適正な金利水準の維持、そして企業・国民の銀行融資へのアクセス支援という複数の目標をバランスよく追求してきた。

具体的な成果として、2025年11月30日時点での新規貸出平均金利は年6.96%と前年末と同水準を維持。外国為替市場は円滑に機能し、合法的な外貨需要は十分に満たされた。2025年12月31日時点の経済全体の融資残高は18兆5,800億ドン超に達し、前年末比19.01%増となった。融資構成は経済構造に適合しており、企業・国民の資金需要に応えている。また、デジタル決済やデジタルトランスフォーメーション(DX)も急速に進展し、銀行サービスの利便性向上に寄与している。

金融政策の「余地」は狭まっている

国際機関の評価によれば、現在のベトナムにおける金融政策の運営余地は極めて限られている。その象徴が、対GDP比で145%前後という高水準の信用残高比率である。この状況下で、金融政策、財政政策、資本市場の三者間の効果的な連携がますます重要になっている。

ハー副総裁は、金融政策はインフレ抑制とマクロ経済安定という長期目標を優先すべきであると強調。一方、財政政策は財政支出、公共投資、税制調整を通じて消費、投資、FDI誘致、輸出に直接影響を与え、総需要を喚起して経済成長を牽引する役割を担うと述べた。特に公共投資には「呼び水効果」があり、民間投資を誘発し、雇用創出と消費刺激につながるという。

また、株式・債券市場を中心とする資本市場は経済の「背骨」として機能し、企業や政府が中長期資金を効率的に調達するチャネルとなる。これにより銀行融資への依存度を下げ、資源配分の効率化とイノベーション促進を図り、多様で透明かつ安全で持続可能な金融システムの構築に貢献できると指摘した。

2026年の政策方針:財政政策を「主軸」に

2026年および2026〜2030年の期間において、経済社会発展目標を達成するためには、金融政策、財政政策、その他のマクロ経済政策間の緊密な連携と相互支援が不可欠である。ハー副総裁は、各政策の役割を明確にし、実態に即した情報共有とタイムリーな対応を通じて連携の質を高める必要性を訴えた。

特に注目すべきは、金融政策の余地が限られる現状において、「重点的かつ焦点を絞った財政政策の拡大」を優先し、これを経済成長とマクロ経済安定の「主軸」として位置づけるべきとの見解である。同時に、資本市場の安全かつ持続可能な発展を推進し、中長期資金の主要な供給チャネルとして育成することで、今後の高成長に対応できる資金需要を満たす方針が示された。

2026年の金融政策運営の具体的方向性

2026年も世界経済と地域経済は多くのリスクに直面すると予測される中、国家銀行はインフレ抑制、マクロ経済安定、持続可能な経済成長支援を優先目標として堅持する。2021〜2025年の経験を踏まえ、適切なタイミングと適切な規模で各種政策ツールを同期的に運用する方針だ。

具体的には以下の施策が挙げられる:

・金融機関に対し、安全かつ効率的な融資拡大を指導。生産・経営分野、優先分野、政府指定の成長ドライバーへの融資を誘導し、リスクの高い分野への融資は厳格に管理する。

・融資手続きの簡素化とデジタル化の推進により、企業・国民の銀行融資へのアクセスを円滑化する。

・銀行法制度の整備を継続し、金融政策運営、金融市場の発展、国際統合のための法的基盤を確立する。

・検査・監督能力の向上、リスク分野や不良債権のモニタリング強化により、金融システムの安全性と健全性を確保する。

・デジタルトランスフォーメーションの推進、ガバナンス能力の向上、決済システムのセキュリティ強化を図る。

これらの施策により、流動性の維持、為替レートの安定、そして国民・企業・投資家からの信頼確保を目指す。

日本企業・投資家への示唆

今回のインタビューで明らかになったのは、ベトナム金融当局が銀行融資依存型の成長モデルからの脱却を志向している点である。GDP比145%という高い信用残高比率は、金融システムの脆弱性リスクを示唆しており、今後は資本市場の育成と財政政策の積極活用が成長の鍵となる。

日本企業にとっては、ベトナムでの事業展開において銀行融資だけでなく、現地の株式・債券市場を通じた資金調達の選択肢が広がる可能性がある。また、インフラ整備を中心とした公共投資の拡大は、建設、製造、サービス分野への参入機会を生み出すと考えられる。ベトナム経済が新たな成長サイクルに入る2026年、その動向を注視する価値は大きい。

出典:VnEconomy

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