ベトナム株式市場が2026年2月も引き続き大きな変動に見舞われるとの見通しを、外国運用ファンドが示した。ただし、この動きはテト(旧正月)休暇に伴う戦術的な売り圧力であり、構造的な市場の弱体化を示すものではないと分析している。
Lumen Vietnam Fund、1月に+11.19%の驚異的リターン
ベトナム株式に投資する外国ファンド「Lumen Vietnam Fund(LVF)」は、2026年最初の月となる1月の運用成績を発表し、+11.19%という印象的な成長を記録した。一方、ベトナム全株式指数(Vietnam All Share Index、VNAS)は年初来でわずか+0.26%の上昇にとどまった(米ドルベース)。
同ファンドによると、VNASは1月を通じて激しい変動を経験し、月末には1,873.1ポイントで取引を終えた。これは現地通貨ベースで年初来-1.1%の下落となるが、為替レートの好転により米ドルベースでは+0.26%とわずかにプラス圏を維持した。
1月相場の軌跡:楽観から慎重ムードへ
市場は月初、楽観的なムードと潤沢な流動性を背景に力強い上昇でスタートし、1月13日には1,949.1ポイントの月間高値を記録した。この上昇を牽引したのは国有企業群と銀行セクターである。ベトナム政府が発表した「第79号決議」が、主要国有企業グループへの政策支援の方向性を強化したことが追い風となった。
しかしながら、市場は次第に二極化の様相を呈し始めた。大型株主導の上昇が市場全体に波及せず、中小型株は勢いを失った。月後半には不動産セクターが大幅に調整。信用枠の引き締めと住宅ローン金利の上昇が重しとなった。
1月28日にはVNASが月間最安値の1,847.2ポイントまで下落した後、小幅に反発。月末最終週は投資家がテト休暇を前に「様子見」姿勢を強め、さらにグローバルな金融緩和期待の後退を受けて慎重なムードが広がった。結局、セクター別の利益確定売りにより、VNASは1月を下落で終えた。
流動性は大幅改善、外国人売りは減速
変動の激しい環境下でも、ベトナム株式市場の流動性は3つの取引所すべてで顕著に改善した。1日平均売買代金は13億ドルに達し、前月比で64.3%増加した。外国人投資家は引き続き2億1,140万ドルの売り越しを記録したものの、その勢いは前年と比較すると弱まっている。同時に、国内個人投資家の資金流入は底堅く推移し、外国人の売り圧力を効果的に吸収した。
1月の調整局面にもかかわらず、ベトナムはアジア地域で最もパフォーマンスの良い市場の一つであり続けている。2025年に周辺市場が小幅な上昇にとどまる中、ベトナム市場は突出した上昇を記録した実績がある。
2月の見通し:戦術的調整も基盤は堅固
同ファンドは、2026年2月も市場が大きく変動すると予測している。テト休暇(ベトナムの旧正月で、国民的な大型連休)に伴う戦術的な売り圧力が発生するが、これは構造的な下落の兆候ではないと強調した。
VN-Index(ホーチミン証券取引所の主要指数)は1月末に1,900ポイントを維持できず調整局面に入ったが、国内のファンダメンタルズは依然として堅調である。1,800ポイント付近は妥当な蓄積ゾーンと見なされている。市場トレンドは、2025年第4四半期の企業利益が前年同期比約24%増と見込まれることや、潤沢な流動性によって下支えされる可能性が高い。
グローバルリスクと国内の追い風
現在の市場心理は、世界的な変動の影響を受けている。「リスクオフ」の波により、貴金属やデジタル資産市場から数兆ドル規模の時価総額が消失し、その影響がアジア地域の株式市場にも波及している。
一方、国内では民間セクターの信頼感が大幅に高まっている。新規設立企業数は前年同期比62%増加し、コンプライアンスコスト削減を目的とした行政改革タスクの96%以上が完了した。外交面での重要な進展として、ベトナムと欧州連合(EU)の関係が「包括的戦略パートナーシップ」に格上げされ、半導体や人工知能(AI)といったハイテク分野での協力深化が期待されている。
他方、グローバルな市場心理は依然として脆弱である。米国の政策不透明感、とりわけケビン・ウォーシュ氏の連邦準備制度理事会(FRB)議長への指名や、関税をめぐる新たな通商摩擦リスクが懸念材料となっている。しかしながら、外部の不確実性にもかかわらず、国家金取引所の設立可能性や国有企業の成長目標改善といった国内要因が、国際的なリスク心理が安定した際の市場再評価の堅固な基盤を提供するとファンドは見ている。
日本企業・投資家への示唆
ベトナム市場は短期的な変動にさらされているものの、中長期的な成長ポテンシャルは依然として魅力的である。特に、ベトナムとEUの関係強化は、サプライチェーンの多様化を進める日本企業にとっても注目すべき動向だ。半導体やAI分野でのベトナムの存在感が高まれば、日系企業との協業機会も拡大する可能性がある。テト明けの市場動向と、米国の金融・通商政策の行方が今後の焦点となるだろう。
出典: Vn Economy
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