タイを代表する総合建材メーカーであるSCG(サイアムセメントグループ)が、ベトナム市場を「成長の中心(Growth Center)」と位置づける方針を改めて明確にした。同社はこのほど発表した決算において、ベトナムでの年間売上高が17億ドル(約2,500億円)に達したことを公表。東南アジア経済における両国の結びつきの深まりを象徴する動きとして注目される。
タイの「巨人」SCGとは
SCG(Siam Cement Group)は1913年に設立されたタイ王室系の巨大コングロマリットである。セメント、建材、化学品、包装材など幅広い事業を展開し、タイ国内では圧倒的なシェアを誇る。近年はASEAN域内への積極的な海外展開を進めており、ベトナムはその最重要拠点の一つとなっている。
ベトナム市場での躍進
SCGがベトナムを重視する背景には、同国の旺盛なインフラ需要がある。ベトナムは人口約1億人を擁し、都市化の進展に伴い住宅、道路、商業施設などの建設需要が急拡大している。政府主導の大規模インフラ投資も継続しており、建材市場は今後も高い成長が見込まれる。
SCGはベトナム国内でセメント、屋根材、配管材などを現地生産しており、ロンアン省やビンズオン省などに複数の製造拠点を構える。M&A(企業買収)を通じた事業拡大も積極的で、ベトナムの建材業界における存在感は年々増している。
日本企業への示唆
タイ企業によるベトナム市場への攻勢は、日本の建材・インフラ関連企業にとっても無視できない動きである。ASEANの「チャイナ・プラス・ワン」の受け皿として、ベトナムは製造業の移転先として日本企業にも人気が高い。しかし、現地調達の観点では、SCGのような地場に根差したタイ企業との競争・協業の両面を見据えた戦略が求められるだろう。
ベトナム経済の成長とともに、建設・インフラ分野でのビジネスチャンスは拡大する一方、競争も激化している。今後の市場動向から目が離せない。
出典: VnExpress












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