ベトナム中部の経済・観光の要衝であるダナン市が、2030年までに「世界のスマートシティトップ50」入りを目指すという野心的な計画を発表した。これは単なるスローガンではなく、2026年2月12日付の計画書(第60/KH-UBND号)に基づく具体的なロードマップであり、ダナン市人民委員会が各部局と連携して推進する包括的な都市戦略である。
IMDスマートシティ指数への挑戦
ダナン市が目標とするのは、スイスのビジネススクールIMD(国際経営開発研究所)が毎年発表する「IMDスマートシティ指数(IMD Smart City Index)」でのランクインである。この指数は、技術インフラと市民生活の質を総合的に評価する国際的な指標として知られており、シンガポールやチューリッヒ、オスロなどが常に上位を占めている。
ダナン市は、科学技術局や建設局をはじめとする関係機関が国際機関と連携し、評価基準に沿った都市整備を進めていく方針だ。まずは国際機関に対してダナン市の評価・ランキング参加を正式に申請することから着手する。この過程では、入念な準備と各ステークホルダー間の緊密な協力が不可欠となる。
ICTインフラ整備が鍵
スマートシティ実現の根幹を担うのが、情報通信技術(ICT)インフラの整備である。ダナン市はすでに、市内各所への無料公衆Wi-Fiの設置、防犯カメラネットワークの構築、公共サービス改善のための各種アプリケーション開発に積極的に投資してきた。これらの取り組みは、サービスの質向上だけでなく、市民にとって安全で快適な生活環境の創出にも寄与している。
また、行政サービスのオンライン化も重点施策の一つである。オンライン診療予約、公共交通機関のチケット購入、カーシェアリングアプリなど、市民の利便性を高めるデジタルサービスが次々と展開されている。これにより、時間とコストの節約に加え、行政運営の透明性・効率性の向上も期待されている。
「人間中心」のスマートシティ構想
ダナン市のスマートシティ計画で特筆すべきは、「人間を中心に据える」という基本理念である。教育・医療・社会サービスの質の向上を重視し、技術先行ではなく市民生活の改善を最優先課題としている。さらに、大気汚染の低減、廃棄物の効率的管理、緑地空間の拡充など、環境保護にも力を入れている。
財源については、中央政府からの予算、市の開発投資予算、科学技術・イノベーション・デジタルトランスフォーメーション関連予算など、多様な資金源を効果的に活用していく計画だ。
2025年には「スマートシティ賞」を受賞
ダナン市の取り組みは既に国際的な評価を受けており、2025年にはダナン市人民委員会のチャン・チー・クオン副主席が「スマートシティ賞」を受賞している。この実績は、同市がスマートシティ分野で着実に成果を上げていることを示すものであり、2030年の目標達成に向けた追い風となっている。
日本企業にとっての示唆
ダナン市は、日本からの直行便もあり、日系企業の進出も活発なベトナム中部の拠点都市である。スマートシティ化の推進は、ICTインフラ、環境技術、公共サービスシステムなど、日本企業が強みを持つ分野での協業機会の拡大を意味する。同市が国際的なスマートシティランキングへの参入を本格化させる中、日本の自治体や企業との連携・協力にも大きな可能性が広がっている。
ダナン市の挑戦は、新興国の都市がいかにしてデジタル技術と持続可能な発展を両立させるかという点で、一つのモデルケースとなり得るだろう。
出典: Vn Economy
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