ベトナム中部ハティン省のブンアン経済区に、ハイテク金属精錬工場の建設プロジェクトが正式に承認された。総投資額は781億7,000万ドン(約3,100万USD)に上り、銅・ニッケル・コバルトなどの高品質金属やレアメタル化合物の生産を目指す。同省が重工業拠点として存在感を高める中、新たな高付加価値産業の誘致として注目を集めている。
プロジェクトの概要
ハティン省経済区管理委員会は、「ハティン・ハイテク精錬工場」プロジェクトに対し投資登録証明書を発行した。工場はブンアン経済区内のフーヴィン工業団地(Khu công nghiệp Phú Vinh)のE2およびE3区画に建設され、敷地面積は91,000平方メートル超。設計処理能力は年間10万トンの原材料投入を想定している。
資本構成は、投資家が25%を出資し、残り75%は法令に基づき調達される。事業許可期間は2060年9月30日までと長期にわたり、投資家の本腰を入れた取り組みがうかがえる。
生産品目と技術的特徴
同工場では、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)といった非鉄金属および合金の精錬を主軸とする。加えて、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)といったレアメタル化合物の製造も行う計画だ。
生産過程では、金・銀・白金といった貴金属の副次回収も見込まれる。さらに副産物として硫酸、硫酸ナトリウム、硫�ite酸カルシウムを生成し、原材料の有効活用率を最大化する方針である。こうした「ゼロエミッション型」に近い資源循環モデルは、近年のベトナム製造業が志向するサステナビリティ路線と合致する。
建設スケジュール
投資登録証明書の交付日から36カ月以内に、法的手続きの完了、工場棟の建設、製造ラインの据え付け、そして操業開始までを完了させる計画だ。順調に進めば2027〜2028年頃の稼働が見込まれる。
ブンアン経済区の戦略的位置づけ
ブンアン経済区は、北中部地域における重工業成長拠点として位置づけられてきた。台湾・中国系資本による大型製鉄所「フォルモサ・ハティン・スチール」が稼働するほか、火力発電所群や水深のある国際港湾を擁し、素材産業の集積が進んでいる。
今回のハイテク精錬工場の誘致は、既存の製鉄・エネルギーインフラを活用しつつ、より高付加価値な金属加工へとバリューチェーンを伸ばす狙いがある。省政府は、深加工(ディープ・プロセッシング)の拡大によって製品単価を引き上げ、地域産業構造の高度化を図る方針を示している。
日本企業への示唆
ニッケルやコバルトは電気自動車(EV)用バッテリーの主要原料であり、タングステンやモリブデンは工作機械・半導体製造装置に不可欠な素材だ。日本の素材・部品メーカーにとって、ベトナム中部に新たな調達拠点が生まれる可能性は、サプライチェーン多元化の観点から注視に値する。また、環境技術や副産物処理ノウハウを持つ日本企業にとっては、技術提携や設備納入の商機ともなりうる。
出典: Vn Economy
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