ベトナム株式市場が軟調に推移する中、フィンランドを拠点とする著名な外国投資ファンド「PYNエリートファンド」が、株価下落を前向きに捉える見解を示し、市場関係者の間で注目を集めている。同ファンドは、下落局面は「不快ではあるが、利益確定を行い、割安な銘柄へポートフォリオを組み替える好機になる」との認識を表明した。
ベトナム市場で「サメ」と呼ばれるPYNエリートファンドとは
PYNエリートファンド(PYN Elite Fund)は、フィンランド・ヘルシンキに本拠を置く投資ファンドで、ベトナム株式市場に特化した運用を長年にわたり行っている。ベトナムの投資家コミュニティでは、大口の外国人投資家を「cá mập(サメ)」と呼ぶ文化があり、PYNエリートはまさにその代表格として知られる存在である。同ファンドはフィンランドのヘルシンキ証券取引所(ナスダック・ヘルシンキ)にも上場しており、北欧の機関投資家や個人投資家の資金をベトナム市場に振り向けるユニークなポジションを占めている。
同ファンドの運用責任者であるペトリ・デリー氏は、ベトナム市場への投資歴が20年以上に及ぶベテランであり、市場の浮き沈みを幾度も経験してきた人物だ。その発言は市場参加者から高い関心を持って受け止められる傾向がある。
株価下落をどう捉えるか──PYNエリートの戦略
PYNエリートファンドは、直近のベトナム株式市場の下落について、「気持ちの良いものではない」と率直に認めつつも、投資家にとってはポートフォリオを再構築する絶好の機会であるとの見方を示した。具体的には、これまで値上がりしてきた銘柄の利益を確定し、その資金を現在バリュエーション(株価指標)が低い水準にある割安な銘柄へ振り向けるという戦略である。
こうした逆張り的な発想は、長期的な視野を持つ機関投資家に特徴的なものだ。短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、企業の本質的な価値と市場価格の乖離に着目し、下落局面でこそ仕込みを行うという古典的なバリュー投資の考え方が色濃く反映されている。
ベトナム株式市場の現況と背景
2025年に入り、ベトナムの代表的な株価指数であるVN指数は、米中貿易摩擦の再燃や世界的な景気減速懸念、さらにはベトナム国内の不動産セクターの調整などを背景に、上値の重い展開が続いている。外国人投資家による売り越しが断続的に観測される一方で、PYNエリートのように下落局面を積極的に活用しようとするファンドも存在し、外国人投資家の間でも戦略は二極化している状況だ。
ベトナムは人口約1億人を擁する東南アジアの成長国であり、若い労働力や旺盛な内需、製造業の集積といった中長期的な成長ドライバーを持つ。PYNエリートがベトナム市場への投資を継続し、むしろ下落時に買い増す姿勢を見せている背景には、こうしたファンダメンタルズへの確信があると考えられる。
日本の投資家にとっての示唆
近年、日本からベトナムへの投資関心は着実に高まっている。製造業の「チャイナ・プラス・ワン」戦略の受け皿としてベトナムが注目されているだけでなく、証券投資の面でも、日系証券会社のベトナム進出やベトナム株を組み入れた投資信託の増加が見られる。PYNエリートのような欧州系ファンドがベトナム市場の下落を好機と捉えている事実は、日本の個人投資家にとっても、市場のセンチメントに振り回されず、中長期的な視点でベトナム株を評価する重要性を改めて示唆するものだ。
ただし、ベトナム市場には流動性リスクや為替リスク、情報開示の質といった新興国市場特有の課題も依然として存在する。PYNエリートのような経験豊富なファンドの動向を参考にしつつも、自身のリスク許容度に見合った投資判断が求められる。
出典: VN Express
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