2027年にベトナム南部のフーコック島(特別区)で開催が予定されているAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に向け、ベトナム政府が建設資材の安定供給体制の構築に本腰を入れ始めた。チャン・ホン・ハー副首相は、関係省庁に対し資材供給の確保、採掘能力の向上、そして工事の進捗を妨げる障害の除去を指示した。
政府が省庁横断で資材確保を指示
政府官房は2026年2月23日付で文書番号1602/VPCP-CNを発出し、チャン・ホン・ハー副首相の指示を伝達した。これは農業環境省がAPEC2027関連プロジェクトへの資材供給状況について報告したことを受けたものである。
副首相は、農業環境省、建設省、財務省、およびアンザン省人民委員会に対し、2025年6月10日付の首相公電第85号に基づき、建設資材の価格安定化に向けた管理策を継続的に強化するよう指示した。
具体的には、港湾の稼働能力の向上と建設資材輸送のための「グリーンレーン」(優先通行ルート)の設置により、フーコック島でのプロジェクト推進に必要な物流体制を整備することが求められている。
資材の事前備蓄で需要急増に備える
さらに副首相は、投資主体と施工業者に対し、工事のピーク時期に備えて資材を倉庫に事前備蓄する計画を策定するよう指示した。これは、需要の急増による採掘・輸送能力の超過を防ぎ、環境への悪影響を回避することを目的としている。
ベトナムでは大型プロジェクトの集中により建設資材の価格高騰や供給不足が発生することが過去にも問題となっており、今回の指示は先手を打った対策といえる。
空港拡張・再定住区で用地取得が進行中
2026年1月末にアンザン省人民委員会が開催したAPEC2027関連プロジェクトの進捗確認会議では、主要プロジェクトの現状が報告された。
アントイ再定住区プロジェクトでは、全体の測量が完了し、補償計画案の公示が行われている。総収用面積は23.87ヘクタールで、423世帯が関係している。
フーコック国際空港拡張プロジェクトでは、用地取得が必要な総面積は201.3ヘクタールで、1,597世帯が対象となっている。現在までに69.9ヘクタールの測量が完了しており、優先区域52.7ヘクタールのうち34.3ヘクタールが測量済みである。2026年2月28日までに測量済み区域の補償計画を承認し、優先区域の残りは2026年3月31日までに承認を完了する予定だ。残る130.1ヘクタールについては今後順次進められる。
用地取得に課題も山積
フーコック特別区人民委員会は関連インフラプロジェクトの用地取得を緊急かつ断固たる姿勢で推進しているが、いくつかの課題も報告されている。
土地使用権証明書の発行率は現時点で約60%にとどまっており、以前は防護林や特別用途林だった区域が地方自治体に移管されたものの、地籍測量や地籍図の作成が行われておらず、収用時の土地使用者の特定や棚卸しに困難が生じている。また、用地取得業務における人員不足も課題となっている。
APEC2027の開催意義とフーコックの将来
2027年のAPECはアンザン省フーコック特別区で「つながり、包摂的で強靭な経済の構築」をテーマに開催される。この国際会議は、ベトナムの地域的役割を示し、国家のイメージと地位を世界に発信する重要な機会となる。
フーコック島は近年、観光リゾート地として急速に発展を遂げており、APEC開催を契機に経済協力、社会交流、グローバルな商取引の中心地として飛躍することが期待されている。日本企業にとっても、同島でのインフラ整備や観光開発への参入機会として注目に値する動向といえる。
出典: Vn Economy
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