ベトナム「定額課税」廃止で転換期—売上の大きい個人事業者が「企業化」を検討する理由とは

Vì sao hộ kinh doanh nên chuyển thành doanh nghiệp?

2026年初頭から実施されたベトナムの税制改革が、同国の個人事業者(ホーキンドアン)に大きな転機をもたらしている。これまで多くの小規模事業者が恩恵を受けてきた「定額課税(トゥエコアン)」制度が終了し、帳簿管理やインボイス発行の義務が強化されたことで、売上規模の大きい個人事業者の間で「企業への格上げ」を検討する動きが加速している。

目次

定額課税制度の終了がもたらした変化

ベトナムでは長年、一定規模以下の個人事業者に対し、売上高に応じた定額での納税を認める「定額課税(thuế khoán)」制度が採用されてきた。この制度の下では、複雑な帳簿管理やインボイス(VAT請求書)の発行が免除されるケースが多く、小規模事業者にとっては事務負担を大幅に軽減できるメリットがあった。

しかし、2026年初頭からこの制度が廃止されたことで、状況は一変した。これまで簡易的な申告で済んでいた事業者も、正規の帳簿を整備し、インボイスを発行・管理する義務を負うことになったのである。

「企業化」のメリットが浮上

帳簿やインボイス対応の負担が増す中、売上規模の大きい個人事業者の間では「どうせ同じ事務負担を負うなら、いっそ企業として登記したほうが得策ではないか」という考えが広がっている。企業化することで、法人としての信用力向上、銀行融資へのアクセス改善、取引先との契約における優位性など、さまざまなメリットを享受できる可能性があるためだ。

ベトナム政府もかねてより、経済の透明性向上と税収基盤の拡大を目的に、個人事業者の企業化を奨励する政策を進めてきた。今回の税制改革は、そうした政策意図に沿った動きとも解釈できる。

日本企業への示唆

ベトナムに進出している日本企業にとって、この動向は現地サプライチェーンの変化として注目に値する。これまで個人事業者として取引していた仕入先や協力業者が企業化することで、契約関係の明確化やコンプライアンス対応がしやすくなる一方、価格交渉や取引条件に変化が生じる可能性もある。今後の制度運用と市場の反応を注視する必要があるだろう。

出典: VN Express

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