ベトナム・ゲアン省でLNG火力発電所が始動へ――総投資額5兆9,000億ドン超、2026年4月30日の着工目指し用地取得加速

Dự án LNG Quỳnh Lập hơn 59.000 tỷ đồng tăng tốc, quyết tâm khởi công dịp 30/4

ベトナム中北部のゲアン省(Nghệ An)で、総投資額5兆9,372億ドン(約59,372 tỷ đồng)を超える大型LNG火力発電所プロジェクトが本格始動する。出力1,500MWを誇る「クインラップLNG火力発電所」(Nhà máy nhiệt điện LNG Quỳnh Lập)は、ベトナム政府が策定した「第8次電力開発計画」(Quy hoạch điện VIII)の改訂版に基づく重点プロジェクトに位置付けられており、2026年4月30日の着工を目指して急ピッチで準備が進められている。

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プロジェクト概要:出力1,500MW、LNG貯蔵能力25万立方メートル

同プロジェクトは、ゲアン省タンマイ区(phường Tân Mai)に建設予定で、発電所本体に加え、容量約25万立方メートルのLNG貯蔵タンク、再ガス化設備、専用港湾、そして関連インフラを一体的に整備する大規模計画である。年間約115万トンのLNGを輸入する見込みで、ベトナムのエネルギー安全保障と脱炭素化の両立を担う戦略的施設となる。

用地は陸地部分が約57ヘクタール、海岸・海面部分が約95.6ヘクタールで、合計約153ヘクタールに及ぶ。ただし、ドンホイ埠頭地区(Khu bến Đông Hồi)の共用防波堤として使用される海域は含まれていない。

省政府が用地取得を指示、4月20日までに10%確保へ

2026年3月2日午後、ゲアン省人民委員会のフン・タイン・ヴィン副委員長(Phó Chủ tịch UBND tỉnh Phùng Thành Vinh)が主宰する会議が開催され、商工局、関連部局、地元自治体、そして投資家が一堂に会した。会議では、2026年2月12日付で省人民委員会が発出した投資方針承認決定(Quyết định số 26/QĐ-UBND)を踏まえ、今後の手続きの加速化が議論された。

特に注目されるのは、4月30日の着工に間に合わせるため、総面積57ヘクタール超のうち最低10%を4月20日までに引き渡すよう省が指示した点である。第8次電力開発計画改訂版で定められた2030年の運転開始目標を達成するには、この用地取得スケジュールの遵守が不可欠とされる。

投資家連合:PVパワー、韓国SK、地元企業の3社体制

投資家側を代表して、ベトナム石油電力総公社(Tổng công ty Điện lực Dầu khí Việt Nam=PV Power)のレー・ニュー・リン総社長(Tổng Giám đốc Lê Như Linh)が発言し、2030年の完工に向けて複数の作業を同時並行で進めていると説明した。現在、「クインラップLNG電力株式会社」(Công ty cổ phần Điện lực LNG Quỳnh Lập)の設立手続きを進めるとともに、信頼性の高いパートナーとの機器調達交渉も行っているという。

投資家連合は、PV Power、ゲアン製糖有限責任会社(Công ty Trách nhiệm hữu hạn Mía đường Nghệ An)、そして韓国のSKイノベーション(SK Innovation Co., Ltd)の3社で構成されている。日本企業にとっても、機器供給やEPC(設計・調達・建設)契約などでの参入機会が注目される組み合わせである。

課題山積の用地取得:250基以上の墓地移転、100隻超の漁船対応

一方で、用地取得には多くの困難が伴う。タンマイ区のグエン・ティ・フオン人民委員会委員長(Chủ tịch UBND phường Nguyễn Thị Hương)によると、住民はプロジェクトを支持しているものの、土地の権利関係が複雑に入り組んでおり、大部分が土地使用権証明書(いわゆる「レッドブック」)を取得していない状態にある。長年にわたる「凍結された計画区域」(quy hoạch treo)の影響で、違法占拠や無許可建築が各時代を通じて蓄積してきた。

さらに、プロジェクト区域内には移転が必要な墓地が250基以上存在し、調査対象海域には100隻を超える漁船が日常的に操業・停泊しているという。住民からは、生活と生産活動の便宜のため「現地での再定住」を希望する声が上がっている。

省は地元の積極的な対応を評価しつつ、タンマイ区に対し、4月30日までに着工に必要な用地を優先的に引き渡すための詳細計画の策定を求めた。商工局には「タスクフォース」(Tổ công tác)の設置と、類似プロジェクトからの知見収集を指示。財務局には供託金手続きと補償金の財源確保、農業・環境局には土地手続きの支援と環境影響評価の審査、建設局には3月中の詳細計画(縮尺1/500)と実現可能性調査報告書の完成が課された。

日本企業への示唆:LNG関連インフラ需要の拡大

ベトナムは石炭火力依存からの脱却を進める中で、LNG火力を「橋渡し電源」として位置付けている。第8次電力開発計画では、2030年までに複数のLNG発電所の�kind工・運転開始が予定されており、クインラップはその中核案件の一つである。日本企業にとっては、LNG貯蔵タンク、再ガス化設備、タービン、制御システムなどの機器供給、さらにはプロジェクトファイナンスやO&M(運転・保守)分野での参画機会が広がる可能性がある。

ゲアン省は、ベトナム建国の父・ホーチミンの生誕地としても知られ、近年は工業化と港湾整備が進む注目地域である。今回のプロジェクトが順調に進めば、同省のエネルギー・物流拠点としての地位がさらに高まることは間違いない。

出典:Vn Economy

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