ベトナム中部の玄関口であるダナン国際空港で、無人航空機(UAV=ドローン)が離着陸エリアに繰り返し侵入し、多数の民間航空便が欠航や迂回を余儀なくされる深刻な事態が発生している。建設省は国防省、公安省、および空港を有する各省・市の人民委員会に対し、ドローンの管理・監視体制の強化と違反者への厳正な処分を求める公文書を発出した。
半年で複数回の侵入、旧正月にはピーク
ベトナム民間航空局(CAAV)の報告によると、2025年9月から2026年2月にかけて、ダナン国際空港の周辺空域ではドローンによる侵入が相次いで発生した。確認されたドローンは高度1,000フィート(約300メートル)から3,800フィート(約1,150メートル)という航空機の離着陸に重大な影響を及ぼす高さで飛行していた。
特に被害が集中したのが、ベトナム最大の連休であるテト(旧正月)期間である。2026年2月17日(旧暦元旦)には2件のドローン侵入が発生し、17便が上空での待機を強いられ、1便が代替空港へ迂回、さらに15便が出発を待たされた。続く2月22日(旧暦6日目)にも1件のドローン侵入と、ドローンまたは気球とみられる飛行物体の侵入が1件発生。この日は18便が待機、4便が迂回、14便が出発遅延となった。
建設省次官「対策は機能していない」
建設省のレー・アイン・トゥアン次官は、こうした事案が繰り返し発生し、状況が複雑化していることについて、「空港周辺における違法ドローンの取り締まりが実効性を欠いている証左だ」と厳しく指摘した。同次官は、航空安全のみならず国家安全保障にとっても重大なリスクであり、特に帰省ラッシュで航空需要が急増するテト期間中の事案は深刻だと強調した。
建設省は今回の公文書で、国防省、公安省、および各地方のテロ対策指導委員会に対し、2025年に施行された政令第288号およびその他の関連法規に基づき、ドローンを含む飛行物体の管理・検査・監視を強化するよう要請した。
ダナン市には「常設の省庁間連携体制」を求める
建設省はダナン市に対して特に具体的な対応を求めている。公安、軍、民間航空の各機関が常時連携し、早期警戒と即時対応が可能な省庁横断的な体制を整備すること、そして責任の所在を明確にすることが必要だとした。また、関係当局には違反した組織・個人への厳正な処分を徹底するとともに、飛行制限区域に侵入するドローンに対しては遠隔での妨害・無力化措置の適用も検討するよう求めている。
さらに、空港周辺の住民に対する啓発活動の強化も要請された。ドローンの違法飛行がもたらす危険性、法的責任、罰則について広く周知し、再発防止につなげる狙いがある。
日本企業・旅行者への影響と今後の展望
ダナン国際空港は、日本からの直行便も就航するベトナム中部の主要ハブであり、日系企業の駐在員や観光客の利用も多い。今回のような運航遅延や迂回が続けば、ビジネス出張や旅行計画に影響が及ぶ可能性がある。また、ベトナム政府がドローン規制を強化する方向に動けば、物流や測量など産業用途でドローン活用を検討している日本企業にも影響が波及する可能性がある。
ベトナムでは近年、趣味や商業目的でのドローン利用が急速に広がる一方、法規制の周知徹底や取り締まり体制の整備が追いついていないのが実情だ。今回の建設省の動きは、航空安全と国家安全保障の観点から、ドローン管理の本格的な見直しが始まる契機となるかもしれない。
出典: Vn Economy
いかがでしたでしょうか。今回のベトナム・ダナン空港でのドローン侵入問題について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。
【noteメンバーシップのご案内】
より詳細なベトナムの経済ニュース解説や企業の投資分析、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。
https://note.com/gonviet/membership












コメント