ベトナム・ドンナイ省がホーチミン市に建設用石材の共同供給を提案—環状3号・4号線の資材確保が課題に

Đồng Nai đề xuất phối hợp cung ứng vật liệu xây dựng cho dự án Vành đai 3, Vành đai 4
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ベトナム南部の重要インフラプロジェクトであるホーチミン市環状3号線・環状4号線の建設に必要な建設用石材の確保をめぐり、ドンナイ省(Đồng Nai、ホーチミン市東隣の工業集積地)がホーチミン市に対し、資材供給の協力体制構築を正式に提案した。ドンナイ省側は自省の採掘能力が既に上限に達していることを明かしており、南部ベトナムのインフラ建設ラッシュにおける資材供給のボトルネックが浮き彫りとなっている。

目次

ドンナイ省からホーチミン市への公式文書の概要

ドンナイ省人民委員会は、文書番号4057/UBND-KTNにおいて、ホーチミン市からの建設用石材支援要請に回答する形で、今回の提案を行った。背景には、ベトナム首相が両地方自治体に対し、南部地域の重点交通インフラプロジェクト向けの建設資材確保を指示していることがある。

ドンナイ省はこれまで、特別メカニズム(cơ chế đặc thù)を積極的に導入し、省内の多数の石材採掘場の生産能力を引き上げてきた。2025年には、メコンデルタ(Tây Nam Bộ)地域の各省向けのみならず、ホーチミン市の環状3号線プロジェクト、さらにはロンタイン国際空港(Cảng hàng không quốc tế Long Thành、ベトナム最大規模の新空港プロジェクト)やビエンホア〜ブンタウ高速道路(cao tốc Biên Hòa – Vũng Tàu)など省内の重点工事にも石材を供給してきた。

採掘能力は上限に—2026年の供給バランスに懸念

しかし2026年に入り、ドンナイ省の石材採掘・加工能力は既に最大限に達しており、供給バランスの維持に大きな圧力がかかっている状況である。政府からは引き続き重点プロジェクト向けの資材確保が求められているものの、一省だけでの対応には限界がある。

これを踏まえ、ドンナイ省はホーチミン市に対し以下の対応を求めた。

  • ホーチミン市建設局および農業・環境局に対し、市内の石材採掘に関する地質条件・採掘能力の評価を実施するよう指示すること
  • 2025年鉱物法および特別メカニズムに基づき、新規採掘許可の発行または既存採掘場の生産能力引き上げを行い、環状3号線・環状4号線向けの石材を確保すること
  • ホーチミン市側で十分な採掘能力が確保できないと判断された場合は、ドンナイ省農業・環境局と協議の上、資材配分の統一方針を策定すること

ホーチミン市は約100万m³の石材支援を要請していた

今回のドンナイ省の回答に先立ち、2026年3月初旬にホーチミン市人民委員会はドンナイ省に対し、重点交通インフラ向けに約100万m³の建設用石材の配分支援を要請する文書を送付していた。

なお、全国的な省・市の合併(hợp nhất các tỉnh, thành)後、ドンナイ省とホーチミン市は南部地域で最大の石材埋蔵量を持つ2大自治体となっている。ホーチミン市農業・環境局の報告(2026年2月25日付、報告番号4402/BC-SNNMT-TNNKS)によれば、2025年末時点でホーチミン市の残存石材埋蔵量は2億3,600万m³超、2025年の年間採掘量は2,400万m³超であった。一方、ドンナイ省の残存埋蔵量は約2億6,000万m³で、現在30カ所の採掘場が稼働中である。

投資家・ビジネス視点の考察

今回のニュースは、ベトナム南部で同時進行する大型インフラプロジェクトの規模の大きさと、それに伴う建設資材の需給逼迫を如実に示している。環状3号線・環状4号線は、ホーチミン市圏の慢性的な交通渋滞の解消と物流効率の飛躍的改善を目指す国家的プロジェクトであり、ロンタイン国際空港と合わせ、南部ベトナムのインフラは2025〜2027年にかけて大きな転換期を迎える。

ベトナム株式市場においては、建設用石材・砕石の採掘企業や建設資材セクターへの注目度が高まる局面である。ドンナイ省やホーチミン市(旧バリア=ブンタウ省、旧ビンズオン省を含む)で採掘事業を展開する企業は、需要増の恩恵を受ける一方、採掘許可や環境規制の動向がリスク要因となりうる。また、建設コストの上昇はゼネコンや不動産開発企業の利益率を圧迫する可能性もあり、セクター全体を注視する必要がある。

日本企業にとっては、南部ベトナムのインフラ整備加速は物流拠点としての魅力向上に直結する。特にロンタイン国際空港の開港やビエンホア〜ブンタウ高速道路の完成は、ドンナイ省やバリア=ブンタウ省に進出する日系製造業にとって大きなプラス材料である。

2026年9月に判断が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げに向けて、ベトナム政府がインフラ整備を着実に推進している姿勢は、海外投資家からの評価を高める要素となる。資材供給のボトルネックが工期遅延につながるリスクには留意が必要だが、省間の協力体制構築が進んでいること自体は、政策実行力の向上を示すポジティブなシグナルといえる。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: 元記事

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