ベトナム北部の証券市場を管轄するハノイ証券取引所(HNX)は、2026年1月の市場動向を発表した。同月は取引高が前月比31%超の大幅増となる一方、外国人投資家および証券会社の自己売買部門がともに売り越しに転じるなど、明暗が分かれる展開となった。
HNX指数は月末に2.95%上昇で着地
HNXの発表によると、2026年1月の上場株式市場は激しい変動を見せた。HNX指数は月初から3週間にわたり上昇基調を維持し、1月22日に月間最高値を記録。その後、利益確定売りに押され急落したものの、月末にかけて回復し、最終的に256.13ポイントで着地した。前月比では2.95%の上昇である。
取引高は31%増、売買代金は37%増と活況
市場の流動性は大幅に改善した。1日あたりの平均取引量は9,850万株となり、前月比31.41%増加。売買代金ベースでも平均2,220億ドン(約13億円相当)と、37.83%の伸びを記録した。旧正月(テト)を控えた「ご祝儀相場」への期待感や、個人投資家の参入増加が背景にあると見られる。
外国人投資家は87億ドンの売り越し
一方、外国人投資家の動向は慎重姿勢が続いている。1月のHNX上場株における外国人取引額は前月比43%増加したものの、買い付け額2,444億ドン超に対し、売却額は2,531億ドン超となり、差し引き約87億ドン(約5億円)の売り越しとなった。世界的な金利動向や新興国市場からの資金流出懸念が影響しているとの見方もある。
証券会社の自己売買部門も大幅売り越し
注目すべきは、証券会社の自己売買(ディーラー)部門の動きである。同部門の取引額は前月比71%減の460億ドン超(市場全体の約1%)に縮小。さらに、外国人と同様に売り越し基調となり、その額は1,071億ドン超(約63億円)に達した。機関投資家が慎重姿勢を強めていることを示唆する数字である。
市場規模は302社、時価総額464兆ドン超
2026年1月末時点で、HNXには302社が上場しており、上場総額は181兆ドン超。時価総額は464.3兆ドン超(約2.7兆円相当)となり、前月比0.5%増加した。ホーチミン証券取引所(HOSE)に比べ中小型株が多いHNXだが、着実に市場規模を拡大している。
日本企業・投資家への示唆
ベトナム株式市場は、2025年中の「新興国市場」から「エマージング市場」への格上げ期待を背景に注目度が高まっている。ただし、外国人や機関投資家の売り越し傾向は、短期的な調整リスクを示唆するものであり、日本からの投資家は引き続き慎重な銘柄選別が求められる。一方で、流動性の向上は市場の成熟を示す好材料であり、中長期的な視点では魅力的な投資先であることに変わりはない。
出典: HNX発表資料












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