ベトナム・フエが「グリーン観光都市」へ大転換—プラごみゼロ・自転車・EVで新たな旅路を創造

Huế kiến tạo hành trình du lịch mới mang “sắc xanh”
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ベトナム中部の古都フエ(Huế)が、「ベトナムを代表するグリーン観光都市」への転換を本格化させている。プラスチックごみの削減、グリーン交通インフラの整備、デジタル技術を活用した環境モニタリングなど、包括的な施策を同時並行で推進しており、世界遺産の街が持続可能な観光の先進モデルを目指す動きとして注目される。

目次

プラごみゼロを掲げる実践的な取り組み

フエ市が最も力を入れている施策の一つが、「プラスチックごみゼロの観光地」というブランドイメージの構築である。具体的には、市内の主要観光スポット、公園、歴史遺跡エリアに無料の給水ステーションを設置し、観光客がマイボトルを利用する習慣を促している。使い捨てペットボトルの使用削減を狙った施策であり、すでに複数の拠点で運用が始まっている。

また、公衆トイレの整備を「コミュニティトイレ(Nhà vệ sinh cộng đồng)」プログラムとして広域展開しており、特に旧市街エリアを中心にカバー範囲を拡大中である。これはサービス品質の向上だけでなく、「文明的で観光客に優しい都市」としてのイメージ形成にも寄与する。

エコツーリズムの拠点となる渓流、滝、ビーチなどでは、専門の清掃・監視チームが常駐体制を敷いている。廃水についても上流段階からの管理を徹底し、自然生態系への悪影響を最小限に抑える方針である。公共の場における環境保護規定も策定・公示され、違反行為に対する取り締まりが強化されている。

自転車・EV・歩行者天国で「グリーン交通」を推進

フエ市はグリーン交通インフラの整備にも注力している。歩行者天国(フォーディーボー)の拡大、公共レンタサイクルの導入、電動車両(EV)の活用により、排気ガスや騒音を抑えつつ、観光客にゆったりとした体験を提供する狙いである。

フオン川(香江、Sông Hương)沿いの観光ルートや市中心部、歴史遺跡群では、自転車や電動車両といったゼロエミッション交通手段が優先的に導入される方向だ。これは環境保全と同時に、「静かで穏やかな遺産都市」というフエ固有の魅力を守る戦略でもある。市は宿泊施設や旅行会社に対しても、環境配慮型の輸送手段への転換を奨励している。

デジタル技術とスマート監視で観光管理を高度化

フエ市はデジタルトランスフォーメーション(DX)を観光管理にも積極的に取り入れている。観光客がスマートフォンを通じて環境違反を通報したり、エコフレンドリーな観光スポットを検索できる仕組みが整備されつつある。

フエ王宮(ダイノイ、Đại Nội)、ドンバ市場(Chợ Đông Ba)、フオン川、ランコービーチ(Lăng Cô)といった主要拠点には、監視カメラと環境センサーが設置されている。これにより治安維持、環境品質のリアルタイム監視、客引き行為やポイ捨てなどの迷惑行為の抑止が図られている。観光客数のモニタリングによるオーバーツーリズム対策にも活用される見通しである。

さらに、すべての観光施設・サービス拠点に対して料金の公示が義務付けられ、価格の透明性が確保されている。観光客からの苦情を受け付けるホットラインも開設済みである。

「グリーン観光基準」の策定で制度的な基盤づくり

特筆すべきは、フエ市が独自の「グリーン観光基準(Bộ tiêu chí du lịch xanh)」の策定を進めている点である。これは環境保護、文化遺産の保全、責任ある観光(レスポンシブルツーリズム)を一体的に推進するための制度的な基盤となるものだ。環境保全に貢献した個人・団体を表彰する仕組みも整備される予定で、地域コミュニティ全体の意識向上を狙う。

シクロ(三輪自転車タクシー)や荷台付きバイクタクシーなど、フエ独自の交通手段についても、協同組合や登録事業者による運営へと移行させ、サービスの専門化・標準化を進める方針である。

投資家・ビジネス視点の考察

フエの「グリーン観光都市」戦略は、以下の観点からベトナム投資・ビジネスに関心を持つ層にとって重要な意味を持つ。

観光関連銘柄への追い風:ベトナム株式市場では、観光・ホスピタリティセクターの銘柄(例:サイゴンツーリスト系列、ビンパールを擁するビングループ(ベトナム最大手のコングロマリット)など)が、地方都市の観光高度化の恩恵を受ける可能性がある。フエはユネスコ世界遺産を複数擁する国内有数の観光地であり、インフラ投資の拡大は中長期的に観光収入の底上げにつながる。

日本企業との親和性:日本はベトナムのグリーンインフラ分野で主要な協力パートナーであり、廃棄物処理、浄水システム、スマートシティ技術などの分野でフエとの連携余地は大きい。日本のODA案件やJICA支援プロジェクトとの接点も期待される。

FTSE新興市場指数の格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げは、海外からの資金流入を大幅に増加させる見通しである。持続可能な都市開発やESG関連の取り組みを進める地方都市の事例は、ベトナム全体の「投資適格性」を高める要素となり得る。

ベトナム全体のトレンド:フエの動きは、ベトナム政府が掲げる2050年カーボンニュートラル目標や、観光産業の質的転換(量から質へ)という国家戦略と軌を一にしている。ダナン、ホイアン、ニャチャンなど他の主要観光都市にも波及する可能性があり、グリーンツーリズム関連のビジネスチャンスは今後さらに拡大するであろう。


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出典: 元記事

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