ベトナムの大手不動産・リゾート開発企業FLCグループは、35歳の若手人材を新たなトップに据える大胆な人事を発表した。創業者であるチン・ヴァン・クエット氏の経営復帰からわずか半月という異例のスピードでの刷新であり、同社の再建に向けた本格的な体制整備が進んでいることを示している。
1990年代生まれの新世代リーダー誕生
FLCグループは、チン・ヴァン・ナム氏(35歳)を新たな総経理(日本でいう社長・CEO相当)に任命した。ナム氏は1990年代生まれ、いわゆる「9x世代」と呼ばれるベトナムの若手世代に属する。ベトナムのビジネス界では、この世代が経営の第一線に立つケースはまだ珍しく、大手上場企業のトップに就任したことは注目に値する。
一方、前任の総経理は常務副総経理(常務副社長)に就任し、引き続き経営陣として同社に残ることとなった。これは単なる交代劇ではなく、若手への権限移譲と経験者によるサポート体制を両立させる狙いがあるとみられる。
創業者チン・ヴァン・クエット氏の復帰と今後
FLCグループは、ベトナム国内でゴルフ場やリゾートホテル、航空会社バンブー・エアウェイズなどを展開する大手コングロマリットとして知られる。しかし2022年、創業者であるクエット氏が株価操作の疑いで逮捕されて以降、グループは経営危機に直面していた。
クエット氏は長期の法的手続きを経て、約2週間前に表舞台への復帰を果たしたばかりである。今回の人事刷新は、同氏の復帰を受けてグループの立て直しを加速させる意図があると考えられる。
日本企業・投資家への示唆
FLCグループは過去、日本の投資家やゴルフ愛好家にも一定の認知度があり、同社が開発するリゾート施設を訪れた日本人も少なくない。今回の若手抜擢人事は、ベトナム企業における世代交代の加速と、大企業においても機動的な経営判断が行われる傾向を示している。
ただし、FLCグループは依然として財務面や法的リスクを抱えているとされ、今後の再建が順調に進むかどうかは予断を許さない状況である。ベトナムへの投資や事業展開を検討する日本企業にとっては、同グループの動向を注視しつつ、カントリーリスクとコーポレートガバナンスの重要性を改めて認識する契機となるだろう。
出典: VnExpress












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