ベトナム政府は、北部バクニン省に建設中の「ジャビン国際空港」を核とした大規模インフラ整備計画を加速させる方針を明らかにした。ファム・ミン・チン首相は2026年3月8日付の政府通達で、関係省庁および地方自治体に対し、計画の早期完成と接続インフラの同時整備を指示。2027年2月のAPEC首脳会議に合わせた第1期開業を目指し、「緊急工事」としての着工も視野に入れている。
国家的重要プロジェクトとしての5つの目標
チン首相は、ジャビン国際空港を単なる航空インフラではなく、国家的重要プロジェクトとして位置づけ、以下の5つの目標を掲げた。
第一に、経済・社会発展の原動力となり、国防・安全保障を確保する「スマートで現代的な空港」の実現。第二に、新世代の自由貿易区を含む「航空経済特区」の建設。開放的かつスマート、国際統合を深化させた実効性のある経済圏を目指す。第三に、首都ハノイとバクニン省に新たな発展空間を創出し、北部の3大成長拠点(ハノイ、ハイフォン市、クアンニン省)を結ぶハブとしての機能。第四に、紅河デルタ地域および首都圏との連携強化、さらにラオカイ、ランソン、クアンニン、ハイフォンの陸路・鉄道国境を通じた国際接続の拡充。第五に、プロジェクト周辺住民の生活向上、雇用創出、そして「明るく、緑豊かで、清潔かつ文明的・現代的」な居住環境の整備である。
2026年3月中に100年先を見据えた計画策定を指示
チン首相は、バクニン省人民委員会に対し、「少なくとも100年先を見据えた長期ビジョン」に基づく関連計画の見直しと調整を2026年3月中に完了するよう指示した。これは、単なる空港建設にとどまらず、北部ベトナム全体の都市開発・物流網再編を視野に入れた壮大な構想であることを示している。
また、ハノイと空港を結ぶ接続道路については、2027年2月のAPEC会議開催までに空港第1期と同時完成させる必要がある場合、建設法に基づく「緊急建設工事」として着工することも認める方針を示した。
5省連携による広域インフラ整備
チン首相は、ハノイ、バクニン、フンイエン、ハイフォン、クアンニンの5省・市に対し、ジャビン空港に接続する道路、鉄道、港湾などのインフラ整備の進捗確認と、空港との同時完成に向けた実施計画の策定を求めた。工程管理においては、品質・安全・環境保護の確保とともに、汚職・不正・浪費の防止を徹底するよう強調している。
新世代自由貿易区の創設へ
空港に隣接する航空経済特区の開発について、チン首相はバクニン省を中心に財政省、公安省などと連携し、「ジャビン国際空港経済区に付随する新世代自由貿易区」の設立案を2026年3月中に上級機関へ提出するよう指示した。これは、シンガポールやドバイなど国際的な航空ハブに見られる自由貿易区モデルを参考にしたものとみられる。
日本企業への示唆
ジャビン国際空港は、サムスン電子の巨大工場群が集積するバクニン省に位置し、完成すれば北部ベトナムの製造業サプライチェーンに大きな変革をもたらす可能性がある。日系企業にとっても、ハノイ周辺の物流効率化や、ハイフォン港・クアンニン港との複合輸送ルート構築など、新たなビジネス機会が期待される。100年ビジョンという異例の長期計画は、ベトナム政府がこのプロジェクトに賭ける本気度を物語っている。
出典: Vn Economy
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