ベトナムの家電・携帯電話販売大手テーゾイジドン(Thế Giới Di Động、Mobile World Investment Corporation)傘下の食品スーパーチェーン「バックホアサイン(Bách Hóa Xanh=緑の百貨店)」が、2025年の年間利益で7,100億ドン(約42億円)を達成したことが明らかになった。これは1日あたり約20億ドン(約1億2,000万円)に相当する数字であり、同チェーンの急成長ぶりを如実に示している。
携帯販売の巨人が挑んだ「食品小売」への転換
テーゾイジドンは、2004年に設立されたベトナム最大級の家電・携帯電話販売チェーンである。同社は「テーゾイジドン(Mobile World)」や「ディエンマイサイン(Điện Máy Xanh=緑の家電)」といったブランドで全国に店舗網を展開し、ベトナム国内のスマートフォン・家電販売市場で圧倒的なシェアを誇ってきた。
しかし、スマートフォン市場の成熟化や競争激化を背景に、同社は2015年頃から新たな成長分野として食品・日用品小売事業への参入を決断。2018年に本格稼働を開始した「バックホアサイン」は、都市部から地方までをカバーする中小規模のスーパーマーケットチェーンとして急速に店舗数を拡大してきた。
コロナ禍の赤字から一転、黒字化を達成
バックホアサインは参入当初、既存のウェットマーケット(伝統的な市場)や競合チェーンとの競争、さらにコロナ禍による消費低迷などが重なり、長らく赤字経営が続いていた。しかし、店舗運営の効率化、品揃えの最適化、そして配送インフラの整備を進めた結果、2024年後半から収益性が大きく改善。2025年には年間7,100億ドンという大幅な黒字を計上するに至った。
この成功の背景には、ベトナム国民の購買行動の変化がある。従来、ベトナムの家庭では生鮮食品を近隣の市場で購入するのが一般的だったが、都市化の進展や共働き世帯の増加、衛生意識の高まりなどを受け、近代的なスーパーマーケットへの需要が急拡大している。バックホアサインは、こうしたトレンドを的確に捉えた形だ。
日本企業にとっての示唆
今回のニュースは、ベトナム小売市場への進出を検討する日本企業にとっても注目に値する。イオンやセブン&アイ・ホールディングスなど、すでにベトナムで事業を展開する日系小売企業にとって、バックホアサインは手強い競合となりつつある。一方で、食品加工や物流、冷蔵・冷凍技術といった分野では、日本企業との協業の余地も十分にあると考えられる。
ベトナムの小売市場は今後も年率10%前後の成長が見込まれており、約1億人の人口を抱える同国は、東南アジアにおける最重要市場の一つとして位置づけられている。テーゾイジドンの「食品小売への転換」という大胆な戦略が、今後どのような展開を見せるのか、引き続き注視していきたい。
出典: VnExpress
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