ベトナム株式市場において、大型株から中小型株への資金移動が鮮明になりつつある。2月3日の取引では、主要指数のVNインデックス(VNI)こそ小幅な上昇にとどまったものの、市場全体の騰落比率は1.5対1と良好で、15銘柄がストップ高で取引を終えた。注目すべきは、ホーチミン証券取引所(HSX)全体の売買代金に占めるVN30(時価総額上位30銘柄で構成される指数)の比率が54.7%にまで低下した点である。過去の経験則では、この比率が50%を下回ると資金の分散が一段と顕著になるとされており、現在の市場はその転換点に近づいている。
中小型株への資金流入が加速
週初めに底値買いの動きが見られた後、投資家心理は依然として強気を維持している。多くの投資家がVNIの指数水準に左右されることなく、中小型株に投資機会を見出している状況だ。実際、この日は100銘柄以上が1%超の上昇を記録し、ストップ高となった15銘柄はいずれも高い売買代金を伴っていた。これは投資マネーの活発な流入なくしては実現し得ない現象である。
資金配分に見る市場の楽観
資金フローの観点から見ると、HSXの売買代金のうち約3分の1が1%以上上昇した銘柄群に集中した。一方、1%以上下落した銘柄群が占める割合はわずか14.8%にとどまった。MWG(モバイルワールド=家電量販大手)、VHM(ビンホームズ=不動産最大手)、BID(BIDV=国営銀行)、VNM(ビナミルク=乳業最大手)、PLX(ペトロリメックス=石油元売り大手)など、売買代金が1000億ドン(約60億円)を超えながら1%以上下落した銘柄も10銘柄ほど見られたが、全体としては少数派であった。対照的に、同水準の売買代金を伴いながら1%以上上昇した銘柄は30銘柄に達し、数十億円規模の売買代金を記録した中小型株の上昇も目立った。
VNIは1800ポイントの攻防が焦点
市場全体を評価する上で、VNIは依然として重要な指標である。現在、1800ポイントの節目が維持できるかどうかが焦点となっており、過去2営業日で厳しい試練に晒されている。このラインを割り込めば、数カ月間続いたボックス圏への回帰が意識され、指数は一段安となる可能性がある。しかし、投資家の多くが指数の動向よりも個別銘柄の選別に重きを置いているからこそ、今回のような買い上がりが実現したともいえる。
売買代金は331億ドン超、先週比で微増
この日の上場2市場(HSXとハノイ証券取引所)の合計売買代金は前日比4.7%増の331億ドン(約2000億円)超となった。伸び率こそ小幅だが、絶対額としては決して少なくない。先週の1日平均売買代金は287億ドン(約1700億円)で、その60%がVN30構成銘柄に集中していた。売買代金が増加する一方で大型株への集中度が低下しているということは、資金が幅広い銘柄に分散していることを意味する。
デリバティブ市場の動向
先物市場では、この日の値動きは比較的狭いレンジにとどまり、ベーシス(先物と現物の価格差)はショート(売り)に有利な状態が続いた。VN30先物が2013〜2018ポイントのレンジを一時下抜けた際には9ポイント以上のショート優位が生じたが、その後指数が1997ポイント付近まで下落してもベーシスはあまり縮小しなかった。午後の取引で再び2013ポイントを試した際にはショートが勢いを増し、ベーシスは5ポイント未満にまで縮小、連続取引終了直前にVN30は1997ポイント付近で引けた。
今後の展望と投資戦略
資金移動が加速していることで、個別銘柄の値動きが指数と乖離する可能性が高まっている。これは個別銘柄の分析が依然として有効であることを示す好材料といえる。当面の戦略としては、保有銘柄を維持しつつ、先物でのロング・ショートを柔軟に使い分けることが推奨される。VN30の翌日の上値抵抗線は2013、2019、2025、2032、2040、2048、2060ポイント、下値支持線は1989、1980、1965、1959、1947ポイントが意識される。
日本企業・投資家への示唆
ベトナム株式市場は近年、日本の個人投資家や機関投資家からも注目を集めている。今回の動きは、大型株一辺倒ではなく中小型株にも投資機会が広がっていることを示唆しており、分散投資の観点からも興味深い局面といえる。ただし、VNIが1800ポイントを維持できるかどうかは引き続き注視が必要であり、指数の急落リスクには十分な警戒が求められる。
出典: VnEconomy












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