昨年末の停滞期を経て、ベトナムの輸出産業に回復の兆しが見え始めた。2026年1月、多くの輸出企業が受注の改善を報告しており、特に木製家具や繊維・アパレル産業では第1四半期末まで生産が確保される見通しとなっている。
年末の停滞から一転、受注が回復
ベトナムは「世界の工場」として知られる中国に次ぐ製造拠点として、近年急速にその存在感を高めてきた。米中貿易摩擦やサプライチェーンの多元化を背景に、欧米や日本の企業がベトナムへの生産移管を進めた結果、同国の輸出産業は大きく成長してきた経緯がある。
しかし、2025年後半は世界的なインフレ圧力や主要市場である欧米の消費減速の影響を受け、ベトナムの輸出企業は受注減に苦しんでいた。特に年末商戦後の需要減退期と重なり、多くの工場で生産調整を余儀なくされていた。
こうした中、2026年に入ると状況は一変した。複数の輸出企業が、1月の受注が前年同期比で改善したと報告している。欧米のバイヤーからの春夏向け商品の発注が本格化したことが主な要因とみられる。
家具・繊維産業が牽引役に
特に好調なのが木製家具産業と繊維・アパレル産業である。ベトナムは世界有数の木製家具輸出国であり、米国市場向けの出荷量では中国に次ぐ第2位の地位を占める。環境に配慮した持続可能な木材製品への需要増加も追い風となっている。
繊維・アパレル産業も同様に、ベトナム経済を支える基幹産業の一つである。同国には約6,000社の繊維関連企業が存在し、300万人以上の雇用を創出している。日本企業も多くがベトナムに縫製工場を構えており、ユニクロやワールドなど大手アパレル企業のサプライチェーンにおいて重要な役割を担っている。
これらの産業では、すでに第1四半期(1〜3月)末までの受注が確保されており、工場の稼働率も回復傾向にある。労働者の雇用維持という観点からも、この受注回復は朗報といえる。
日本企業への影響と今後の展望
ベトナムの輸出産業の回復は、同国に進出する日本企業にとっても好材料である。日本はベトナムにとって第4位の輸出相手国であり、両国間の経済関係は年々深化している。日越経済連携協定(JVEPA)やRCEP(地域的な包括的経済連携)の枠組みのもと、関税削減の恩恵を受ける品目も多い。
ただし、楽観視は禁物である。世界経済の先行き不透明感は依然として強く、米国の通商政策や中国経済の動向次第では、再び受注が減少するリスクも残る。ベトナム企業には、付加価値の高い製品へのシフトや生産効率の向上といった構造的な課題への取り組みが引き続き求められる。
2026年のベトナム輸出産業が持続的な回復軌道に乗れるか、今後の動向が注目される。
出典: VnExpress












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