ベトナム国内の金価格が大幅な調整局面を迎えている。前日に1ルオン(約37.5グラム)あたり700万ドン以上の急落を記録した金塊(ヴァンミエン)価格は、2025年3月20日午前にさらに約100万ドン下落し、1億7,400万ドン付近まで値を下げた。しかし、国際金価格との乖離(プレミアム)は依然として1ルオンあたり2,600万ドンを超える高水準で推移しており、市場関係者の間では警戒感が続いている。
2日間で800万ドン超の下落──何が起きているのか
ベトナムの金市場では、3月19日に1ルオンあたり700万ドンを超える大幅な値下がりが発生し、翌20日朝にはさらに100万ドンの続落となった。わずか2営業日で合計800万ドン以上の下落幅となり、直近の急騰局面からの調整色が鮮明になっている。
背景には、国際金価格の動向がある。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を巡る思惑や、米ドルの強含みなどが国際市場での金価格に影響を与えており、その波がベトナム国内市場にも波及した形だ。ベトナムでは金が伝統的に「安全資産」かつ「貯蓄手段」として根強い人気を持ち、特に旧正月(テト)明けから春先にかけては投資需要が高まりやすい時期にあたる。それだけに、急落時には個人投資家の動揺も大きくなりやすい。
世界価格との乖離2,600万ドン超──構造的な問題は解消されず
今回注目すべきは、国内金価格が下落したにもかかわらず、国際金価格との乖離が依然として1ルオンあたり2,600万ドンを超える水準に「高止まり」している点である。この乖離は、ベトナム国内における金の需給構造に起因するものだ。
ベトナムでは、国家銀行(中央銀行に相当)が金塊の独占的な製造・流通管理を行っており、SJC(サイゴン・ジュエリー・カンパニー)ブランドの金塊のみが公式に認められている。この供給管理体制により、国際市場と比較して国内の金価格が大幅に上振れする「プレミアム」が恒常的に発生してきた。ベトナム政府は2024年以降、金市場の安定化に向けて入札方式による金塊の追加供給や、銀行窓口での直接販売といった施策を講じてきたが、プレミアムの完全な解消には至っていない。
日本企業・投資家への示唆
ベトナムの金市場の動向は、同国の通貨ドンの信認やインフレ期待、さらには個人消費のマインドを映す鏡でもある。金価格の急落は、短期的には「含み損」を抱えた個人投資家の消費マインドを冷やす可能性がある一方、適正価格への回帰が進めば市場の健全化につながるとの見方もある。ベトナムで事業を展開する日本企業にとっては、現地の資産市場や消費者心理の変化を注視する必要があるだろう。
また、ベトナム政府が金市場の管理体制を今後どのように見直していくかは、同国の金融自由化の進捗を測るうえでも重要な指標となる。
出典: VN Express
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