ベトナム金価格が2週間ぶりに反発—SJC金塊・金リングとも急騰、世界金価格との乖離拡大

Giá vàng miếng và vàng nhẫn “leo dốc” sau 2 tuần giảm mạnh
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2026年3月24日午前、ベトナム国内の金価格が2週間にわたる急落局面を経て一斉に反発した。SJC金塊(ベトナム政府公認の標準金塊ブランド)は前日比190万ドン/ルオン(約37.5グラム)上昇し、金リング(nhẫn vàng “4 số 9″=純度99.99%の指輪型金製品)はブランドによって180万〜460万ドン/ルオンもの上昇幅を記録した。ただし、この反発幅は直前2営業日(21日・23日)で累計1,200万ドン/ルオンに達した下落幅のわずか約20%に過ぎず、本格的な回復とは言い難い状況である。

目次

SJC金塊:主要各社が一斉に190万ドン引き上げ

3月24日午前の取引開始時点で、SJC社(ベトナム最大手の金取引・加工企業、国営資本が入る)は買値・売値ともに前営業日(23日)終値から190万ドン/ルオン引き上げ、1億6,490万〜1億6,790万ドン/ルオンで気配値を提示した。この価格は午前中を通じて安定的に推移した。

同じ1億6,490万〜1億6,790万ドン/ルオンという価格帯は、DOJI(ベトナム大手宝飾・金取引企業)、PNJ(ホーチミン証券取引所上場の大手宝飾企業、ティッカー:PNJ)、バオティン・ミンチャウ(Bảo Tín Minh Châu、ハノイの老舗金販売店)、バオティン・マインハイ(Bảo Tín Mạnh Hải)、フークイ(Phú Quý)、ゴックタム(Ngọc Thẩm、南部の大手金販売店)でも午前終値として提示されており、いずれも前日比190万ドン/ルオンの上昇であった。

注目すべきはDOJIで、同社のSJC金塊価格は午前中に買値・売値とも410万ドン/ルオンもの上昇を記録した。これは他社の約2倍の上昇幅であり、前日の急落時に他社より大きく値下がりしていた反動とみられる。

ホーチミン市では、ミーホン(Mi Hồng、南部の有力金販売店)が午前中に2回の値下げと2回の値上げを繰り返す荒い値動きを見せた。11時時点の気配値は買値1億6,540万ドン/ルオン、売値1億6,790万ドン/ルオンとなり、前日比では買値・売値とも190万ドン/ルオンの上昇であった。

買値・売値のスプレッドに注目

午前中のSJC金塊の売買スプレッド(買値と売値の差)は、主要各社で300万ドン/ルオンが一般的であった。しかしミーホンではスプレッドが250万ドン/ルオンに拡大し、3月上旬以来の最大幅となった。それでもミーホンのスプレッドは市場全体で最も狭い水準を維持しており、同店が個人投資家にとって比較的有利な売買条件を提供していることがわかる。スプレッドの大きさは市場の流動性や業者のリスク許容度を反映するため、投資家は価格水準だけでなくスプレッドにも注意を払う必要がある。

金リング:ブランド間で最大460万ドンの上昇幅

純度99.99%の金リング(ベトナムでは「vàng nhẫn 4 số 9」と呼ばれ、金塊に次ぐ人気の金投資商品)も全般的に上昇した。ブランドごとの上昇幅は180万〜460万ドン/ルオンと大きなばらつきがあった。

最大の上昇幅を記録したのはDOJIで、同社の「Tròn 9999 Hưng Thịnh Vượng」ブランド金リングは買値が460万ドン/ルオン、売値が420万ドン/ルオン上昇し、1億6,490万〜1億6,790万ドン/ルオンで午前中を通じて推移した。

バオティン・ミンチャウとバオティン・マインハイの2社は、開始時に190万ドン/ルオン引き上げた後、さらに1時間余りで60万ドン/ルオンを追加し、最終的に1億6,550万〜1億6,850万ドン/ルオンで午前を終えた。前日比では250万ドン/ルオンの上昇であり、この2社の売値1億6,850万ドン/ルオンは市場最高値であった。

SJC社の金リングは1億6,470万〜1億6,770万ドン/ルオン(前日比190万ドン/ルオン上昇)、PNJは1億6,480万〜1億6,780万ドン/ルオン(同180万ドン/ルオン上昇)、フークイも1億6,490万〜1億6,790万ドン/ルオン(同190万ドン/ルオン上昇)で午前を終了した。

唯一の値下がり:ゴックタムの金リング

市場全体が反発する中で、唯一値下がりしたのが南部のゴックタムである。同店の金リングは買値1億5,750万ドン/ルオン、売値1億6,150万ドン/ルオンとなり、前日比で買値・売値とも250万ドン/ルオンの大幅下落を記録した。これで同店の金リングは21日から24日にかけて3営業日連続の値下がりとなった。南部市場特有の需給要因や在庫調整が背景にある可能性がある。

世界金価格は5日連続下落、国内との乖離が拡大

国内金価格が反発した一方で、国際市場では金のスポット価格が5営業日連続の下落を記録している。24日11時30分時点で金スポット価格は前日比1.5%安の3,044 USD/オンス付近まで後退した。

ベトコムバンク(Vietcombank、ベトナム最大手の国有商業銀行)の為替レート(税・手数料込み)で換算すると、SJC金塊と国際金価格との乖離は約2,841万ドン/ルオンに達している。金リング(99.99%)については、ブランドにより2,201万〜2,901万ドン/ルオンの乖離が生じている。この乖離幅は依然として大きく、ベトナム国内の金市場が国際市場と連動しきれていない構造的問題を浮き彫りにしている。

2週間の値動きを振り返る

2026年3月上旬から中旬にかけて、ベトナム国内の金価格は国際金価格の急騰に連動して史上最高値圏まで上昇していた。しかし3月21日と23日の2営業日で、SJC金塊は累計1,200万ドン/ルオンもの急落を経験した。この急落は、国際金価格の調整局面に加え、ベトナム国家銀行(中央銀行)による金市場安定化策への思惑、そして投資家の利益確定売りが重なったものとみられる。24日の反発は190万ドン/ルオンにとどまっており、下落幅の約20%しか回復していない点は重要である。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の金価格の動きは、ベトナムの金市場が持つ独特の構造を改めて浮き彫りにしている。以下の点に注目したい。

1. PNJ株への影響:PNJ(ティッカー:PNJ)はベトナム最大手の宝飾小売企業であり、金価格の変動は同社の在庫評価益・損に直結する。金価格の急落局面では在庫評価損が懸念されるが、反発局面では逆に評価益が生じる。短期的にはPNJ株のボラティリティが高まりやすい環境である。

2. ベトナム国内金市場の構造問題:国際金価格との乖離が2,000万〜2,900万ドン/ルオンに達している現状は、ベトナム政府が金の輸入を厳しく管理していることに起因する。ベトナム国家銀行は金塊の独占的な供給者であり、需給のミスマッチが慢性的なプレミアムを生んでいる。この構造が変わらない限り、国内金価格は国際価格との連動性が低いままであり、投資判断には注意が必要である。

3. 為替・マクロ経済との関連:金価格の急騰はベトナムドンへの信認低下や、インフレヘッジとしての金需要の高まりを反映する側面がある。2026年9月に予定されるFTSE新興市場指数への格上げ判定を控え、ベトナム政府は金融市場の安定化を優先しているとみられる。金市場の過度な投機的動きに対しては、当局が何らかの介入措置を講じる可能性がある。

4. 日本企業・投資家への示唆:ベトナムに進出している日本企業にとって、金価格の急変動は直接的な影響は限定的であるが、金に資金が集中することで株式市場や不動産市場への資金流入が減少する可能性がある。ベトナム株投資を行う日本人投資家は、金市場の動向も間接的な資金フロー指標として注視すべきである。


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出典: 元記事

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