ベトナム金塊価格が反発、SJC金1テール172.7万ドン—売買スプレッド縮小も依然高水準

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前日9日に金塊(SJC金)の買取価格が250万ドン/テール、販売価格が350万ドン/テールと大幅に急落したベトナム金市場だが、翌10日午前には一斉に反発した。売買スプレッド(買値と売値の差)も3日連続で400万ドン/テールに張り付いていた状態から300万ドン/テールへとやや縮小したものの、依然として個人投資家にとってリスクの高い水準が続いている。

目次

SJC金塊:主要各社が一斉に120万ドン幅の反発

10日午前の寄り付きで、SJC社(ベトナム国営の金取引最大手)は前日終値比で買い・売りともに120万ドン/テール引き上げ、買取1億6,970万ドン~販売1億7,270万ドン/テールを提示した。11時時点でもこの価格は変わっていない。

同水準はDOJI(ベトナム大手貴金属・宝飾企業)、PNJ(フーニュアンジュエリー、ホーチミン証券取引所上場の宝飾最大手)、バオティンミンチャウ、バオティンマインハイ、フークイでも統一的に提示された。DOJI、PNJ、バオティンミンチャウでは買い・売りとも前日比120万ドン/テールの上昇。一方、バオティンマインハイは売値が120万ドン上昇に対し買取価格が220万ドン上昇、フークイも売値120万ドン上昇に対し買取価格は140万ドン上昇と、買取側の回復幅がやや大きかった。

ホーチミン市ではミーホン(Mi Hồng)が2回連続の上方修正を経て、買取1億7,070万ドン~販売1億7,270万ドン/テールを提示。ゴックタム(Ngọc Thẩm)は買取1億6,950万ドン~販売1億7,250万ドン/テールで、前日比それぞれ300万ドン、200万ドンの上昇となった。

売買スプレッドは縮小したが、リスクは残る

注目すべきは売買スプレッドの動向である。4月7日から9日まで3営業日連続で各社一律400万ドン/テールという異例の高スプレッドが続いていたが、10日午前にはこれが300万ドン/テールに縮小した。とはいえ、300万ドンのスプレッドは通常時と比較すれば依然として高水準であり、金を購入した直後に売却すると1テール当たり300万ドンの損失が確定する計算になる。個人の金購入者にとって潜在的なリスクが大きい状況に変わりはない。

金の指輪(ニャン・バン)市場も一斉反発

金塊だけでなく、ベトナムで人気の高い「4つの9」(純度99.99%)の金の指輪(vàng nhẫn)市場も軒並み上昇した。上昇幅は120万~150万ドン/テールが中心で、南部の一部企業のみ他社の約30%程度にとどまった。

SJC社は午前中に2回の上方修正を行い、最終的に買取1億6,940万ドン~販売1億7,240万ドン/テールを提示。フークイは午前中だけで4回の価格修正を実施し、寄り付きの買取1億6,850万ドン~販売1億7,150万ドン/テールから、11時時点で買取1億6,950万ドン~販売1億7,250万ドン/テールまで引き上げた。

DOJI、バオティンミンチャウ、バオティンマインハイの3社は金の指輪の価格が金塊SJCと同水準にまで接近しており、DOJIは買取1億6,970万ドン~販売1億7,270万ドン/テールを提示。バオティンミンチャウとバオティンマインハイは買取1億6,750万ドン~販売1億7,150万ドン/テールで、いずれも前日比120万ドン/テールの上昇であった。

最も控えめな値動きだったのはゴックタムで、金の指輪は買取1億5,850万ドン~販売1億6,250万ドン/テール、前日比50万ドン/テールの上昇にとどまった。

大口売却には支払い繰り延べも—現場の実態

VnEconomy記者の現地取材によると、ハノイのバオティンミンチャウ(チャンニャントン通り店)では、10日時点で5テール以下の金売却であれば即日現金払いで対応しているものの、5テールを超える大口取引については4月21日まで支払いが繰り延べとなる「受取予約書」が発行される運営となっている。ただし、売却価格自体は取引時点の提示価格で確定されるため、価格変動リスクは売り手に転嫁されない仕組みである。この規定はバオティンミンチャウの全店舗で統一的に適用されている。

このような支払い繰り延べは、急激な価格変動期に金取扱業者のキャッシュフローが逼迫することを示唆しており、市場のボラティリティの高さを物語っている。

国際金価格との乖離

国際市場では10日11時時点で金のスポット価格が前日比わずか0.02%上昇の3,063.9 USD/オンスとなっている。ベトコムバンクの為替レート(税・手数料込み)で換算した場合、SJC金塊と国際金価格との乖離は約1,976万ドン/テール。金の指輪「4つの9」については、ブランドにより956万~1,976万ドン/テールの乖離幅がある。この内外価格差はベトナム金市場の構造的な特徴であり、国内供給制約や輸入規制、SJCブランドの独占的地位に起因するものである。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の金価格の乱高下は、ベトナム国内の金市場が依然として国際市場とは異なる独自のダイナミクスで動いていることを改めて浮き彫りにした。以下の点に注目したい。

1. 金関連上場銘柄への影響:PNJ(銘柄コード:PNJ)はホーチミン証券取引所に上場するベトナム最大の宝飾企業である。金価格の急変動は同社の在庫評価損益や消費者の購買意欲に直結するため、短期的にはボラティリティ要因となる。ただし、同社は加工・小売マージンが主な収益源であり、金価格そのもののトレンドよりも取引量の増減が業績に与える影響が大きい。売買スプレッドの拡大は取引量の減少を招きやすく、短期的にはやや逆風である。

2. ベトナムドンと金の関係:ベトナムでは伝統的に金が「安全資産」として根強い人気を持ち、不動産取引の決済手段としても使われてきた歴史がある。金価格の高騰はドンへの信認低下のシグナルとも受け取られかねず、ベトナム国家銀行(中央銀行)の為替・金融政策にも影響を及ぼしうる。

3. FTSE新興市場指数格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数へのベトナム格上げにあたっては、資本市場の透明性・流動性が評価基準となる。金市場の内外価格差やスプレッドの異常な拡大は、ベトナム金融市場全体の成熟度に対する懸念材料として海外投資家に認識される可能性がある。ただし、金市場と株式市場は直接的な評価対象が異なるため、影響は間接的なものにとどまるだろう。

4. 日本企業・在越日系企業への示唆:ベトナムに進出している日系企業にとって、従業員への賞与支給(ベトナムでは旧正月テト前後に金を贈る慣習がある)や、現地パートナーとの取引において金価格の変動が間接的に影響することがある。また、金価格の急騰はインフレ期待の高まりを反映している面もあり、現地の人件費・調達コストへの波及に注意が必要である。


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出典: 元記事

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