ベトナム南部の物流・交通インフラを大きく変える可能性を秘めたベンルック〜ロンタイン高速道路において、最大の難所とされるフックカイン橋(Cầu Phước Khánh)の建設工事が進捗率95%を超え、いよいよ最終仕上げ段階に入った。2026年5月には橋梁の接合(合龍)が予定されており、南部経済圏の交通網整備が大きく前進する見通しだ。
ベトナム最大級の航路高を誇る巨大橋梁
ベトナム高速道路投資開発公社(VEC)傘下の南部高速道路プロジェクト管理委員会によると、ホーチミン市とドンナイ省を結ぶフックカイン橋は、契約工事量の95%以上が完了した。同橋は全長約3.1キロメートル、幅員約22メートルを誇り、主径間は300メートルに達する大規模構造物である。
注目すべきは、同橋の航路高(桁下高さ)が55メートルに設定されている点だ。これは既に完成したビンカイン橋(Cầu Bình Khánh)と同じ高さで、ベトナム国内の既存橋梁の中で最も高い航路高となる。ドンナイ川・サイゴン川水系を航行する大型船舶の通航を可能にする設計であり、南部の水上物流と陸上交通の両立を図る戦略的な構造物といえる。
難航した工事経緯と新たな請負契約
フックカイン橋の建設は、当初ベンルック〜ロンタイン高速道路の「J3工区」として発注されていた。しかし、施工過程で多くの問題が発生し、請負業者コンソーシアムは工事未完のまま作業を中断するに至った。
これを受けてVECはJ3工区の契約を解除し、代替工区として「J3-1工区」を新たに設定。現在はこの新契約のもとで工事が進められている。J3-1工区は2026年7月の完工を予定しており、ベンルック〜ロンタイン高速道路全体で最後に完成する工区の一つとなる見込みだ。
なお、2026年の旧正月(テト)期間中も、100名以上の技術者・作業員が休みなく工事を継続し、スケジュール厳守に努めた。
南部経済圏を一変させる全長58キロの大動脈
ベンルック〜ロンタイン高速道路は全長約58キロメートル。起点はホーチミン市〜チュンルオン高速道路に接続し、終点は国道51号線を経由してビエンホア〜ブンタウ高速道路に連絡する。路線はタイニン省、ドンナイ省、ホーチミン市の3行政区を通過する。
現時点で全体の約55キロメートル(57.8キロ中)の工事が完了しており、うち30キロメートルは既に供用を開始している。全線開通後は、メコンデルタ(西南部)と東南部を結ぶ所要時間が大幅に短縮されるほか、建設中のロンタイン国際空港への直結ルートとしても機能する。同空港は2026年の部分開港を目指しており、本高速道路との相乗効果が期待されている。
周辺の高速道路プロジェクトも本格再開
ドンナイ省投資建設プロジェクト管理委員会によれば、2026年テト明けから、ビエンホア〜ブンタウ高速道路(第1構成事業)およびホーチミン市環状3号線(第3構成事業)の各工区でも一斉に工事が再開された。ビエンホア〜ブンタウ高速道路は2月23日から、環状3号線は2月24日から本格稼働しており、南部の高速道路ネットワーク整備が加速している。
日本企業への示唆
ベンルック〜ロンタイン高速道路は、ホーチミン市を中心とする南部経済圏のロジスティクス効率を飛躍的に高めるインフラである。特にドンナイ省やビンズオン省に生産拠点を持つ日系製造業にとって、港湾・空港へのアクセス改善は輸出競争力の強化に直結する。ロンタイン国際空港の開港と合わせ、今後数年間は南部ベトナムの投資環境が大きく変化する節目となりそうだ。
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出典: Vn Economy












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