中国がベトナム産農林水産物の購入を急加速させている。2026年1月の輸出額は約15億ドル(約2,200億円)に達し、前年同月比で66%以上の大幅増を記録した。これはベトナムの農林水産物輸出総額の22%以上を占める規模である。
数字が示す中越農業貿易の急拡大
ベトナム農業農村開発省の統計によると、2026年1月における対中国向け農林水産物輸出額は約15億ドルに上った。この金額は同月のベトナム農林水産物輸出総額の22%超を占めており、中国が単独で最大の輸出先としての地位を確固たるものにしている。
特筆すべきは前年同期比66%以上という成長率である。この数字は、両国間の農業貿易が単なる回復ではなく、構造的な拡大局面に入ったことを示唆している。
背景にある地理的・政策的要因
ベトナムと中国は約1,400キロメートルにわたる国境線を共有しており、陸路での物流インフラが整備されている。特にランソン省やラオカイ省の国境ゲートを通じた農産物輸送は、海上輸送と比較して時間とコストの両面で優位性を持つ。
また、中国政府が近年推進する「食料安全保障」政策の下、国内農業生産だけでなく、安定的な輸入先の確保が重要課題となっている。ベトナムは熱帯・亜熱帯性の果物(ドリアン、ライチ、マンゴー、ドラゴンフルーツなど)を中心に、中国では生産困難な品目を供給できる地理的優位性を活かしている。
さらに、2022年に発効したRCEP(地域的な包括的経済連携協定)による関税削減も、貿易拡大を後押ししている要因の一つである。
日本企業・経済への示唆
中国市場におけるベトナム農産物のシェア拡大は、日本の農産物輸出戦略にも影響を与える可能性がある。価格競争力と地理的近接性でベトナムが優位に立つ中、日本産農産物は品質やブランド力での差別化が一層求められる。
一方、ベトナムに進出している日系食品・物流企業にとっては、対中輸出インフラの活用という新たなビジネス機会も生まれている。ベトナムを生産・加工拠点とし、巨大な中国市場へアクセスするサプライチェーン構築の動きが今後加速する可能性がある。
出典: VnExpress












コメント