国道51号線の第2期アップグレード計画が始動──ホーチミン市とドンナイ省が連携、BOT方式で幹線道路の再整備へ

UBND tỉnh Đồng Nai phối hợp với Bộ Xây dựng thực hiện Dự án nâng cấp Quốc lộ 51 giai đoạn 2

ベトナム南部の大動脈である国道51号線(Quốc lộ 51)の第2期改修・アップグレード事業が、いよいよ本格的に動き出した。ホーチミン市人民委員会は、ドンナイ省人民委員会を同事業の所管機関とすることに同意し、建設省と連携してBOT(Build-Operate-Transfer=建設・運営・譲渡)方式での事業推進を認める方針を示した。ベトナムの経済成長を支える物流インフラの強化が、また一歩前進した格好である。

目次

国道51号線とは何か──南部経済圏を貫く生命線

国道51号線は、ホーチミン市からドンナイ省を経由し、バリア・ブンタウ省方面へと続く全長72キロメートル超の幹線道路である。ホーチミン市と南部の工業地帯・港湾地帯を結ぶ物流の大動脈であり、日系企業が多数進出するドンナイ省やバリア・ブンタウ省の工業団地へのアクセスルートとしても極めて重要な路線だ。

同路線の第1期BOT事業は2009年に契約が締結され、同年8月に着工、2013年4月に供用が開始された。拡幅工事により交通容量は大幅に改善されたものの、その後の急速な経済成長と車両増加により、再び渋滞や路面の劣化が深刻化している。

事業提案の背景──過去のBOT事業の「負の遺産」を一括処理

今回の第2期事業を提案したのは、建設総合会社第1号(CC1、Tổng công ty Xây dựng số 1)とビエンホア・ブンタウ高速道路開発会社(BVEC、Công ty cổ phần Phát triển đường cao tốc Biên Hòa – Vũng Tàu)の共同企業体(JV)である。

注目すべきは、この2社がいずれも過去のBOT事業の当事者であるという点だ。BVECは国道51号線第1期BOT事業の投資者であり、かつてT1、T2、T3の3カ所の料金所で通行料を徴収していた。しかし、料金徴収は2023年1月13日をもって停止され、T3料金所はすでに撤去されている。一方、CC1はドンナイ新橋(cầu Đồng Nai mới)およびタンバン(Tân Vạn)交差点からビエンホア迂回路終点までの区間を建設したBOT事業者で、こちらの料金徴収も2020年8月から停止されたままであり、料金所の撤去が求められている状況にある。

共同企業体側は、第2期事業の実施を通じて、これら2つの既存BOT事業で生じた未解決の財務問題や投資回収の課題を「一括処理」することを期待していると説明している。つまり、新規事業と過去の債務整理を同時に進めるという、ベトナムのインフラBOT事業ではしばしば見られるスキームの再構築が試みられているのである。

ホーチミン市の対応──同意と同時に複数の課題を指摘

ホーチミン市人民委員会はドンナイ省人民委員会宛ての公文書で、同省を事業の所管機関とすることに基本的に同意した。ただし、同時にいくつかの重要な課題も指摘している。

第一に、BVECとベトナム道路総局(Cục Đường bộ Việt Nam)との間で進められている投資資金の清算交渉と財務方針の確定について、一部の合意は得られているものの、事業の根本的な問題が依然として未解決のままであるという点だ。投資者は引き続きベトナム道路総局および建設省と協議を進めている段階にある。

第二に、ホーチミン市は投資者に対し、国家資金(公的資金)の投入が必要かどうかを精査・明確化するよう求めている。これは、地方の人民評議会(HĐND、地方議会に相当)への報告と承認を経たうえで、所管機関を正式に決定するための前提条件となるためだ。

第三に、ドンナイ省人民委員会が投資者に事業計画の調査・策定を正式に委託する前に、ホーチミン市側の2025年11月19日付決定第2829号(Quyết định số 2829/QĐ-UBND)の修正手続きを行う必要があるとしている。この修正が完了して初めて、投資者への正式な調査・策定委託が可能になるという流れだ。

ホーチミン市は、ドンナイ省の関係機関と緊密に連携するとともに、同市域内を通過する区間について、投資者の現地調査や事業計画策定を支援する方針も併せて表明している。

ドンナイ省の動き──環状4号線プロジェクトも同時進行

なお、ドンナイ省は国道51号線の問題とは別に、ホーチミン市環状4号線(đường Vành đai 4)の建設事業にも積極的に取り組んでいる。2026年3月16日付の決定第906号により、環状4号線の第1-2サブプロジェクト(用地補償・移転支援・再定住および側道建設)が承認された。総投資額は1兆ドン超で、うち用地補償・移転支援費が9,000億ドン超、建設費が約479億ドンとなっている。事業期間は最長6年で、ドンナイ省建設投資プロジェクト管理委員会が事業主体を務める。

環状4号線はホーチミン市の外環を形成する大規模事業であり、国道51号線の第2期事業と合わせて、南部経済圏全体の交通ネットワークが大幅に強化されることが期待されている。

考察──日系企業への影響と今後の注目点

国道51号線沿線には、ドンナイ省のアマタ工業団地やロンドゥック工業団地、バリア・ブンタウ省のフーミー港湾エリアなど、日系製造業が数多く拠点を構えるエリアが集中している。同路線の慢性的な渋滞や路面状態の悪化は、物流コストの上昇や従業員の通勤負担増加として日系企業の経営にも直接的な影響を及ぼしてきた。

第2期事業が順調に進めば、サプライチェーンの効率化やカイメップ・チーバイ(Cái Mép – Thị Vải)国際港へのアクセス改善にもつながり、南部ベトナムにおける投資環境の魅力がさらに高まる可能性がある。

一方で、ベトナムのBOT事業は過去に料金徴収をめぐる社会的反発や、投資回収計画の破綻といった問題が繰り返し発生してきた。今回の事業でも、過去2つのBOT事業の未解決問題をどう処理するか、公的資金の投入範囲をどこまでとするか、さらにはBOT料金に対する地元住民の理解をどう得るかなど、クリアすべきハードルは少なくない。事業の進捗とともに、関係当局間の調整がどのように進むか、引き続き注視が必要である。

出典: Vn Economy

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