2026年2月にイタリアで開催されるミラノ・コルティナ冬季オリンピックにおいて、勝利を収めた選手たちに授与されるメダルが、五輪史上最も高価なものになる見通しである。その背景には、金や銀といった貴金属価格の急騰がある。
五輪メダルの価値が史上最高に
オリンピックのメダルは、金メダルといえども純金製ではなく、銀を主成分とし表面に金メッキが施されているのが一般的である。しかし、それでも近年の貴金属市場の高騰は、メダル一枚あたりの素材原価を大幅に押し上げている。2024年以降、世界的なインフレ懸念や地政学リスクを背景に、金価格は1オンスあたり2,000ドルを超える水準で推移し、銀もまた同様に上昇基調を続けてきた。この結果、今月イタリアで競技に臨む選手たちが手にするメダルは、素材価値だけで見ても過去最高額となる。
五輪メダルの構造と歴史
国際オリンピック委員会(IOC)の規定では、金メダルには最低6グラムの純金を使用し、残りは銀(92.5%以上の純度)で構成することが求められている。銀メダルは同じく高純度の銀製、銅メダルは銅または青銅製である。この規格は1912年のストックホルム大会以降、ほぼ一貫して維持されてきた。今回のミラノ大会でもこの基準に準拠しつつ、イタリアならではのデザインが施される予定だ。
選手や市場への影響
メダルの資産価値が上昇することは、選手にとっては記念品としての付加価値が増すことを意味する。一方で、大会組織委員会にとっては製造コストの増大という課題にもなりうる。とはいえ、メダルはあくまで栄誉の象徴であり、売却を前提とするものではないため、実際の経済的影響は限定的である。日本からも多くの選手がミラノ大会への出場を目指しており、彼らが手にするメダルが「史上最高額」となる点は、日本のスポーツファンにとっても興味深いトピックとなるだろう。
考察——貴金属高騰が映す世界経済
今回のニュースは、スポーツと金融市場が意外な形で交差する好例である。金や銀の価格上昇は、世界経済の不確実性を反映した「安全資産への逃避」の表れでもある。五輪という平和の祭典が、こうした経済情勢を映し出す鏡となっている点は皮肉ともいえる。日本企業や投資家にとっても、貴金属市場の動向は引き続き注視すべきテーマである。
出典: VnExpress












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