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ベトナム銀行規制緩和:短期資金の中長期貸出比率上限40%へ引き上げ、国有銀行VCB・BID・CTGが二重の恩恵

Nâng trần tỷ lệ vốn ngắn hạn cho vay trung dài hạn lên 40%: Ngân hàng nào được lợi kép?
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ベトナム国家銀行(中央銀行)が発出した通達25号(Thông tư 25)により、短期資金を中長期貸出に充当できる比率(SFL=Short-term Funds for Long-term Lending)の上限が40%へ引き上げられることとなった。韓国系大手証券ミレアセット(Mirae Asset)の分析によれば、この規制緩和は銀行ごとのビジネスモデルに応じて明確な「勝ち組・負け組」の分化をもたらし、とりわけ国有銀行グループが二重の恩恵を受ける構図が浮かび上がっている。

目次

通達25号の概要と背景

ベトナムでは従来、銀行が短期の預金等で調達した資金を中長期の貸出に回す比率に上限を設けてきた。これは資金の期間ミスマッチ(短期調達・長期運用)によるリスクを抑制するための健全性規制である。今回の通達25号では、この上限比率が従来の水準から40%へと引き上げられた。背景には、ベトナム政府が掲げる2025年のGDP成長率8%以上という野心的な目標がある。インフラ投資や製造業の設備投資など中長期の資金需要が旺盛ななか、銀行セクターの貸出余力を拡大することで実体経済への資金供給を円滑化する狙いがある。

国有銀行が「二重の恩恵」を受ける理由

ミレアセットの評価によれば、通達25号で最も大きな恩恵を受けるのは国有銀行3行、すなわちVCB(ベトコムバンク=ベトナム外商銀行)、BID(BIDV=ベトナム投資開発銀行)、CTG(ビエティンバンク=ベトナム工商銀行)である。その理由は「二重(kép)」の構造にある。

第一に、LDR(Loan to Deposit Ratio=預貸率)の面での恩恵がある。国有銀行は国庫(KBNN=Kho bạc Nhà nước、ベトナム国家財政庫)からの預金を大量に受け入れているが、LDR算出時にこのKBNN預金を除外する新たな計算方式が適用される。これにより、見かけ上のLDRが低下し、追加的な貸出余地が生まれる。第二に、SFL比率の上限引き上げ自体による恩恵がある。国有銀行は豊富な短期預金基盤を持つため、40%への上限引き上げによって中長期貸出に振り向けられる資金量が大幅に拡大する。この「LDR改善」と「SFL上限引き上げ」の二つの効果が同時に作用することで、国有銀行は中長期の貸出残高を大きく伸ばすための「余地(dư địa)」を確保できるのである。

民間銀行への影響は限定的か

一方、民間銀行については影響が分化する。既にSFL比率が上限に近い水準で運用している銀行にとっては一定の緩和効果があるものの、KBNN預金を持たないためLDR面での二重恩恵は享受できない。リテール中心の民間銀行や、短期貸出比率の高い銀行にとっては、今回の規制変更の直接的な影響は相対的に小さいと見られる。ミレアセットは、ビジネスモデルごとに「成長ドライバーの分化が明確になる」と指摘しており、投資家は各行の資産・負債構成を精査する必要があると強調している。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の規制緩和は、ベトナム株式市場の銀行セクターにとって中期的なポジティブ材料である。特にVCB、BID、CTGの3銘柄は、中長期貸出の拡大による金利収入(NII)の増加が見込まれ、業績の上振れ余地が広がる。VCBはベトナム銀行株の中で最も時価総額が大きく、外国人投資家の保有比率も高いことから、FTSE新興市場指数への格上げ(2026年9月の判定が見込まれる)を見据えた資金流入の恩恵も重なる可能性がある。

日本企業にとっても注目すべき動きである。ベトナムに製造拠点を持つ日系企業は、設備投資や工場拡張のための中長期融資を現地銀行から調達するケースが増えている。銀行側の貸出余力が拡大すれば、融資条件の改善や調達の円滑化が期待できる。また、みずほフィナンシャルグループがVCBと、三菱UFJフィナンシャル・グループがVietinBank(CTG)と資本提携関係にあることから、日本の金融機関にとっても間接的なプラス要因となり得る。

ベトナム経済全体のトレンドとしては、政府が公共投資の加速と民間信用の拡大を両輪で進めている局面にあり、今回の通達25号はその金融政策面での具体的な一手と位置づけられる。2025年の信用成長率目標は16%前後とされており、国有銀行を中心とした中長期貸出の拡大がその達成を下支えする構図である。


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出典: 元記事

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