ベトナムの金市場が再び激しい値動きを見せている。2026年2月3日、SJC金地金(ベトナム国営宝飾会社が製造する純度99.99%の金塊)の価格は、買値・売値ともに1両(約37.5グラム)あたり750万ドンの急騰を記録した。これは、直前の3営業日(1月31日〜2月2日)で買値・売値それぞれ約2,400万ドンもの大幅下落を経験した後の反発であり、市場関係者の間では「底打ち」との見方が広がりつつある。
金地金価格の動向──主要ブランドが一斉に値上げ
2月3日の午前取引開始時点で、SJC社は金地金の取引価格を1両あたり買値1億7,050万ドン、売値1億7,350万ドンに設定した。この価格は午前中を通じて安定的に推移し、前日(2月2日)の終値と比較すると、買値・売値ともに750万ドンの上昇となった。
同様の価格設定は、DOJI(ベトナム大手宝飾チェーン)、PNJ(フーニュアン・ジュエリー)、バオティン・ミンチャウ、バオティン・マンハイ、フークイ、ゴックタムといった主要金販売業者でも確認された。これらの企業もすべて、前日比で750万ドンの値上げを実施している。
南部の商業都市ホーチミン市では、ミーホン社が独自の価格戦略を展開した。同社は午前の取引開始時、買値を1億6,430万ドン、売値を1億6,600万ドンに設定。その後約1時間で買値を720万ドン、売値を750万ドン引き上げ、最終的に買値1億7,150万ドン、売値1億7,350万ドンで午前の取引を終えた。注目すべきは、ミーホン社の買値が市場全体より高めに設定されていたため、買値と売値のスプレッド(差額)が200万ドンと、市場で最も狭い水準となった点である。他社のスプレッドは概ね300万ドン程度で推移している。
金のリング製品も連動して上昇
「4つの9」と呼ばれる純度99.99%の金リング市場でも、価格上昇が見られた。ただし、金地金ほどの急騰ではなく、ブランドによって450万〜750万ドンの上昇幅にとどまった。
SJC社の金リング(1チー、2チー、5チー各種)は、取引開始時点では前日と同じ買値1億6,250万ドン、売値1億6,550万ドンを維持していたが、約1時間後に750万ドンの値上げを実施。買値1億7,000万ドン、売値1億7,300万ドンで午前の取引を終えた。
フークイ社は午前中に2度の連続値上げを行い、合計750万ドンの上昇となった。最終的な取引価格は買値1億7,050万ドン、売値1億7,350万ドンである。バオティン・ミンチャウ、バオティン・マンハイの両社は600万ドンの値上げを実施し、いずれも買値1億7,050万ドン、売値1億7,350万ドンとなった。
一方、南部地域のゴックタム社は最も控えめな値上げにとどまり、買値・売値ともに450万ドンの上昇で、買値1億7,000万ドン、売値1億7,300万ドンとなった。
特筆すべきは、バオティン・ミンチャウ、バオティン・マンハイ、フークイの3社では、金リングの売値が金地金と同じ1億7,350万ドン/両に達した点である。通常、金リングは金地金より若干安価で取引されるが、今回の急騰局面では両者の価格が接近する異例の事態となった。
金のアクセサリー製品も大幅上昇
PNJ社の金製アクセサリー(純度99.99%)は、金リング以上の上昇幅を記録した。買値・売値ともに760万ドンの値上げとなり、買値1億6,860万ドン、売値1億7,260万ドンで取引された。ただし、買値と売値のスプレッドは400万ドンと、金地金や金リングより広がっている。
国際金価格との連動──ニューヨーク市場も反発
ベトナム国内金価格の急騰は、国際市場の動向と連動している。2月3日午前11時30分時点で、ニューヨーク市場の金スポット価格は3%以上上昇し、1オンスあたり4,806.4ドルの水準に達した。これは、3営業日連続の下落に終止符を打つ反発となった。
ベトコムバンク(ベトナム外商銀行)の為替レート(税・手数料込み)を基に算出すると、ベトナム国内の金地金価格と国際金価格との乖離は約2,025万ドン/両となっている。金リングについては、ブランドにより1,975万〜2,025万ドン/両の乖離が見られる。この価格差は、ベトナム国内の金市場が依然として国際市場から一定程度隔離されていることを示している。
今後の展望と日本企業への示唆
ベトナムの金市場は、テト(旧正月)休暇明けの時期に例年激しい値動きを見せる傾向がある。今回の急落と反発も、季節的要因と国際金価格の変動が複合的に作用した結果と見られる。
ベトナム人にとって金は単なる投資対象ではなく、結婚式の贈答品や資産保全の手段として文化的に深く根付いている。特に旧正月前後は金の需要が高まりやすく、価格変動も大きくなる。日本企業がベトナムで事業展開する際には、こうした金市場の動向が現地消費者の購買力や心理に影響を与える可能性があることを念頭に置く必要があるだろう。
出典: VnEconomy
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