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ベトナム航空、燃料高騰下でも2025年通期5,100億ドンの黒字目標を堅持—復活への道筋

Vietnam Airlines vẫn đặt mục tiêu có lãi năm nay
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航空燃料ジェットA1の価格が高止まりし、運航コストを大きく圧迫する環境にもかかわらず、ベトナム航空(Vietnam Airlines、ホーチミン証券取引所上場・ティッカー:HVN)は2025年通期で5,100億ドンの利益を達成するという目標を堅持している。コロナ禍で債務超過に陥った同社にとって、黒字の定着はフラッグキャリア復活の重要なマイルストーンとなる。

目次

燃料高が直撃する航空業界の収益構造

航空会社にとって、燃料費は総運航コストの30〜40%を占める最大の費用項目である。ベトナム航空が使用するジェット燃料「Jet A1」は、原油価格や地政学リスク、為替変動などの影響を受けやすく、2025年に入っても価格は高水準で推移している。こうした状況は世界の航空会社に共通する課題であるが、ベトナム航空の場合はコロナ禍で積み上がった累積損失の処理を同時に進めなければならないという、より厳しい条件下での経営となっている。

ベトナムの航空市場は、国内線・国際線ともにコロナ前の水準を上回る旅客需要が回復しており、搭乗率の改善や路線拡充がコスト増を補う原動力となっている。特に日本・韓国・中国などの北東アジア路線やオーストラリア路線は高い収益性を維持しており、同社の業績回復を下支えしている。

5,100億ドンの黒字目標——その意味と実現可能性

ベトナム航空が掲げる2025年通期の利益目標は5,100億ドンである。同社は新型コロナウイルスの影響で2020年以降に巨額の累積赤字を計上し、一時は上場廃止の危機にも直面した。ベトナム政府による資本増強パッケージ(約8兆ドン規模の支援策)や、増資の実施を通じて財務基盤の立て直しを進めてきた経緯がある。

黒字目標の達成には、以下の要素が鍵を握る。

  • 旅客需要の持続的拡大:ベトナムは人口約1億人を擁し、中間層の拡大に伴い国内・国際線の需要が堅調に伸びている。2025年もベトナム発着の国際旅客数は前年比で増加基調にある。
  • 路線の収益最適化:不採算路線の見直しと、利益率の高い路線への機材集中配置を進めている。
  • コスト管理の徹底:燃料費ヘッジ戦略の活用、機材の燃費効率改善(ボーイング787やエアバスA350など新世代機の比率向上)などが寄与する。
  • 子会社・関連事業の収益改善:格安航空会社パシフィック航空(旧ジェットスター・パシフィック)の再建、貨物事業の拡大なども業績全体を底上げする要因となる。

一方で、燃料価格がさらに上昇した場合や、ベトナムドンの対ドル為替が大幅に変動した場合には目標達成が困難になるリスクも残る。航空業界は外部環境の影響を受けやすいだけに、下半期の動向が特に注目される。

ベトナム航空の再建の歩み

ベトナム航空は1956年に設立されたベトナムのフラッグキャリアであり、国営企業の色彩が強い。筆頭株主はベトナム政府(国家資本管理委員会を通じて約86%を保有)であり、経営再建において政府の意向が大きな影響を持つ。

コロナ禍では2020年〜2022年にかけて合計で約3兆ドン超の純損失を計上し、自己資本がマイナスに転落。ホーチミン証券取引所(HOSE)では上場維持のための警告措置が取られた。その後、2023年には国会承認のもとで大規模な増資を実施し、財務健全性の回復に向けた道筋をつけた。2024年には営業ベースで黒字を確保し、2025年の5,100億ドン黒字目標はその延長線上に位置づけられる。

投資家・ビジネス視点の考察

【HVN株への影響】
ベトナム航空株(HVN)は、累積赤字の解消状況や黒字化の定着度合いが株価の最大のドライバーとなっている。5,100億ドンの黒字を達成できれば、上場廃止リスクの後退とともに、投資家心理の改善につながる可能性がある。ただし、依然として累積損失の規模は大きく、配当の実施にはまだ時間を要すると見られる。短期的には燃料価格の動向に連動した値動きが続く見通しである。

【日本企業・日本人投資家への示唆】
ANA(全日本空輸)はベトナム航空に出資(約5.6%を保有)しており、コードシェアやマイレージ提携を通じて日越間の航空路線で緊密な関係を維持している。ベトナム航空の業績改善は、ANAにとっても出資先の資産価値向上という観点でポジティブな材料である。また、日越間の旅客・貨物需要は観光・ビジネスの両面で拡大傾向にあり、航空セクター全体の成長の恩恵を受けやすい。

【FTSE新興市場指数格上げとの関連】
2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、ベトナム株市場全体への海外資金流入が大幅に増加する。HVNは時価総額こそ大型株に分類されるものの、流動性や外国人保有制限の問題から指数への直接的な組み入れ比率は限定的と見られる。ただし、ベトナム市場全体のバリュエーション引き上げの波及効果として、航空関連株にも資金が向かう可能性は十分にある。

【ベトナム経済のトレンドにおける位置づけ】
ベトナム政府はGDP成長率8%超を目標に掲げる「高成長路線」を推進しており、交通インフラの整備は最重要課題の一つである。ロンタイン(Long Thanh)新国際空港(ホーチミン市近郊、2026年一部開業予定)の稼働が始まれば、ベトナム航空のハブ機能が飛躍的に強化される。フラッグキャリアの黒字定着は、ベトナムの「成長する航空市場」としての国際的な評価を高める上でも象徴的な意味を持つ。


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出典: 元記事

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