ベトナムの主力輸出農産物である香辛料、果物、茶、コーヒーなど約2,600品目について、中国向け輸出時に当局発行の確認書(thư xác nhận)が新たに義務付けられることが明らかになった。中国は世界最大の農産物輸入国であると同時に、ベトナムにとって最大の農産物輸出先であり、今回の規制強化はベトナム農業セクター全体に大きな影響を及ぼす可能性がある。
規制の概要と対象品目
中国当局が求める「確認書」とは、ベトナムの所管官庁(農業農村開発省傘下の植物防疫局など)が発行する公式文書であり、輸出品が中国の食品安全基準や検疫要件を満たしていることを証明するものである。対象となるのは約2,600品目と広範囲にわたり、ベトナムの農産物輸出を支える以下の主力品目が含まれる。
・香辛料(胡椒、シナモン、八角など)
・果物(ドラゴンフルーツ、ライチ、マンゴー、ドリアンなど)
・茶(緑茶、蓮茶など)
・コーヒー(ロブスタ種を中心とした加工・未加工豆)
特にベトナムは世界第2位のコーヒー輸出国、世界最大級の胡椒輸出国として知られており、これらの品目への規制強化は輸出業者にとって大きな負担となる。
背景にある中国の食品安全政策強化
中国は近年、輸入食品に対する安全管理を急速に厳格化している。2021年に施行された「輸入食品海外生産企業登録管理規定」では、18カテゴリーの食品について海外生産施設の登録を義務付けており、今回の確認書制度はその延長線上にあると見られる。
中越国境では陸路貿易が盛んであり、ベトナム北部のランソン省やラオカイ省の国境ゲートを通じて大量の農産物が毎日中国へ輸出されている。しかし、通関手続きの煩雑化や検疫強化により、過去にも国境で農産物を積んだトラックが数百台規模で滞留する事態が発生している。今回の規制により、同様の混乱が再び起きる懸念がある。
日本企業・日越貿易への影響
ベトナムから中国への農産物輸出が滞った場合、ベトナム産農産物の在庫が増加し、日本を含む他の輸出先への価格下落圧力となる可能性がある。一方で、中国市場向けの品質管理体制が強化されることは、結果的にベトナム産農産物全体の品質向上につながり、日本の輸入業者にとってはポジティブな側面もある。
また、ベトナムに生産拠点を持つ日系食品加工企業にとっては、中国向け輸出を行う場合に確認書取得の手続きコストが新たに発生する点に注意が必要である。
今後の展望
ベトナム政府は中国との二国間協議を通じて、手続きの簡素化や移行期間の確保を求めていくと見られる。しかし、中国の食品安全政策は国内世論を背景に一貫して厳格化の方向にあり、ベトナム側には輸出体制の抜本的な見直しが求められることになりそうだ。
出典:VN Express
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