ハノイ在住13年の現地投資家による、より深い企業分析・投資戦略は👉 メンバーシップで公開中
ベトナム株式市場は引き続き銘柄間の二極化(分化)が進行し、外国人投資家が大幅な売り越しを記録した。午後の取引で流動性は午前比約32%増加したものの、ホーチミン証券取引所(HoSE)の売買代金は約7,700億ドン超にとどまり、買い方の勢いは膠着状態を打破するには程遠い水準であった。
午後の取引概況——流動性は回復せず
この日の午後セッションでは、午前中と比較して約32%の売買代金増加が見られた。しかし絶対値としてはHoSEの板寄せベースで7,700億ドン余りにとどまっており、通常の活況相場で見られる1兆5,000億〜2兆ドン規模と比較すると明らかに低調である。市場全体として買い意欲が乏しく、指数は方向感のない「揉み合い」状態が続いた。
外国人投資家の売り越しが継続
注目すべきは、外国人投資家(海外機関投資家)による大規模な売り越しである。「ngàn tỷ」(千億ドン)規模の純売却が記録されており、これは近年続く外国人のベトナム株離れのトレンドと合致する。外国人投資家は2024年以降、ベトナム市場で断続的に売り越し基調を維持しており、グローバルな資金フローの変動、米国の高金利環境、そしてベトナムドンの対ドル下落圧力が主な要因とされる。
市場の二極化——何が買われ、何が売られているか
「分化(phân hóa)」というキーワードが示す通り、市場は一枚岩ではない。大型株の中でも銀行セクターや不動産セクターは軟調な銘柄が目立つ一方、一部のテクノロジー関連株や内需関連株には資金が流入するケースも見られる。全体として明確なテーマが欠如しており、短期筋による銘柄選別が進んでいる状況である。このような環境下では、個人投資家が安易にポジションを取ることはリスクが高い。
投資家・ビジネス視点の考察
今回のような薄商い・外国人売り越し局面は、ベトナム株式市場にとって構造的な課題を浮き彫りにしている。第一に、外国人投資家の売り越し継続は、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げ(現在はフロンティア市場に分類)に向けた期待感が、短期的には株価の下支えとして十分に機能していないことを示唆する。格上げが実現すれば数十億ドル規模のパッシブ資金流入が期待されるが、それまでの間、市場は需給面で脆弱な状態が続く可能性がある。
第二に、売買代金の低迷は市場参加者の様子見姿勢を反映しており、ベトナム国内の経済指標(GDP成長率、輸出動向、製造業PMIなど)や米国の金融政策に関する新たなカタリストが出るまでは、レンジ相場が続くと見るのが妥当である。日本企業にとっては、ベトナムへの直接投資(FDI)環境は引き続き良好であるものの、上場株式を通じた間接投資については慎重な銘柄選別が求められる局面といえる。
中長期的には、ベトナムは人口約1億人の若い労働力、中国からのサプライチェーン移転(チャイナ・プラスワン)の恩恵、そしてFTSE格上げという構造的な追い風を持つ。しかし足元のような流動性の低さと外国人売り越しが続く限り、短期トレードでのリターン獲得は難易度が高い。押し目を拾うにしても、出来高の回復と外国人資金のフロー転換を確認してからでも遅くはないだろう。
いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。
ハノイ在住13年日本語で毎日配信。
✅ 個別銘柄の詳細分析 ✅ FTSE格上げ関連速報 ✅ 現地だからわかるリアルタイム情報
👉 月額980円でメンバーシップに参加する
出典: 元記事












コメント