国際金価格が5,100ドル/オンスの大台を目前にして上昇の勢いを失っている。世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDR Gold Trustが2日連続で売り越しを続けていることに加え、米ドル高が重荷となり、金相場の回復ペースが鈍化している。
金価格、アジア・欧州市場で急伸も米国市場で失速
2月4日(水)のニューヨーク市場で、金スポット価格は前日比18ドル(0.36%)高の4,965.8ドル/オンスで取引を終えた(Kitco調べ)。COMEX(ニューヨーク商品取引所)の金先物4月限も0.3%高の4,950ドル/オンスで引けた。銀スポット価格は約3.6%上昇し、88.32ドル/オンスとなった。
この日の金価格は、アジア・欧州市場の取引時間帯に急騰し、一時5,093ドル/オンス近くまで上昇した。しかし、米国市場に入ると上げ幅を縮小し、5,100ドルの心理的節目を突破することなく取引を終えた。前日の3日(火)には金価格が6%超の急騰を記録し、18年ぶりの上昇率を達成していたが、その勢いは続かなかった。
歴史的乱高下──2日間で1,200ドル下落からの急反発
金市場は直近で歴史的な変動を経験している。金価格は過去最高値となる約5,600ドル/オンスから、わずか2日間で4,400ドル/オンス付近まで急落。その下落幅は約1,200ドルに達し、これほど大きな変動は前例がないものだった。その後、2日間で急反発したものの、一部の投資家が回復局面で早々に利益確定に動いたことが、上昇の勢いを削ぐ要因となった。
SPDR Gold Trust、2日間で5トン超を売却
世界最大の金ETFであるSPDR Gold Trustは、金価格の回復局面においても売り越しを続けている。4日の取引では1.4トンの金を売却し、保有量は約1,082トンに減少した。過去2日間で同ファンドは合計5トン超の金を売り越しており、機関投資家の慎重姿勢が浮き彫りとなっている。
ドル高が金価格の重荷に
米ドルの上昇も金価格にとって逆風となっている。ドル指数(Dollar Index)は0.2%超上昇し、97.6ポイント超で取引を終えた。これは1週間ぶりの高水準であり、過去5日間での上昇率は1.2%を超えた(MarketWatch調べ)。
High Ridge Futures社のトレーダー、デビッド・メガー氏はロイター通信に対し、「ドルの回復が金価格に圧力をかけている」と指摘。金市場は記録的高値からの利益確定売りによる調整局面にあり、この調整は当面続くとの見方を示した。
地政学リスクは一時的に緩和
地政学的緊張は一時的に和らいでいる。米国とイランは、イランの核問題に関する協議を2月7日(金)に再開することで合意した。ただし、協議の議題をめぐっては両国に隔たりがある。米国側はイランのミサイル兵器についても議論したい意向だが、イラン側は核問題のみに議題を限定したいとしている。
同日、ドナルド・トランプ米大統領は中国の習近平国家主席と電話会談を行った。習主席は同日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領ともオンラインで会談していた。トランプ大統領は会談後、「非常に前向きな」対話だったと述べ、中国が米国産大豆の追加購入を検討していることを明らかにした。
米雇用統計の発表延期、FRB利下げ期待を後押し
4日に発表された米経済指標は、労働市場の弱さを示すものだった。人材サービス大手ADPの報告によると、1月の民間部門の新規雇用者数は2万2,000人にとどまり、市場予想の4万8,000人を大きく下回った。
米労働省は、当初2月7日(金)に発表予定だった1月の非農業部門雇用統計について、政府機関の一部閉鎖の影響で延期すると発表した。政府は前週土曜日から一部閉鎖されていたが、下院が2026年度予算案を承認したことで火曜日に完全に再開された。
こうした雇用データは、FRB(米連邦準備制度理事会)が2026年中に2回の利下げを実施するとの市場予想を裏付けるものとなった。
ゴールドマン・サックス、年末5,400ドル予想を維持
投資銀行大手ゴールドマン・サックスは最新のレポートで、金価格が2026年末までに5,400ドル/オンスに達するとの見通しを示した。同行のアナリストは、2026年の個人投資家による金の保有需要が予想を上回る可能性があると分析している。
アジア市場で金・銀ともに上昇、円換算で158万円相当
2月5日のアジア市場では、金・銀ともに上昇して取引を開始した。ベトナム時間午前6時20分(日本時間午前8時20分)時点で、金スポット価格は前日のニューヨーク終値から約44ドル(0.9%)上昇し、5,009ドル/オンスを超えた。銀価格は0.8ドル上昇し、89ドル/オンスで取引されている。
ベトナム外商銀行(Vietcombank)の売りレートで換算すると、この金価格は約1億5,800万ドン/ルオン(ベトナムの金取引単位、約37.5グラム)に相当し、前日朝から200万ドン/ルオン上昇した。同行の米ドルレートは買い25,790ドン、売り26,180ドンで前日から変わらずだった。
日本の投資家への示唆
今回の金市場の乱高下は、地政学リスクや米金融政策の不透明感が続く中、金が依然として「有事の資産」として機能していることを示している。一方で、短期的な価格変動の激しさは、投資タイミングの難しさを改めて浮き彫りにした。日本の個人投資家にとっては、長期的な資産分散の一環として金を位置づけつつ、価格の急騰・急落に一喜一憂しない姿勢が求められるだろう。
出典: Vn Economy
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