世界の金(ゴールド)需要が2025年に過去最高水準に達したことが、世界金協会(WGC:World Gold Council)の最新データで明らかになった。地政学リスクと貿易摩擦の不透明感が強まる中、投資家のリスクヘッジ需要が急増したことが主因である。
金需要、史上初の5,000トン超え
WGCの報告によると、2025年の世界金需要は前年比1%増の5,002トンに達し、過去最高記録を更新した。この需要拡大は、金価格が年間を通じて65%上昇(2024年の27%上昇に続く大幅な値上がり)する中で達成された。
特筆すべきは投資需要の急増である。2025年の世界の金投資需要は前年比84%増の2,175トンと過去最高を記録。内訳を見ると、金ETF(上場投資信託)が801トンの買い越し、金地金・金貨への需要は16%増加し、12年ぶりの高水準となった。
2026年も金価格上昇基調が継続か
2026年に入っても金価格の上昇は続いており、先週には1オンス=約5,600ドル近くまで上昇して史上最高値を更新した後、大幅に反落する展開となった。アナリストらは、地政学的緊張の継続、各国中央銀行による金の買い越し傾向、そして米ドル安が長期的な金価格上昇トレンドを支えると予測している。
WGCの戦略担当ジョン・リード氏は「今年の金に関する最大の疑問は、投資需要が金価格の上昇トレンドを維持できるほど強いかどうかだ」と指摘する。
宝飾品需要は18%減、中国市場で顕著な落ち込み
一方、金の宝飾品需要は世界全体で18%減少した。特に中国市場では24%もの大幅減となり、2009年以来の低水準に沈んだ。金価格の高騰が消費者の購買意欲を冷やしたものと見られる。
WGCは2026年について、ETF・金地金・金貨への投資需要は引き続き高水準を維持すると予測する一方、金価格高騰により宝飾品需要はさらに弱含むと分析。中央銀行の金買い越し量も2025年の863トンから850トンへとやや減少する見通しだが、これでも2022年以前の水準を上回る。
専門家の価格予測は大幅に上方修正
ロイター通信が30人のアナリスト・トレーダーを対象に実施した調査では、2026年の金価格予測中央値は1オンス=4,746.5ドルとなり、2012年の調査開始以来最高の年間予測となった。昨年10月時点の予測(4,275ドル)から大幅な上方修正である。なお、1年前の同調査では2026年の予測は2,700ドルだった。
金地金取引会社ゴールドコアのデービッド・ラッセルCEOは「数十年にわたり世界の経済・地政学的安定を支えてきた制度やシステムの信頼性が、一世代で経験したことのない形で試されている時代に突入している」と述べた。
ドイツ銀行のアナリストらも「金価格上昇の主要な原動力は維持されており、投資家が金および貴金属全般に資金を配分する理由は今年も変わらないと考えている」との見解を示している。
銀価格も急騰、2025年は147%上昇
金に連動する形で銀価格も急騰している。2025年の銀価格は147%上昇し、2026年1月末には1オンス=122ドル近くまで上昇して史上最高値を記録した。2月5日のアジア市場では73ドル付近まで反落する場面もあった。
ロイター調査の参加者らは、2026年の銀価格予測を平均79.5ドルに引き上げた。昨年10月時点の予測(50ドル)から大幅な上方修正となっている。
日本の投資家への示唆
今回の統計は、世界的な地政学リスクの高まりと金融市場の不確実性を反映したものといえる。日本においても、円安や国際情勢への懸念から金投資への関心が高まっており、今後も「安全資産」としての金の存在感は増していくものと予想される。ただし、金価格は短期的に大きく変動するリスクもあり、投資判断には慎重さが求められる。
出典: Vn Economy
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