暗号資産(仮想通貨)の代表格であるビットコインが、不安定な値動きを続けている。2月5日の急落後、一時7万ドル台を回復したものの上昇の勢いは続かず、6万6,000〜7万2,000ドルのレンジで推移。昨年10月に記録した史上最高値12万6,000ドルからは約47%も下落した水準にとどまっており、市場関係者の間では暗号資産市場の構造的変化を指摘する声が強まっている。
直近の値動き──7万ドル割れの攻防
2月11日21時10分(現地時間)時点のデータによると、ビットコインは約6万8,519ドルで取引されており、過去24時間で1.4%以上下落した。同日18時には一時6万6,220ドルまで値を下げる場面もあった。暗号資産全体の時価総額は1.36兆ドル、24時間の取引高は約444.2億ドルとなっている。
2月5日にビットコインは7万ドルの節目を割り込み、一時6万ドル付近まで急落。多くの投資家がこの水準を重要なサポートライン(下値支持線)と見ていたが、その後の反発力は弱く、明確な上昇トレンドを形成できていない状況が続いている。
Galaxy CEO「高収益時代は終わりつつある」
こうした相場環境について、暗号資産投資会社Galaxy(ギャラクシー)のマイク・ノボグラッツCEOは、CNBCが主催したデジタル金融フォーラムで注目すべき見解を示した。同氏は「暗号資産市場で突出したリターンを得られる時代は、徐々に幕を閉じつつある」と指摘。その背景として、リスクを取って短期的な高収益を狙う個人投資家に代わり、機関投資家が市場の主役になりつつある構造変化を挙げた。
ノボグラッツ氏によれば、個人投資家は数倍のリターンを期待する傾向があるのに対し、機関投資家は年率10〜11%程度の収益で満足する。この投資家層の入れ替わりこそが、暗号資産市場の「成熟化」と「プロフェッショナル化」を象徴しているという。
「物語」から「実用性」へ──市場の重心移動
同氏はまた、暗号資産市場がこれまで投資資金を呼び込む「ナラティブ(物語)」に大きく依存してきたと分析。ただし、そうした物語が形成され、市場全体に浸透するには時間がかかる。多くの投資家が市場から離脱した現状では、回復のペースも緩やかにならざるを得ないとの見方を示した。
今後の展望として、ノボグラッツ氏は投機的な高リターン追求から、実用的なユースケース、とりわけ「トークン化された実物資産(RWA:Real World Assets)」への移行が進むと予測している。
Chainlink共同創業者も同様の見解
分散型オラクルネットワークを提供するChainlink(チェーンリンク)の共同創業者、セルゲイ・ナザロフ氏も同様の認識を示している。同氏は、トークン化された実物資産が近い将来、従来型の暗号資産を時価総額で上回る可能性があると指摘。これが実現すれば、暗号資産業界全体の基盤そのものが大きく変わることになる。
ノボグラッツ氏も、機関投資家マネーの流入が加速する中、市場の関心は「高リターンだが不安定な資産」から「収益は控えめでも持続可能な実物資産」へとシフトしていくとの見通しを示した。
日本の投資家への示唆
今回の市場動向と専門家の見解は、日本の暗号資産投資家にとっても重要な示唆を含んでいる。かつてのような数十倍、数百倍のリターンを期待する「一攫千金型」の投資スタイルは、市場の成熟とともに通用しにくくなる可能性がある。一方で、不動産や債券といった実物資産のトークン化が進めば、より安定的で機関投資家好みの投資機会が増えることも意味する。
暗号資産市場は今、投機の場から本格的な金融インフラへと変貌を遂げる過渡期にある。日本企業や投資家にとっても、この構造変化を見据えた戦略の見直しが求められる局面といえるだろう。
出典: Vn Economy
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