2月11日(水)の米国株式市場は、予想を上回る雇用統計の発表にもかかわらず下落して取引を終えた。好調な労働市場データがかえって米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待を後退させ、投資家心理を冷やした格好だ。一方、原油価格は米イラン間の緊張継続を背景に約1%上昇した。
主要3指数は揃って下落、ダウは3連騰ストップ
終値では、ダウ工業株30種平均が66.74ポイント(0.13%)安の50,121.4ポイントとなり、3日連続で史上最高値を更新していた上昇基調に終止符が打たれた。S&P500種株価指数は1ポイント未満の微減で6,941.47ポイント、ナスダック総合指数は0.16%安の23,066.47ポイントで引けた。
雇用統計は予想を大幅に上回る好結果
米労働統計局(BLS)が発表した1月の非農業部門雇用者数は13万人増となり、ダウ・ジョーンズ調査によるエコノミスト予想の5万5,000人増を大幅に上回った。失業率も4.3%と、予想の4.4%を下回る改善を示した。
この雇用増加幅は1年以上ぶりの高水準だが、増加分の大部分はヘルスケア関連セクターに集中しており、同分野だけで12万4,000人の雇用が創出された。なお、2025年通年の月間平均雇用増加数は1万5,000人にとどまっているとの修正データも示された。
専門家の見解:「正しい方向だが、道のりは長い」
RFGアドバイザリーの最高投資責任者リック・ウェデル氏はCNBCに対し、「今回の雇用統計は全般的に良い兆候だが、労働市場はまだ弱含みから脱していない。『正しい方向に向かっている』という表現が適切だろう。失業率は改善したものの、市場には依然として低迷の兆候が多く、堅調な労働市場に戻るまでには長い道のりがある」と述べた。
好材料が一転、利下げ期待後退で株価反落
雇用統計発表直後は、堅調な経済成長への期待から米国債利回りが上昇し、株式市場も一時上昇した。ダウは0.6%、S&P500は0.7%、ナスダックは0.9%それぞれ上昇する場面があった。
しかし、投資家の間で「労働市場の改善がFRBに利下げを急ぐ必要がないとの余地を与える」との認識が広がると、株価は急速に反落した。ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのポートフォリオマネージャー、ブラッド・スミス氏はロイターに対し、「FRBは来月の金利決定でこの雇用データを重視するだろう。経済指標を見極めるという姿勢を踏まえれば、今回の報告は据え置き決定の根拠となる」と分析した。
原油価格は上昇、米イラン緊張が支援材料
エネルギー市場では、ロンドン市場のブレント原油先物が0.6ドル(0.87%)高の69.4ドル/バレル、ニューヨーク市場のWTI原油先物が0.67ドル(1.05%)高の64.63ドル/バレルで取引を終えた。
リポウ・オイル・アソシエイツのアンドリュー・リポウ社長は「米イラン間の緊張と、断続的で成果の見えない交渉が引き続き原油価格を下支えしている」と指摘した。
同日、トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との会談後、具体的な決定には至らなかったものの、イランとの合意に向けた交渉は継続すると表明した。前日には、合意が成立しなければ空母をもう1隻中東に派遣する可能性も示唆していた。
PMVオイル・アソシエイツのアナリスト、タマス・バルガ氏は「双方が警告的な声明を出しているが、現時点で新たな緊張激化の兆候はない。トランプ大統領もイランが核合意を望んでいると信じているようだ」と述べた。
米原油在庫は予想外の大幅増
ただし、原油価格の上昇幅は限定的だった。米エネルギー情報局(EIA)の週報によると、米国の原油在庫は前週比850万バレル増の4億2,880万バレルとなり、アナリスト予想の79万3,000バレル増を大きく上回ったためだ。
日本への示唆
今回の米国市場の動向は、世界的な金利動向と地政学リスクが複雑に絡み合う現状を象徴している。FRBの金融政策スタンスは日本を含む各国の金融市場や為替相場に直接的な影響を与えるため、今後の経済指標とFRB高官の発言には引き続き注視が必要だ。また、中東情勢の緊迫化はエネルギー輸入国である日本にとって原油調達コスト上昇リスクとして認識しておくべきだろう。
出典: Vn Economy
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