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ベトナムのポトス(テンジクカズラ)実、ムクバン動画で高騰1個38万ドンの珍現象

Quả trầu bà được săn lùng nhờ 'trào lưu mukbang'
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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これまでは庭先で自然に落ちて誰にも見向きもされなかった観葉植物「トラウ・バー(trầu bà、ポトス/テンジクカズラの一種)」の実が、いま思わぬ形で脚光を浴びている。SNSやYouTubeで大人気の「ムクバン(mukbang、大食い・実食動画)」ブームに乗り、この実が1個25万〜38万ドンという高値で取引される珍現象が起きているのだ。ベトナムの農村部で長年ひっそりと育てられてきた観葉植物が、デジタルコンテンツの潮流によって思わぬ商品価値を持つに至った象徴的な出来事として注目を集めている。

目次

庭先の「ただの実」がなぜ高値で売れるのか

トラウ・バーはベトナムの家庭や庭園でごく一般的に見られる観葉植物で、空気清浄効果や育てやすさから長らく「観賞用・インテリア用」として親しまれてきた。この植物が実をつけること自体は珍しくなく、これまでは熟して自然に地面に落ちるままにされ、商品として扱われることはほとんどなかった。

ところが近年、SNSプラットフォーム上で「珍しい果物・野生の実を実食してみる」といった内容のムクバン動画が爆発的な人気を集めるようになった。視聴者の関心は、味や食感そのものよりも「見たことのない植物の実を食べる」という珍奇性、非日常性に集まっている。トラウ・バーの実はその独特な見た目とベトナムの庭先に自生しているという親近感から、こうした動画の格好の題材として取り上げられるようになったのである。

庭主から業者へ、広がる「実の採取ビジネス」

需要の高まりを受け、これまで見向きもされなかったトラウ・バーの実を専門に採取・販売する業者や個人が各地に現れ始めた。庭園や農園のオーナーからすれば、放置していれば腐って落ちるだけだった実が、コンテンツ需要という新たな価値を得たことで臨時収入源に変わったことになる。取引価格は1個あたり25万ドンから38万ドンとされ、観賞用植物の副産物としては異例の高値である。

この現象は、ベトナムのSNS消費文化における「珍しさ」への強い需要と、地方の農産物・園芸産物が予期せぬ形で商品化される柔軟な市場構造を象徴している。実際、ベトナムではドリアンの珍しい品種やレアな果物がSNSで話題になり価格が急騰するケースが度々見られ、今回のトラウ・バーの実もその延長線上にある事例と位置づけられる。

ムクバン文化とベトナムのデジタル消費トレンド

ムクバンはもともと韓国発祥の「大食い配信」文化だが、ベトナムを含む東南アジア諸国でも急速に浸透し、独自の進化を遂げてきた。単なる大食いだけでなく、「珍しい食材・非日常的な食材を試食する」というコンテンツ形式が人気を博しており、視聴者は自らは体験できない味や食感を疑似体験する感覚でこれを楽しんでいる。トラウ・バーの実はまさにこの「未知の食材」への好奇心にマッチした題材であり、SNSアルゴリズムによる拡散も相まって短期間で需要が急増したとみられる。

投資家・ビジネス視点の考察

今回のトラウ・バーの実の高騰は、株式市場に直接的な影響を与えるような大型ニュースではないが、ベトナムの消費者行動とデジタルコンテンツ経済の関係性を読み解くうえで示唆に富む事例である。ベトナムはZ世代・ミレニアル世代を中心にSNS利用率が非常に高く、TikTokやYouTubeなどのプラットフォームがトレンドを爆発的に増幅させる土壌が整っている。こうした「バズ」が農産物や地方の一次産品の価値を短期間で押し上げる現象は今後も繰り返される可能性が高く、農業関連のEC事業者やSNSマーケティングを手掛ける企業にとってはビジネスチャンスとなり得る。

日本企業の視点で見れば、ベトナムの若年層消費者がいかに「珍しさ」「体験価値」に敏感であるかを示す好例であり、食品・農産物関連の越境EC事業やインフルエンサーマーケティングを検討する企業にとって参考になるデータポイントといえる。また、ベトナム株式市場全体で見れば、こうした消費トレンドは直接的に上場企業の業績に結びつくものではないが、SNSコマースやライブコマース関連銘柄、農産物流通を手掛ける企業の中長期的な成長ストーリーを補強する周辺材料として捉えることができる。

なお、2026年9月に予定されているFTSE新興市場指数への格上げ判断とは直接的な関連は薄いものの、ベトナム経済がデジタル消費・SNS経済の面でも活発に進化を続けていることは、海外投資家がベトナム市場全体の成長性・多様性を評価するうえでのプラス材料の一つとなり得る。ベトナムの消費市場は農産物からデジタルコンテンツまで幅広い分野で予想外の需要創出が起きており、こうした「草の根の経済ダイナミズム」こそがベトナム経済の底力を支えている点は投資家として注目に値するだろう。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: 元記事

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