ベトナムで2025年1月1日より電子タバコおよび加熱式タバコの流通が全面禁止となったが、禁止後も密輸は後を絶たず、2025年だけで37万6,577点もの電子タバコ関連製品が押収されたことが税関当局の発表で明らかになった。書類偽造による「合法化」を図る手口が横行し、9億ドン(約9億ベトナムドン)規模の大型事件では刑事訴追に発展している。
国会決議により電子タバコが「禁止商品」に
2025年1月1日、国会決議173/2024/QH15が発効し、電子タバコと加熱式タバコはベトナム国内で流通禁止商品に指定された。これに伴い、税関当局は高リスクの輸送ルートや取引形態に対する取り締まりを大幅に強化している。特に「通過貿易(トランジット)」が密輸グループに悪用されるケースが多発しており、当局は警戒を強めている。
2025年に37万点超、累計61万点を押収
税関当局の統計によると、2025年単年で押収された電子タバコ関連製品は37万6,577点に達した。2023年から2025年までの累計では61万4,608点が押収されており、取り締まりの困難さを物語っている。近年の摘発事例は数量の増加だけでなく、手口の巧妙化も顕著だという。
中越国境で相次ぐ大量摘発
2024年12月、中国との国境に位置するフーギー(Hữu Nghị)国境ゲートで、通過貨物の検査により5万点以上の電子タバコ機器と数千箱のリキッド(申告なし)、さらに知的財産権侵害の疑いがある製品が発見された。
2025年11月には、同じフーギーゲートで、リキッド17万4,160本、電子タバコ5,600本、リキッド未充填の電子タバコ機器400台が通過貨物に紛れ込ませる形で発見されている。
9億ドン超の大型事件で刑事訴追
2025年から2026年にかけての取り締まり強化期間中、税関の密輸対策調査部門は特に悪質な事案を摘発し、刑事訴追に踏み切った。押収された証拠品は、電子タバコ機器6万5,357台、リキッド3,389本、ナイキブランドのスポーツバックパック120個、アディダスブランドのスポーツバックパック120個、ナイキブランドのスポーツシューズ120足で、違反商品の総額は9億ドンを超えた。
この事件では、2025年10月26日と28日、ホップマン有限会社(Công ty TNHH Hợp Mạnh)がモンカイ国際ゲート(クアンニン省)からチャロー国際ゲート(クアンチ省)への通過貨物として申告した2件の貨物を検査した際、書類と実際の貨物に多数の不一致が発見された。
WeChat経由で買い付け、ラオスへ転売
税関当局によると、同社は数量の過少申告、虚偽の明細書作成、自社発行の請求書使用、中国側パートナーの印鑑・署名入り書類の改ざん、商品名・価格の虚偽申告など、複数の手口を駆使して違法輸送を「合法化」しようとしていた。
「特に注目すべきは、取引が正式な商業契約に基づいておらず、主にWeChat(微信)のグループチャットを通じて買い集められ、ベトナム経由でラオスに転売される仕組みだった点だ」と税関当局は強調している。
本事件は2026年2月10日付の決定書(03/QĐ-ĐTCBL)に基づき刑事訴追され、全ての書類はクアンチ省公安の捜査機関に移送された。
今後の対策と日本企業への示唆
税関当局は今後、通過貿易や越境EC(電子商取引)に対するリスク評価を継続し、公安、国境警備隊、市場管理当局との連携を強化して大規模密輸ネットワークの早期摘発を目指す方針だ。
ベトナムにおける電子タバコ禁止政策の厳格化は、同国で事業展開する日本企業にとっても無関係ではない。物流や通関業務において、意図せず違法商品に関与するリスクを避けるため、取引先の審査やサプライチェーンの透明性確保がこれまで以上に重要となっている。
出典: Vn Economy
いかがでしたでしょうか。今回のベトナム電子タバコ密輸問題について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。
【noteメンバーシップのご案内】
より詳細なベトナムの経済ニュース解説や企業の投資分析、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。
https://note.com/gonviet/membership












コメント