ベトナムのファム・ミン・チン首相は2026年3月5日、ハノイの政府庁舎で欧州連合(EU)および加盟国の駐ベトナム大使・臨時代理大使20名と会談し、両者の関係を「包括的戦略パートナーシップ」へ格上げしたことを踏まえ、ベトナム・EU自由貿易協定(EVFTA)の効果的な実施、開放的でバランスの取れた貿易の促進、そして双方の企業の正当な利益を保護する必要性を強調した。
第14回党大会成功と関係格上げの歴史的意義
今回の会談は、ベトナム共産党第14回全国代表大会が成功裏に終了した直後に行われた。首相は、1990年の外交関係樹立から35年を経て、両者の関係が新たな段階に入ったことを強調。この関係格上げは政治的信頼の深化を反映しており、多分野での協力拡大に向けた原動力になるとの認識を示した。
ベトナムにとってEUは対外政策における最重要パートナーの一つであり、今回の枠組み強化は貿易・投資のみならず、安全保障、気候変動対策、科学技術、司法など幅広い領域での連携深化を可能にするものである。
EVFTAの成果と今後の課題
首相によれば、EVFTAの効果的な運用により、EUはベトナムにとって第4位の貿易パートナーとなり、一方でベトナムはASEAN諸国の中でEU最大の貿易相手国となった。この実績を踏まえ、首相は双方に利益をもたらす「ウィンウィン」の精神での協力継続を求めた。
また、ベトナム・EU投資保護協定(EVIPA)について、未批准のEU加盟国に対し早期批准を働きかけるよう各大使に要請。グリーントランスフォーメーション、デジタル化、交通インフラ、イノベーション分野での協力強化も提案した。
IUU「イエローカード」解除への取り組み
違法・無報告・無規制(IUU)漁業問題について、首相はベトナムが法整備、水産物のトレーサビリティ強化、漁船監視、違反者への厳格な処分を断固として進めていると説明。欧州委員会(EC)の査察団との緊密な連携を約束するとともに、EU各国に対してベトナムの努力を認め、IUU「イエローカード」の早期解除を支持するよう求めた。
ビザ緩和と今後の交流
首相は、ベトナムがEU市民を含む外国人へのビザ発給を引き続き円滑化する方針を表明。同時に、EU側にもベトナム国民へのビザ手続き簡素化、外交・公用旅券保持者への査証免除検討を求めた。
EU側を代表して発言したラファエル・デ・ブスタマンテ臨時代理大使は、第14回党大会の成功とベトナムの経済社会発展を祝福。EU各国大使らは、ベトナムがインド太平洋地域およびASEANにおけるEUの重要パートナーであると確認し、新たな戦略的枠組みが貿易促進、サプライチェーン多様化、海洋経済、インフラ整備、グリーン成長の機会を創出すると期待を示した。
首相は、今後予定されるEU高官の訪越や、3月24日にハノイで開催予定の「EU・ベトナム ビジネス投資フォーラム──グローバルゲートウェイ戦略」を歓迎した。
日本企業・投資家への示唆
ベトナムとEUの関係深化は、同国のビジネス環境の国際標準化をさらに推し進める可能性がある。EVFTA・EVIPAの完全実施が進めば、ベトナムを拠点とする日本企業にとっても、欧州市場へのアクセス改善やサプライチェーン構築の選択肢が広がるだろう。一方、IUU問題の解決状況は水産関連ビジネスに直接影響するため、引き続き注視が必要である。
出典: Vn Economy
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