ベトナム財務省統計局が発表した2026年1〜2月の経済社会報告によると、同期間に新設された企業数が約3万5,500社に達し、前年同期比で70.7%という大幅な増加を記録した。しかし、その一方で新設企業の平均資本金は縮小傾向にあり、市場から撤退する企業数も依然として高水準を維持している。ベトナム経済の「二重構造」が浮き彫りとなった格好だ。
新設企業数は急増、登録資本金・雇用も増加
統計によると、2026年1〜2月の2カ月間で全国に約3万5,500社の新規企業が設立された。登録資本金の総額は約313兆7,000億ドンに上り、前年同期比36.1%増。登録従業員数も16万7,500人を超え、同19.1%増となった。
2月単月では約1万1,300社が新設され、登録資本金は約132兆8,000億ドン、登録従業員数は約5万9,400人だった。1月との比較では、企業数が53.2%減、登録資本金が26.6%減、従業員数が45.1%減と大きく落ち込んだものの、これは旧正月(テト)休暇の影響によるもので、前年同期比では企業数が11.6%増、従業員数も0.4%増と堅調だった。
平均資本金の縮小が続く——小規模事業者の参入が加速か
注目すべきは、新設企業1社あたりの平均登録資本金が縮小傾向にある点だ。2026年1〜2月の平均登録資本金は約88億ドンで、前年同期比20.3%減少した。2月単月では約117億ドンと前月比56.9%増となったものの、前年同期比では12.8%減少している。
この傾向は、個人事業主や小規模スタートアップの市場参入が活発化していることを示唆する一方、大型投資案件が減少している可能性も指摘できる。既存企業の増資分を含めると、2カ月間で経済に投入された登録資本金総額は約8,519億ドンに達し、前年同期比20.1%増となった。
市場撤退企業は約7.7万社——解散完了企業は倍増以上
一方、市場から撤退した企業数は依然として高止まりしている。2026年1〜2月に市場から撤退した企業は約7万7,000社で、前年同期比14.9%増加した。
内訳を見ると、期限付き休業企業が約5万8,500社(同2.8%増)、解散手続き待ち企業が約1万600社(同66.3%増)、解散完了企業が約7,900社(同110.2%増)となっている。月平均では約3万8,500社が市場から撤退した計算になり、新規参入・再開企業の月平均約3万2,200社を上回っている。
業種別動向——小売・卸売業が124%増と突出
業種別では、卸売・小売・自動車修理業が1万6,000社超と最も多く、前年同期比124%という驚異的な伸びを示した。次いで製造業が約4,800社、建設業が2,930社、運輸・倉庫業が2,094社、宿泊・飲食業が1,591社、不動産業が959社となっている。
小売・卸売業の急増は、EC(電子商取引)市場の拡大や消費回復を背景としたものと考えられる。一方で、不動産業の新設が1,000社を下回ったことは、同セクターの冷え込みを反映している可能性がある。
日本企業への示唆——進出好機も見極めが重要
今回の統計は、ベトナム経済のダイナミズムと脆弱性の両面を示している。新設企業の急増は市場の活力を示す一方、小規模化と撤退企業の増加は、競争激化と淘汰が同時進行していることを意味する。日本企業にとっては、成長市場への参入機会である一方、パートナー選定や市場調査の重要性が一層高まっていると言えるだろう。
出典: Vn Economy
いかがでしたでしょうか。今回のベトナム企業動態について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。
【noteメンバーシップのご案内】
より詳細なベトナムの経済ニュース解説や企業の投資分析、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。
https://note.com/gonviet/membership












コメント