ビングループが総額約9.3兆ドンの海底トンネル・海上橋プロジェクトを提案──カンゾーとブンタウを14km超で直結、移動時間は90分から15分に短縮へ

Đề xuất phương án làm cầu và hầm vượt biển nối Cần Giờ với Vũng Tàu

ベトナム最大手のコングロマリットであるビングループ(Vingroup)が、ホーチミン市南部のカンゾー(Cần Giờ)地区とバリア=ブンタウ省のブンタウ(Vũng Tàu)市を結ぶ、全長14km超の海上横断道路の建設を提案した。総投資額は約9兆2,663億ドン(利子費用込み)に上り、2026年第2四半期の着工、2029年初頭の完成を目指す。承認されれば、ベトナム南部の交通インフラを大きく変える一大プロジェクトとなる。

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プロジェクトの概要と技術的特徴

ビングループがホーチミン市人民委員会に提出した投資方針報告書によると、この海上横断道路は総延長約14km以上、使用土地面積は約137.5ヘクタールに及ぶ。起点はカンゾー都市開発区内の「ビエンドン2通り」(Đường Biển Đông 2)、終点はブンタウ市タムタン(Tam Thắng)およびザックズア(Rạch Dừa)地区にある「サオマイ=ベンディン計画道路」と「4月30日通り」の交差点となる。

プロジェクトは大きく3つの区間に分けられる。第一に海底トンネル区間、第二に海上橋梁区間、第三に両端のアプローチ道路である。

海底トンネルは全長約3.1kmで、その内訳は沈埋トンネル(Immersed Tunnel)が2.1km、密閉トンネルが390m、開削トンネルが610mとなっている。トンネルの断面幅は35.1mで、このうち22.5mが双方向6車線(各車線幅3.75m)の自動車専用道路に充てられ、残りは避難通路と安全帯として確保される。

海上橋梁は全長約8kmに達し、カンゾー側が5km以上、ブンタウ側が約3kmを占める。トンネルと橋梁を接続するため、トンネルの両端には人工島が建設される計画だ。橋梁の桁下高(クリアランス)は、ガンライ湾(Vịnh Gành Rái)を航行する大型船舶の通過を可能にする設計で、主要航路部分では約150mの航行空間が確保される見込みである。

車線数と設計上の工夫

提案では、海上横断道路全体として6〜8車線規模での整備が想定されている。アプローチ道路部分は8車線(自動車6車線+軽車両2車線)だが、橋梁およびトンネル部分は自動車専用6車線に限定される。これは、海上での暴風雨の影響を考慮し、軽車両の通行が安全上適さないためである。

投資スキームと資金調達

総投資額約9兆2,663億ドンは、PPP(官民連携)方式のBT契約(建設・移転方式)で実施される提案となっている。注目すべきは、用地取得費用を含む全額をビングループが自己調達し、国家予算を一切使用しない点である。その代わり、政府は同等価値の土地をビングループに譲渡する形で対価を支払う。

このBT方式はベトナムのインフラ整備で広く活用されてきた手法だが、土地評価の透明性をめぐる議論も過去にはあった。今回のプロジェクトでは、その規模の大きさから、どのような土地が対価として提供されるのか、今後の審査過程で注目されることになるだろう。

なぜこのルートが必要なのか──現状の課題

ビングループは提案書の中で、カンゾーとロンソン=ブンタウ地域がいずれも海岸沿いの好立地にあり、エコツーリズム、工業・港湾、物流の分野で大きな発展ポテンシャルを持つと指摘している。しかし現状では、両地域を直接結ぶ交通路が存在しない。住民や企業は、国道51号線を大きく迂回するか、カンゾー=ブンタウ間のフェリーを利用するしかなく、移動には90〜120分を要している。

この海上横断道路が完成すれば、移動時間はわずか15〜20分に短縮される。距離にして約14km、時間にして実に6分の1以下となる劇的な改善である。

期待される経済効果

プロジェクトが実現した場合、複数の経済圏に波及効果が見込まれる。まず、ビングループ自身が開発を進めるカンゾー海浜リゾート地区の発展が加速する。同地区はホーチミン市唯一の海辺を有するエリアとして、近年大規模な都市開発が進行中である。

また、ブンタウ側のロンソン工業団地は、石油化学コンビナートなど大型プロジェクトが集積する戦略的拠点であり、交通アクセスの改善は投資誘致に直結する。さらに、ベトナム最大の国際港湾群であるカイメップ=ティバイ(Cái Mép – Thị Vải)港の活用能力向上にも寄与し、ホーチミン市南部全体の経済・社会発展を後押しすると期待されている。

日本企業・投資家への示唆

このプロジェクトは、ベトナム南部経済圏のインフラ地図を塗り替える可能性を秘めている。カンゾー地区は、ホーチミン市中心部から約50kmに位置し、ユネスコ生物圏保護区に指定されたマングローブ林を擁する自然豊かなエリアである。ビングループはここに大規模リゾート開発を計画しており、今回の海上横断道路はその「動脈」となる。

日系企業にとっては、カイメップ=ティバイ港周辺の物流効率化、およびブンタウ工業地帯へのアクセス改善という観点から、サプライチェーン戦略に影響を与えうる動きである。また、トンネル・橋梁建設という技術的に高度なプロジェクトへの日本企業の参画機会も注目に値する。

ただし、BTスキームによる土地対価の詳細、環境影響評価、そして航路への影響など、審査過程で検討すべき課題は多い。2026年着工という野心的なスケジュールが実現するかどうか、今後の政府側の審査動向を注視する必要がある。

出典: Vn Economy

いかがでしたでしょうか。今回のビングループによる海上横断道路プロジェクトについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。

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