サイゴン川東岸が激変──トゥーティエム地区に大規模リバーサイド公園群が誕生、週末6,000人超が訪れる新名所に

Sơ kết đề án cải tạo, chỉnh trang không gian bờ Đông sông Sài Gòn

ホーチミン市の都市開発の象徴ともいえるトゥーティエム新都市区で、サイゴン川東岸の景観整備プロジェクトが着実に形を成しつつある。着工から2年余りを経て、大規模な河川沿い公共空間が次々と完成し、累計で約100万人が訪れる市民の憩いの場へと成長している。ホーチミン市建設局がこのほど公表した中間報告から、その全容が明らかになった。

目次

プロジェクトの全体像──2段階で計24ヘクタールを整備

サイゴン川東岸の景観整備事業は、ホーチミン市中心部の対岸に位置するトゥーティエム新都市区を貫く区間を対象に、二つのフェーズで進められている。トゥーティエムは、かつて湿地帯が広がる未開発エリアだったが、2000年代初頭に大規模な都市開発計画が承認されて以降、ホーチミン市の「第二の都心」として注目を集めてきた地区である。

第1フェーズは、バーソン橋からトゥーティエムトンネル上部までの約14ヘクタールを対象とし、2023年11月から3年間の計画で進行中である。第2フェーズは、バーソン橋からトゥーティエム橋までの約10ヘクタールを対象に、2024年末から着手されている。合計約24ヘクタールという規模は、東京都心で例えるならば日比谷公園(約16ヘクタール)を大きく上回るスケールだ。

注目すべきは、これらの事業がすべて「社会化」(xã hội hóa)方式、すなわち国家予算を使わず民間企業からの資金調達によって実施されている点である。ベトナムではインフラ整備において官民連携の手法が広がりつつあるが、これほど大規模な都市公園プロジェクトが全面的に民間資金で賄われるケースは珍しく、今後のモデルケースとしても関心が高い。

事業の主体は旧トゥードゥック市人民委員会(現在のホーチミン市交通・技術インフラ管理センター)が担っている。トゥードゥック市は2021年にホーチミン市東部の3区が統合されて誕生した行政区であり、ベトナム最大の都市における成長エンジンとして位置づけられている。

第1フェーズ──13項目中12項目が完成、10万6,000㎡の公共空間

建設局の報告によると、第1フェーズでは計画されていた13の整備項目のうち12項目がすでに完成し、供用が開始されている。完成した区域の総面積は約10万6,000平方メートルに及ぶ。

具体的な完成施設としては、コミュニティ活動広場、多目的グラウンド、船着き場、ヒマワリ花園、水上浮島型の水生植物エリア、河川沿い公園、旧オンカイ橋を改修した歩行者専用橋、さらに駐車場、公衆トイレ、監視カメラシステムといったインフラ設備が挙げられる。加えて、当初計画にはなかった約480平方メートルのローラースケート場も、市民のニーズに応える形で追加整備された。

唯一未着手となっているのが「湿地生態公園」の項目である。投資コストが大きいうえ、スポンサー企業の確保が難航していることが理由とされている。

第2フェーズ──「創造公園」として7項目が完成

第2フェーズの「創造公園」(Công viên Sáng tạo)は、バーソン橋からトゥーティエム橋にかけてのエリアに展開されている。計画10項目のうち7項目が完成し、面積は約4万8,000平方メートルとなった。

すでに供用されている施設は、コミュニティ活動広場、ランニング・サイクリングコース、多目的グラウンド、スポーツエリア、サービス機能を統合した管理棟、駐車場などである。一方、水上船着き場、景観橋、休憩あずまやの3項目は、投資手続きの遅延や複雑な地質条件のために未完成のままとなっている。

週末4,000〜6,000人、イベント時には数万人規模の集客力

ホーチミン市建設局の評価によると、供用開始後、これらの公園はトゥーティエム地区で最も人気のあるコミュニティ空間へと急速に成長した。平日でも毎日数千人が訪れ、週末には4,000〜6,000人が来園している。花火大会や大規模な文化・スポーツイベントの開催時には、来場者が数万人規模に膨れ上がるという。

累計では約100万人がこの河川沿い公園エリアを訪れており、うち90万人以上が約85件の文化・スポーツ・科学技術関連のプログラムやイベントに参加した。それ以外にも、日常的な散策や休息を目的とした来訪者が数十万人に上っている。ヒマワリ花園や噴水、船着き場、歩行者橋といった「映える」スポットがSNSを通じて拡散され、集客を後押ししている構図だ。

残された課題──交通アクセス、緑陰不足、品質管理

もっとも、報告書は複数の課題も率直に指摘している。第一に、公園周辺の交通ネットワークがまだ十分に整備されておらず、一部の道路にはバリケードが残っているため、園内の各ゾーン間の移動が不便な状況がある。トゥーティエム地区は現在もメトロ1号線(ベンタイン〜スオイティエン線)の延伸や幹線道路の建設が並行して進んでおり、アクセス改善は今後の都市開発の進捗に大きく左右される。

第二に、植樹は進められているものの、広い樹冠を持つ大型樹木がまだ不足しており、亜熱帯のホーチミン市では不可欠な日陰の確保が十分でない。第三に、一部の施設が暫定的な仕様で建設されていたり、建設品質管理に関する正式な検収手続きが完了していないケースがあるという。

ホーチミン市は今後、これらの課題を順次解消するとともに、公園の管理・運営体制について効率的かつ持続可能な仕組みの構築を進める方針である。

日本企業・投資家への示唆──都市の「水辺再生」がもたらす商機

今回のサイゴン川東岸プロジェクトは、ベトナムの大都市が「量」の開発から「質」の都市空間づくりへと軸足を移しつつあることを象徴している。民間資金を全面的に活用するスキームは、日本企業にとっても参入の余地がある分野だ。

実際、トゥーティエム地区には日系デベロッパーを含む外資系企業が複合開発プロジェクトへの参画を検討しており、河川沿いの景観整備が周辺不動産の価値を押し上げる効果も期待されている。また、公園の管理運営ノウハウ、緑化技術、水辺の生態系保全といった領域は、日本企業が強みを持つ分野でもある。ホーチミン市が今後示す管理・運営の制度設計次第では、新たなビジネス機会が生まれる可能性がある。

ベトナム最大の経済都市が川と共生する都市空間をどこまで実現できるか。トゥーティエムの水辺プロジェクトは、その試金石として引き続き注目に値する。

出典: Vn Economy

いかがでしたでしょうか。今回のサイゴン川東岸・トゥーティエム地区のリバーサイド開発について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。

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