ホーチミン市環状4号線、ドンナイ省が2026年内の用地引き渡し完了を宣言──総延長159km・12兆ドン超の巨大インフラ事業が本格始動

Đồng Nai đặt mục tiêu hoàn tất bàn giao mặt bằng Vành đai 4 trong năm 2026

ベトナム南部の経済圏を支える大型環状道路「ホーチミン市環状4号線(Vành đai 4 TP. Hồ Chí Minh)」の建設に向け、ドンナイ省が用地取得・補償・立ち退きの作業を加速させている。同省は2026年内に用地の全面引き渡しを完了し、同年6月の主要工区着工に間に合わせる方針を明確に打ち出した。

目次

国家的重点プロジェクト「環状4号線」とは

ホーチミン市環状4号線は、ベトナム南部の経済中心であるホーチミン市の外縁を大きく周回する総延長約159kmの環状道路計画である。路線はドンナイ省、タイニン省、ホーチミン市の3つの行政区域を通過し、2025年6月に国会(ベトナム国会)が投資方針を正式に承認した。第1期の総事業費は12兆ドン超(120,000億ドン超)に上り、官民連携(PPP)方式で実施される。

この環状道路は、ホーチミン市とその周辺の衛星都市群を結ぶ交通インフラの要として、慢性的な交通渋滞の緩和や南部経済圏の物流効率化に大きく寄与すると期待されている。すでに運用中の環状2号線・3号線に続く外周路線であり、完成すればドンナイ省ビエンホア市やロンタイン国際空港方面と、タイニン省方面を高規格道路で直結する南部最大級の広域交通網が形成される。

ドンナイ省区間の概要──46km超、総事業費2兆6,000億ドン超

環状4号線のうちドンナイ省を通過する区間は46km超に及び、総事業費は2兆6,000億ドン超(26,000億ドン超)。この区間は2つのサブプロジェクトに分けられている。

サブプロジェクト1-2:用地補償・支援・再定住および集散道路(đường gom)・側道(đường bên)の建設。総事業費は1兆ドン超(10,000億ドン超)で、財源は地方予算。

サブプロジェクト2-2:本線道路の建設。総事業費は1兆6,200億ドン超(16,200億ドン超)で、PPP方式による実施が予定されている。

サブプロジェクト1-2が正式承認──補償費だけで9,000億ドン超

2025年3月16日、ドンナイ省人民委員会はサブプロジェクト1-2の承認決定を公布した。総事業費1兆ドン超のうち、補償・支援・再定住費用が9,000億ドン超を占め、建設費は約479億ドンにとどまる。実施期間は最長6年で、省建設投資プロジェクト管理委員会が事業主体(chủ đầu tư)に指定された。

同サブプロジェクトの主な内容は以下の通りである。

  • 集散道路・側道の建設:ドンナイ省内で総延長約62km。内訳は4級道路規格の区間が約12km、農村道路A類が約42km、農村道路B類が8km超。
  • 用地取得・再定住:完成時の道路幅員74.5mの範囲で用地を収用。総面積は443ha超、再定住対象は約1,119世帯。
  • インフラ移設:110kV・220kV・500kVの送電線、中低圧配電網、通信ケーブル、上水道、街路照明など、プロジェクト範囲内の既存インフラを移設。

スケジュール──2026年6月に70%引き渡し、年内完了を目指す

ドンナイ省建設投資プロジェクト管理委員会によると、3月20日までに路線が通過する9つの社(xã、日本の「村」に相当する行政単位)に対し、土地収用の地図・境界標を省土地開発基金センターへ引き渡す予定である。また、サブプロジェクト2-2については4月7日までに審査申請を行う計画だ。

ドンナイ省人民委員会が掲げるロードマップは次の通りである。

  • 2026年6月末:用地面積の70%の引き渡し完了→プロジェクト着工
  • 2026年9月:用地面積の90%の引き渡し完了
  • 2026年内:用地引き渡しの全面完了

あわせて、2026年6月にはサブプロジェクト1-2に含まれる集散道路の建設工事も着工する予定となっている。

省トップが「特別メカニズム」の活用を強調

3月17日に開催された関係機関との会議で、ドンナイ省人民委員会のグエン・ヴァン・ウット(Nguyễn Văn Út)主席は、「環状4号線は国家重点事業であり、国会が進捗加速のための特別メカニズム(cơ chế đặc thù)の適用を認めている」と強調した。ベトナムでは近年、高速道路や空港など国家的大型プロジェクトに対し、通常の法的手続きを簡略化・迅速化する「特別メカニズム」が適用されるケースが増えており、環状4号線もその対象となった形である。

ウット主席は各関係部署に対し、用地解放作業の加速を最優先事項とし、2026年6月の着工に間に合わせるよう指示。省建設投資プロジェクト管理委員会にはスケジュール管理の全面的な責任を負わせるとともに、各部署間の連携不足によりプロジェクト全体の進捗に影響が出ることのないよう、同期的な実施体制の構築を求めた。

日本企業・投資家への示唆

ホーチミン市環状4号線の建設は、ベトナム南部経済圏のインフラ競争力を大きく高める事業である。特にドンナイ省は、日系企業が多数進出する工業団地が集積するエリアとして知られ、環状道路の完成は物流コストの低減や通勤圏の拡大を通じて、製造業・物流業にとって直接的なメリットをもたらす可能性が高い。

また、PPP方式の採用は民間資本の参入機会を意味しており、建設・コンサルティング・インフラ関連機器の分野で日本企業にとってもビジネスチャンスが生まれ得る。一方で、ベトナムの大型インフラ事業ではしばしば用地取得の遅延が最大のボトルネックとなってきた歴史があり、今回ドンナイ省が「特別メカニズム」を活用してまでスケジュール厳守を打ち出していることは、その危機意識の表れとも読み取れる。実際にスケジュール通り進むか、引き続き注視が必要である。

出典: Vn Economy

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