ベトナム首相、ガソリン価格安定基金への国家予算充当を承認――2025年増収分を原資に物価安定へ

Thủ tướng đồng ý chủ trương ứng ngân sách cho Quỹ bình ổn giá xăng dầu

ベトナムのファム・ミン・チン首相は、2025年の国家予算の増収分を原資として、ガソリン・軽油価格安定基金(Quỹ bình ổn giá xăng dầu)に対し予算を充当する方針に同意した。国際原油価格の変動が国内経済や市民生活に直結するベトナムにおいて、この決定はエネルギー価格の安定と物価抑制に向けた重要な一手となる。

目次

決定の概要

今回の方針決定は、関係省庁から提出された提案に基づくものである。具体的には、2025年度の国家歳入が当初予算を上回る見込みとなった場合、その増収分の一部をガソリン価格安定基金に前倒しで充当(ứng ngân sách)するという内容だ。ファム・ミン・チン首相がこの「主張(chủ trương)」に同意したことで、今後、財政省など関連機関が具体的な金額や手続きの詳細を詰める段階に入る。

ガソリン価格安定基金とは何か

ベトナムのガソリン価格安定基金は、国際原油価格が急騰した際に、国内のガソリン・軽油の小売価格を一定の範囲内に抑えるための緩衝装置として機能する制度である。基金への積立ては、ガソリン1リットルあたりに一定額を上乗せする形で消費者が負担する仕組みとなっているが、価格高騰局面では基金からの取り崩しが相次ぎ、残高が大幅に減少することがある。

近年、ロシア・ウクライナ紛争や中東情勢の緊迫化、OPEC+(石油輸出国機構と協力国の枠組み)の減産方針などを背景に、国際原油価格は不安定な推移を続けてきた。ベトナムは石油の純輸入国に転じており、国際価格の変動が国内の物価全般に波及しやすい構造となっている。基金の残高不足が続けば、価格調整の余地が狭まり、急激な値上げが消費者に直撃するリスクがある。

なぜ国家予算からの充当が必要なのか

ベトナム政府は近年、物価安定を最重要課題の一つに位置付けている。消費者物価指数(CPI)の上昇率を年間4〜4.5%以内に抑えるという目標を掲げる中、ガソリン価格は輸送費をはじめとする広範な産業コストに影響を及ぼすため、その安定は経済運営の根幹に関わる。

2024年後半から2025年にかけて、基金の残高が逼迫する場面が見られたことから、政府内では国家予算からの補填を求める声が高まっていた。今回、2025年度の増収分という特定の財源を明示した上で首相が方針に同意したことは、財政規律を保ちつつ物価安定を図るという政府の姿勢を示したものといえる。

ベトナム経済への影響と日系企業への示唆

ベトナムには多くの日系製造業が進出しており、工場の稼働や物流にかかるエネルギーコストは経営上の重要なファクターである。ガソリン・軽油価格が安定的に推移すれば、サプライチェーン全体のコスト予見性が高まり、事業計画の策定がしやすくなる。

一方で、国家予算からの充当は、本来であれば他のインフラ投資や社会保障に振り向けられるはずの財源を使うことを意味する。今後、基金の運営をより持続可能な形に改革できるかどうかが、中長期的な課題として残る。ベトナム政府はガソリン価格の決定メカニズムそのものの見直しも議論しており、価格改定の頻度を現行の10日ごとから7日ごとに短縮する案なども検討されている。

ベトナムの2025年GDP成長率目標は8%以上と高く設定されており、エネルギー価格の安定はその達成に向けた前提条件の一つである。今回の首相の方針承認は、成長と安定の両立を目指すベトナム政府の意志を明確にしたものと評価できるだろう。

出典: VN Express

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