ベトナム初の全国畜産・獣医科学技術会議が3月開催—130超の研究報告と主要企業が集結

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ベトナム農業・環境省は2026年3月23日の記者会見で、同国初となる「全国畜産・獣医科学技術会議」を3月27〜28日にハノイの国立会議センターで開催すると発表した。約750名の代表者が参加し、130件超の研究報告が発表される大規模な国家レベルの学術・産業イベントであり、畜産セクターの次なる5カ年(2026〜2030年)の方向性を決定づける重要な場となる。

目次

省庁再編後初の国家規模フォーラム

今回の会議は、農業・環境省(旧・農業農村開発省から組織再編を経て発足)の新体制下で初めて開かれる畜産・獣医分野の全国科学技術会議である。2021〜2025年の研究・技術応用の成果を総括し、2026〜2030年の発展方針を打ち出すことが主目的だ。共産党政治局が掲げた「決議57号」——科学技術の飛躍的発展、イノベーション推進、国家デジタルトランスフォーメーション(DX)の精神を具体化する取り組みとも位置づけられている。

同省科学技術局のグエン・バン・ロン局長によると、会議は28日午前の全体セッションで幕を開け、①2021〜2025年の科学技術総括、②2026〜2030年の発展方針、③企業・専門家による報告——の3本柱で構成される。午後には以下の6つの専門セッションが並行して行われる。

  • 養豚の科学技術
  • 家禽の科学技術
  • 反芻家畜・その他家畜の科学技術
  • 動物衛生・疫病対策
  • ワクチン・獣医生物製剤技術
  • 抗生物質耐性(AMR)対策・食品安全

130件超の科学報告は国際基準で選定されており、基礎研究から応用研究まで幅広い領域をカバーする。会議では戦略的技術や重点技術製品の方向性も示され、輸入依存の低減と付加価値向上を目指す方針だ。

畜産業の現在地——農業全体の26〜28%を占める基幹産業

ベトナムの畜産・獣医セクターは農業全体の生産額の約26〜28%を占め、食料安全保障と数千万人の生計を支える基幹産業である。フン・ドゥック・ティエン副大臣は記者会見で、同セクターの現状を以下のように説明した。

  • 規模の転換が加速:農家レベルの小規模経営の割合は65〜70%から約50%に低下し、集約型経営への移行が進んでいる。
  • 品種改良の進展:国内の家畜品種は世界水準の90〜95%に到達。
  • 家禽:総飼養数は約6億羽、年間食肉生産量は200万トン超。
  • 乳牛:1頭あたりの乳量が1周期4.5トンから6.7〜7トンへ大幅に向上。
  • 近代化:密閉型畜舎・環境制御システム・自動化・AI(人工知能)・DXの導入が進む。

一方で、生産性や栄養品質の課題、潜在的な疫病リスク、国際競争の激化という構造的な課題も残る。ティエン副大臣は「科学技術の急速な進展に合わせて技術を更新し、生産方式と管理の考え方を革新しなければ、取り残される」と危機感を示した。

「科学と市場が出会う空間」——展示会にはVinamilk、CP、GreenFeedら大手が参加

会議と並行して、27日午後から28日にかけて約20ブースの科学技術展示会が開催される。出展企業・団体には、ベトナムの畜産・食品業界を代表する以下の大手が名を連ねる。

  • THグループ(TH True Milk):ベトナム最大級の乳業グループ
  • デ・ヒュース(De Heus):オランダ系飼料大手のベトナム法人
  • フンニョン・グループ(Hùng Nhơn):南部を拠点とする大規模養鶏企業
  • BAFベトナム(HOSE: BAF):養豚・飼料の上場企業
  • グリーンフィード(GreenFeed):飼料・畜産の大手企業
  • CPベトナム(C.P. Vietnam):タイ・チャロン・ポカパン(CP)グループのベトナム現地法人で、畜産・飼料の最大手外資
  • ビナミルク(Vinamilk/HOSE: VNM):ベトナム最大の乳業上場企業
  • ハンベット(Hanvet)、VMCベトナム:獣医薬品メーカー

畜産局のファン・クアン・ミン副局長は「学術フォーラムにとどまらず、制度・政策の改善提言を通じて実践的価値を追求する」と強調。展示会では既に実用化された技術・製品も多数紹介され、民間企業がイノベーションと技術の商業化で果たす役割が一段と鮮明になっている。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の会議は純粋な学術イベントではあるが、ベトナム畜産セクターの中長期的な投資テーマを読み解く上で重要な示唆を含んでいる。

1. 関連上場銘柄への注目
ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場するBAFベトナム(BAF)やビナミルク(VNM)は、今回の会議で示される2026〜2030年の政策方針から直接的な恩恵を受ける可能性がある。飼料コスト削減技術やワクチンの国産化が進めば、輸入依存による利益圧迫が緩和される構造変化が期待できる。養豚・養鶏関連ではマサングループ(HOSE: MSN)傘下のメートヴィエト(Meatlife)や、ダベコ(DBC)なども注視すべき銘柄である。

2. 日本企業への示唆
ベトナム政府が掲げる「抗生物質耐性(AMR)対策」「食品安全・トレーサビリティ」「環境配慮型循環経済」は、日本企業が強みを持つ分野と合致する。畜産向けIoTソリューション、飼料添加物技術、コールドチェーン物流などの領域で、日系企業にとっての参入・協業機会が広がる可能性がある。既にベトナム市場で存在感を示す伊藤忠飼料や日本ハムグループの動向も注目される。

3. FTSE新興市場指数格上げとの関連
2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、ベトナム株式市場への海外資金流入が加速する。その際、時価総額の大きいビナミルク(VNM)は指数構成銘柄として組み入れ需要が発生する可能性が高い。畜産セクター全体の近代化・高付加価値化が進めば、セクター全体のバリュエーション見直しにもつながるだろう。

4. ベトナム経済全体のトレンドにおける位置づけ
1億人超の人口と年間約2,000万人の訪越観光客を抱えるベトナムでは、たんぱく質需要の拡大が続く。畜産業の近代化は食料安全保障のみならず、農業DXや循環型経済といったベトナム政府の成長戦略と密接にリンクしている。今回の会議で打ち出される技術ロードマップは、同国の農業セクター全体の中長期的な競争力を左右する重要な指針となる。


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出典: 元記事

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