ベトナム金価格が1両あたり約500万ドン急騰、175万ドン超え—大手ブランドで品薄再燃

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ベトナム国内の金価格が1両(約37.5グラム)あたり約500万ドン上昇し、175万ドンの大台に迫る水準に達した。大手金ブランドでは再び品薄状態が発生しており、実需・投機の両面で市場の過熱感が鮮明になっている。

目次

金価格急騰の詳細

2026年3月25日時点で、ベトナム国内の金価格は1両あたり約5兆ドン…ではなく、約500万ドンの上昇幅を記録し、1両あたり1億7,500万ドンという歴史的高値圏に突入した。ベトナムでは伝統的に金を「lượng(両)」単位で取引しており、1両は約37.5グラムに相当する。国際金価格の上昇トレンドに加え、ベトナム国内特有の需給要因が重なった形である。

SJC(ベトナム最大の金ブランド、国営サイゴン宝飾会社が製造する公認金地金)をはじめ、DOJI(ドージ、ベトナム有数の宝飾・金取引企業)やPNJ(フーニュアンジュエリー、ホーチミン証券取引所上場)といった大手ブランドで在庫不足が深刻化している。店舗によっては販売を一時停止するケースも報告されており、2024年以降たびたび繰り返されてきた「金の品薄パニック」が再燃した格好である。

なぜベトナムで金価格が高騰するのか

ベトナムの金価格高騰には、国際的な要因と国内固有の構造的要因の双方が絡み合っている。

国際要因:世界的な地政学リスクの高まりや米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策をめぐる不透明感から、安全資産としての金に資金が流入している。国際金価格(ロンドン金現物)は2026年に入ってからも上昇基調を維持しており、1トロイオンスあたりの価格が過去最高を更新する場面が続いている。

国内要因:ベトナムでは金が伝統的に「最も信頼できる資産保全手段」として根強い人気を誇る。不動産価格の高止まりや株式市場のボラティリティの高さもあり、個人投資家や一般市民が金に走りやすい土壌がある。さらに、ベトナム国家銀行(中央銀行)が金地金の輸入を厳しく管理しているため、国内供給量が限られ、国際価格との間に大きなプレミアムが生じやすい構造となっている。SJC金地金は長年にわたり国際価格を大幅に上回る「ベトナムプレミアム」が付いており、その差は時に1両あたり数百万ドンから1,000万ドン以上に達することもある。

ベトナム政府は近年、金市場の安定化に向けてSJC金地金の独占的地位の見直しや、金輸入ライセンスの追加発行などの政策を打ち出してきた。しかし、需要の急増局面ではこうした対策が追いつかず、品薄と価格高騰が繰り返されるパターンが定着してしまっている。

ベトナムにおける「金文化」の背景

ベトナムで金がこれほど重視される背景には、歴史的・文化的な要因がある。1980年代のハイパーインフレや、ドイモイ(刷新)政策以前の経済混乱を経験した世代にとって、金は紙幣よりもはるかに信頼できる価値保存手段であった。現在でも不動産取引の一部が金建てで行われることがあり、結婚式の際には新郎新婦に金のネックレスやブレスレットを贈る風習が広く残っている。旧正月(テト)前後や「神様の日(ヴィア・タン・タイ=Vía Thần Tài)」と呼ばれる旧暦1月10日には金の購入が急増するなど、金は生活文化の一部に深く組み込まれている。今回の記事の写真にも「ヴィア・タン・タイ」の文字が見えることから、こうした文化的需要も背景にあると考えられる。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム株式市場への影響:金価格の急騰は、株式市場にとっては資金流出要因となり得る。個人投資家の資金が金に向かえば、ホーチミン証券取引所(HOSE)のVN指数にとっては短期的な下押し圧力となる可能性がある。一方で、金関連銘柄には恩恵がある。PNJ(ティッカー:PNJ)はベトナム最大の宝飾・金販売チェーンであり、金価格上昇局面では売上・利益の両面で追い風を受けやすい。ただし、品薄による販売機会の逸失や、仕入れコストの上昇による利益率への圧迫にも注意が必要である。

為替・マクロ経済への影響:金への需要急増はドン安圧力にもつながりうる。金の輸入が増えれば外貨(ドル)の需要が高まり、ベトナムドンの下落要因となる。ベトナム国家銀行は為替安定を重視しており、金市場への介入姿勢を強める可能性がある。

日本企業・投資家への示唆:ベトナムに進出している日本企業にとって、金価格の高騰は直接的な影響は限定的だが、インフレ期待の高まりや消費者心理の変化を示すシグナルとして注視すべきである。また、ベトナム株式への投資を検討している日本人投資家にとっては、金市場の過熱がベトナム株からの一時的な資金流出を招くリスクがある一方で、2026年9月に予定されるFTSE新興市場指数への格上げ決定を前に、中長期的にはベトナム株式市場への海外資金流入が期待される局面でもある。金市場の過熱は一過性のイベントであり、FTSE格上げという構造的な変化と比較すれば、その影響は限定的と見ることもできる。

今後の注目点:ベトナム国家銀行による金市場安定化策の動向、国際金価格のトレンド、そしてベトナム国内のインフレ率推移が鍵となる。品薄状態が長期化すれば、政府による追加的な金輸入許可や市場介入の可能性も高まるだろう。


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出典: 元記事

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