ベトナム軍系通信大手ビエッテル、海外売上「年20%成長」を宣言—国際展開戦略の全貌

Viettel dự kiến tăng trưởng doanh thu tối thiểu 20% mỗi năm ở thị trường quốc tế
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ベトナム最大の通信企業であり、国防省傘下の巨大国営グループでもあるビエッテル(Viettel Group)が、海外市場での売上高を毎年最低20%成長させるという野心的な目標を掲げた。同グループはすでに世界10カ国以上で通信事業を展開しており、ベトナム発のグローバル企業としてその存在感をさらに高めようとしている。

目次

ビエッテルとは何者か——ベトナム最強の国営コングロマリット

ビエッテルはベトナム人民軍(国防省)が所有する軍系企業グループであり、通信・IT分野を中核としながら、防衛技術、デジタルサービス、フィンテック、サイバーセキュリティなど幅広い事業を手がけている。国内通信市場ではモバイル加入者数でトップシェアを誇り、ベトナム国内の約6,000万人以上のユーザーを抱える。ベトナム国内では「Viettel」のブランドロゴを目にしない日はないほど、国民生活に深く浸透した存在である。

同グループの特徴は、国内市場で圧倒的な収益基盤を築いた上で、2000年代後半から積極的に海外進出を進めてきた点にある。カンボジア(Metfone)、ラオス(Unitel)、ミャンマー(Mytel)、東ティモール(Telemor)、モザンビーク(Movitel)、ハイチ、ペルー、タンザニア、カメルーン、ブルンジなど、アジア・アフリカ・中南米の新興国・途上国を中心に現地法人を設立し、携帯通信サービスを展開している。進出先の多くは通信インフラが未整備の市場であり、ビエッテルは自ら基地局を建設し、低価格で通信サービスを提供することで急速にシェアを拡大してきた。

「年20%成長」の意味——海外事業の比重拡大へ

今回の発表によると、ビエッテルは海外市場での事業拡大を継続し、各市場からの売上高を毎年少なくとも20%伸ばしていく方針である。国内通信市場が成熟化しつつある中、成長の新たなエンジンとして海外事業の比重を高めていく戦略が鮮明になった形だ。

ビエッテルの海外事業は、進出から20年近くが経過した市場もあり、すでに黒字化を達成している拠点も多い。カンボジアのMetfoneは現地シェア首位級に成長し、ラオスのUnitelも高い市場シェアを維持している。こうした成功モデルをベースに、アフリカや中南米の市場でもさらなる拡大を狙う構えである。

年20%という成長率目標は、新興国の人口増加やスマートフォン普及率の上昇、デジタル経済の拡大といったマクロトレンドを考慮すれば、決して非現実的な数字ではない。特にアフリカ諸国では携帯通信の普及がまだ道半ばであり、モバイルマネーやデジタルサービスの需要も急速に高まっている。ビエッテルはこうした「次のフロンティア」での先行者利益を狙っているといえる。

ベトナム発グローバル企業の先駆的モデル

ベトナム企業の海外進出事例としては、ビングループ(Vingroup、ベトナム最大の民間コングロマリット)傘下のビンファスト(VinFast)によるEV(電気自動車)事業の北米展開が注目を集めているが、実績ベースで見れば、ビエッテルの国際展開はベトナム企業として最も成功した海外進出の事例の一つである。

同グループが海外で成功してきた要因としては、以下の点が挙げられる。

  • 低コスト運営のノウハウ:ベトナム国内で培った低コストでのネットワーク構築・運営ノウハウを、同様に所得水準の低い新興国・途上国に横展開できた。
  • 政府間関係の活用:国防省傘下の企業であるため、ベトナム政府の外交チャンネルを通じた市場参入がスムーズに行われた面がある。特にラオス、カンボジア、ミャンマーなどベトナムと緊密な関係を持つ近隣国では、政治的な後押しも大きかった。
  • 自前の技術力:ビエッテルは5G基地局の自社開発にも取り組んでおり、単なる通信キャリアではなく、技術企業としての側面も強化している。

投資家・ビジネス視点の考察

ビエッテルは非上場の国営企業であるため、直接株式を購入することはできない。しかし、同グループの動向はベトナム株式市場および関連セクターに間接的な影響を与える。

関連銘柄への波及:ビエッテルの海外事業拡大は、同グループに機器・サービスを納入するベトナム企業にとって追い風となる。ホーチミン証券取引所に上場するビエッテル・グローバル・インベストメント(VGI)は、ビエッテルの海外通信事業を統括する上場子会社であり、今回の成長目標の恩恵を最も直接的に受ける銘柄として注目される。

ベトナムのデジタル経済成長との連動:ビエッテルの海外展開は、ベトナムがデジタル分野で「輸出国」としての地位を確立しつつあることを示している。ソフトウェア開発やITサービスの輸出に加え、通信インフラの海外展開という形でベトナムのデジタル産業の存在感が高まっている。

FTSE新興市場指数格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数へのベトナム格上げが実現すれば、海外投資家のベトナム株への資金流入が加速する。ビエッテル関連の上場銘柄も、こうした資金フローの恩恵を受ける可能性がある。ベトナム発のグローバル企業が着実に成長している事実は、ベトナム市場全体の評価を底上げする材料ともなりうる。

日本企業への示唆:ビエッテルはNTTやNECといった日本の通信関連企業とも技術協力の実績がある。ビエッテルの海外事業拡大は、日本企業にとっても機器納入やシステム開発での協業機会の拡大につながる可能性がある。特に5G関連技術やサイバーセキュリティ分野での日越連携は、今後さらに深まることが期待される。

ビエッテルの「年20%成長」という目標は、単なる一企業の経営計画にとどまらず、ベトナムという国が新興国から「グローバルプレーヤー輩出国」へと変貌しつつあることを象徴するニュースである。今後の進捗を注視していきたい。


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出典: 元記事

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