ベトナム、全病院の75%超が電子カルテ導入済み—2027年から紙カルテ全廃へ

Hơn 75% bệnh viện đã triển khai hồ sơ bệnh án điện tử
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ベトナム保健省は、全国の病院の75%以上が電子カルテ(hồ sơ bệnh án điện tử)の導入を公表済みであると発表した。さらに2027年1月1日をもって、公立・私立を問わず全病院で紙カルテの使用を廃止する方針を打ち出しており、ベトナムの医療デジタルトランスフォーメーション(DX)が大きな転換点を迎えている。

目次

保健省が新たな指示を発出—電子カルテを「最重要課題」に位置づけ

ベトナム保健省(Bộ Y tế)はこのほど、医療機関における電子カルテ導入の加速に関する指示(Chỉ thị)を新たに発出した。同省によれば、近年、医療分野におけるIT活用とデジタル化は多くの成果を上げてきた。電子カルテの導入は患者に対する具体的な利益をもたらすだけでなく、各医療機関の専門業務の質や管理・運営の効率性向上にも貢献しているとされる。

現時点で全国の75%超の病院が電子カルテ導入を公表しており、ほとんどの地方自治体が共産党政治局(Bộ Chính trị)、国会(Quốc hội)、政府(Chính phủ)および保健省の指導に基づく導入計画を策定済みである。

課題も山積—紙カルテとの併用状態が残る現場

一方で、保健省は課題も率直に認めている。一部の地方や多くの医療機関では、電子カルテの導入が質的に十分でなく、紙の病歴ファイルを完全に置き換えるには至っていない。つまり、システム上は電子カルテが存在するものの、実務では依然として紙ベースの運用が並行して行われているケースが少なくないのが実態である。

こうした状況を打開するため、保健大臣は今回の指示において、保健省傘下の各部局、各省庁・業界の医療機関、各地方の保健局(Sở Y tế)、そしてすべての医療機関に対し、電子カルテの導入を「重点的かつ重要で中核的な任務」として位置づけるよう求めた。各機関のトップが直接責任を負い、資源配分を優先して質の高い電子カルテ運用を確保することが義務付けられている。

2026年末が期限、2027年から紙カルテ全廃

具体的なスケジュールとしては、すべての医療機関は現状の評価と具体的な導入計画の策定を行い、必要な資源を確保したうえで、遅くとも2026年12月31日までに電子カルテの導入を完了することが求められている。そして2027年1月1日以降、公立病院・私立病院を問わず紙カルテの使用は認められなくなる

また、各地方の保健局は省・市の人民委員会(Ủy ban nhân dân)や上位管轄機関に対して報告・助言を行い、管轄下の医療機関における電子カルテ導入完了に向けた資源配分の優先確保を図るよう要請されている。保健省の各部局も、専門的なガイドラインの見直し・更新・補完を行い、各医療機関が期限内に適切に導入を完了できるよう支援する方針である。

ベトナム医療DXの背景—急速に進むデジタルインフラ整備

ベトナムは人口約1億人を擁する東南アジアの大国であり、急速な経済成長とともに医療需要も拡大の一途をたどっている。都市部と農村部の医療格差是正は長年の課題であり、電子カルテの全国統一的な導入は、患者情報の共有効率化、遠隔医療との連携、医療資源の最適配分といった面で大きな意義を持つ。

ベトナム政府は2020年代に入り、国家デジタル変革計画を強力に推進しており、医療分野はその中核の一つに位置づけられてきた。電子政府基盤の整備、個人識別番号の統一、モバイル決済の普及といったデジタルインフラの進展が、今回の電子カルテ全面移行を後押しする土台となっている。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の電子カルテ全面義務化は、ベトナムのヘルスケアIT市場に直接的な恩恵をもたらすと考えられる。2026年末という期限に向け、まだ導入が不十分な約25%の病院、さらに既存導入病院のシステム高度化需要が一斉に顕在化するためである。

ベトナム株式市場においては、医療IT・病院情報システム(HIS)を手がけるテクノロジー企業や、病院運営を行うヘルスケア関連銘柄への注目度が高まる可能性がある。また、FPT(FPTコーポレーション、ベトナム最大手IT企業)やCMC(CMCテクノロジー)といった大手IT企業は、公共部門のデジタル化案件で豊富な実績を持ち、関連受注の拡大が期待される。

日本企業にとっても、この動きは注目に値する。日本は電子カルテの導入・運用で長年の知見を有しており、ベトナムの医療機関や行政との技術協力・システム輸出の機会が広がる可能性がある。JICA(国際協力機構)を通じた医療DX支援なども含め、日越協力の新たなフロンティアとなり得る領域である。

さらに、ベトナムのデジタルガバナンスの進展は、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げ審査においても、制度的透明性やインフラ整備の進捗を示すポジティブな材料の一つとして評価される可能性がある。医療分野に限らず、国全体のデジタル化の加速はベトナムの国際的な信用力向上に寄与するものであり、中長期的な資本市場への好影響が期待される。


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出典: 元記事

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