ベトナム発ヒット番組『Anh Trai Say Hi』制作会社DatVietVAC、純利益380億ドンを達成—2025年は420億ドンへ

Nhà sản xuất 'Anh trai say hi' lãi 380 tỷ đồng
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ベトナムで社会現象となったバラエティ番組『Anh Trai Say Hi(アイン・チャイ・サイ・ハイ)』の制作会社であるDatVietVAC(ダットヴィエットVAC)が、2024年度の純利益として3,800億ドンを計上したことが明らかになった。同社は2025年度にはこれを4,200億ドンまで引き上げる計画を掲げており、ベトナムのエンターテインメント産業における急成長企業として注目を集めている。

目次

DatVietVACとは何者か——ベトナム・エンタメ業界の台風の目

DatVietVACは、ベトナム国内でテレビ番組やデジタルコンテンツの制作・配信を手掛けるエンターテインメント企業である。同社が制作する番組の中でも、特に2024年に爆発的な人気を博したのが『Anh Trai Say Hi』だ。この番組は若手男性アーティストたちが音楽やパフォーマンスで競い合うサバイバル形式のリアリティ番組で、ベトナムのZ世代を中心に圧倒的な支持を得た。SNS上では関連ハッシュタグが数億回のインプレッションを記録し、出演者の楽曲がYouTubeのベトナムトレンドを独占するなど、まさに社会現象と呼べる規模にまで成長した。

また、DatVietVACは『2 Ngày 1 Đêm Vietnam(2日1夜ベトナム版)』の制作でも知られている。これは韓国KBSの人気バラエティ番組『1泊2日』のベトナム版ライセンス番組であり、ベトナム全土の観光地を巡る内容がファミリー層を中心に支持されている。韓国フォーマットのローカライズに成功した好例として、東南アジアのコンテンツ産業関係者からも注目されてきた。

業績の詳細——純利益3,800億ドン、今年は4,200億ドンを目指す

今回の報道によると、DatVietVACは2024年度に純利益(lãi ròng)3,800億ドンを達成した。そして2025年度には4,200億ドンへの増益を見込んでいるという。前年比で約10.5%の増益計画であり、同社が安定した成長軌道に乗っていることを示す数字である。

この成長を支えている背景にはいくつかの構造的要因がある。まず、ベトナムのデジタル広告市場の急拡大だ。人口約1億人、平均年齢30歳前後という若い人口構成を持つベトナムでは、YouTube、TikTok、Facebookなどのプラットフォーム上でのコンテンツ消費が急増しており、これに連動して広告収入も右肩上がりで伸びている。DatVietVACのようなコンテンツ制作会社は、テレビ放送権だけでなく、デジタル配信・SNSマーケティング・ライブイベント・マーチャンダイジングなど多角的な収益源を持つビジネスモデルを構築している。

次に、ベトナム国内のエンターテインメント消費の高度化がある。かつてベトナムのテレビ番組といえば、韓国や中国のドラマの吹き替え放送が主流であったが、近年は国産コンテンツへの需要が急速に高まっている。『Anh Trai Say Hi』の成功は、ベトナムの視聴者が「自国発のオリジナルコンテンツ」に強い愛着を持ち、積極的に消費・拡散する段階に入ったことを如実に示している。

ベトナム・エンタメ産業の全体像と成長ポテンシャル

ベトナムのエンターテインメント・メディア市場は、PwCのレポートなどによれば、東南アジアの中でもインドネシアに次ぐ成長率を示している。特にOTT(Over The Top=ネット配信)市場、音楽ストリーミング市場、ライブエンターテインメント市場が顕著な伸びを見せている。都市部の若年層を中心に可処分所得が増加しており、エンタメへの支出意欲が高まっていることがその背景にある。

DatVietVACの好業績は、こうしたマクロトレンドの恩恵を受けたものと言える。同社は制作能力だけでなく、IP(知的財産)の開発・管理においても先進的な取り組みを行っており、番組から派生するアーティストのマネジメントやコンサート事業など、コンテンツのライフサイクル全体から収益を最大化する戦略を採用している。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム株式市場への影響:DatVietVACは現時点でホーチミン証券取引所(HOSE)やハノイ証券取引所(HNX)への上場が確認されていないが、ベトナムのエンタメ・メディアセクター全体への関心を高める材料となり得る。上場済みのメディア関連銘柄としては、VCCorp系のテクノロジー・メディア企業などが間接的に恩恵を受ける可能性がある。また、将来的にDatVietVAC自体がIPOを実施する可能性も排除できず、その際には市場の注目テーマとなるだろう。

日本企業との関連:日本のコンテンツ企業やエンタメ関連企業にとって、ベトナムは有望な市場であると同時に、共同制作やライセンスビジネスの相手先としても魅力的である。韓国フォーマットの成功事例(『2日1夜』)があるように、日本のバラエティ番組フォーマットがベトナムでローカライズされる可能性も十分にある。電通や博報堂といった日系広告大手もベトナム市場での事業を拡大しており、DatVietVACのような現地有力プレイヤーとの協業は今後増えていくと見られる。

FTSE新興市場指数格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数へのベトナム格上げは、主に金融・不動産・製造業セクターの大型銘柄に直接的なインパクトを与えるものだが、格上げに伴う海外投資家の資金流入はベトナム市場全体の流動性を高める。エンタメ・メディアセクターを含む内需関連銘柄にも波及効果が期待でき、DatVietVACのような成長企業にとっても資金調達環境が改善する追い風となる。

ベトナム経済全体における位置づけ:ベトナム経済はこれまで製造業・輸出主導で成長してきたが、サービス産業や内需型ビジネスの比重が徐々に高まりつつある。エンターテインメント産業の成長は、ベトナムが「世界の工場」から「消費市場」へと進化する過程を象徴するものであり、中長期的な投資テーマとして注目に値する。


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出典: 元記事

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