TikTok親会社ByteDance、AI投資加速で2025年利益が最大70%減の約100億ドルへ—ベトナム含む海外売上は50%増

Chi tiêu mạnh cho AI, lợi nhuận năm 2025 của công ty mẹ TikTok có thể giảm tới 70%
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TikTokとDouyin(抖音、中国版TikTok)を傘下に持つByteDance(バイトダンス)の2025年純利益が、AI(人工知能)分野への巨額投資により前年比70%超の減少となった模様である。一方で海外売上高は約50%増と急伸しており、ベトナムを含む東南アジア市場でのTikTok Shopの爆発的成長がその牽引役となっている。

目次

利益急減の背景—AI投資に年間1,000億元規模を投入

中国メディアのSecurities Times(証券時報)や36Krが関係者の話として報じたところによると、ByteDanceの2025年純利益は前年比70%以上の減少を記録した。ByteDanceは未上場企業であり正式な財務報告を公開していないが、South China Morning Post(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)は、米テクノロジーメディアThe Informationが報じた2024年の純利益約330億ドルを基準にすれば、2025年の利益は約100億ドル前後にとどまる可能性があると推計している。

この大幅減益の主因は、AI分野への積極投資である。2024年12月時点の報道では、ByteDanceは2025年にNvidia(エヌビディア)製チップの購入だけで約1,000億人民元を投じる計画とされ、前年の約850億人民元からさらに増額している。加えて、世界中からトップクラスのAI人材の獲得競争を加速させている。

Douyin副社長「会計基準上の数字であり、実態とは異なる」

ByteDanceのDouyin部門副社長であるLi Liang(李亮)氏は、利益の急減は国際会計基準(IFRS)に基づく数値であり、従業員向けストックオプション費用が含まれているため「コア事業の実態を十分に反映していない」と説明した。同氏によれば、これらの費用を除外すれば、売上高・利益ともに成長基調を維持しているという。また、2025年下半期の営業利益率は「わずかな低下」にとどまり、これは主にDouyinのEC(電子商取引)事業の成長鈍化と新規事業領域への投資拡大が要因であるとした。

海外売上が初めて全体の30%超に—TikTok Shopが急拡大

注目すべきは海外事業の急成長である。海外市場の売上高は前年比約50%増となり、中国国内の約20%増を大きく上回った。その結果、海外売上が全体に占める比率は2024年の25%から30%超へと上昇し、初めて3割の大台を突破した。

この成長を牽引しているのがTikTok Shop(ティックトックショップ)である。同プラットフォームのGMV(流通取引総額)は前年比約70%増という驚異的な伸びを示した。ベトナム、インドネシア、タイなど東南アジア諸国はTikTok Shopの主要市場であり、特にベトナムではライブコマース(ライブ配信を通じた販売手法)が急速に普及し、中小事業者から大手ブランドまで幅広い層がTikTok Shopを活用している。

DeepSeek、Google、Alibabaから一流AI人材を獲得

ByteDanceはAI開発チームの強化にも余念がない。中国テクノロジーメディアLatePost(晩点)の報道によれば、中国のAIスタートアップDeepSeek(ディープシーク)のR1モデル開発を主導した主要研究者Guo Daya(郭大遥)氏がByteDanceのSeed AIチームに加入した。さらに、Google(グーグル)で17年間の経験を持つWu Yonghui(呉永輝)氏や、Alibaba Group Holding(アリババグループ)の大規模言語モデルQwen(通義千問)の開発に携わったZhou Chang(周暢)氏といった著名な人材も合流している。

こうした投資は早くも成果を見せ始めている。ByteDanceの動画生成AIモデル「Seedance 2.0」は、現時点で世界最強クラスのシステムの一つと評価されている。ただし、この技術を巡っては、ハリウッドの大手映画スタジオであるWalt Disney Studios(ウォルト・ディズニー・スタジオ)やParamount Pictures(パラマウント・ピクチャーズ)が知的財産権の侵害を訴えるなど、法的リスクも浮上している。ByteDance側はコンテンツ保護措置を強化する方針を示している。

米国市場での存続策—新たな合弁事業体を設立

地政学リスクへの対応も進んでいる。2025年1月、ByteDanceは米国での事業継続を目的とした新たな合弁会社を設立した。出資構成は、ByteDanceが19.9%、Oracle(オラクル)・Silver Lake(シルバーレイク)・MGX(アブダビの投資ファンド)がそれぞれ15%、残りの30.1%はByteDanceの既存投資家に関連する企業が保有する形となっている。これにより、米国政府が求めていた「中国企業による支配からの分離」に一定の対応を図った格好である。

投資家・ビジネス視点の考察

本件は直接的にはベトナム株式市場の上場銘柄に関するニュースではないが、ベトナム経済・投資に関わる複数の重要な示唆を含んでいる。

第一に、ベトナムのEC市場への影響である。TikTok ShopのGMVが70%増という急拡大は、ベトナムのEC関連企業に大きなインパクトを与えている。ベトナムではShopee(ショッピー、SEA Group傘下)やLazada(ラザダ、Alibaba傘下)が先行していたが、TikTok Shopの台頭により競争環境が激変している。ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場する物流関連銘柄やデジタル決済関連銘柄にとっては、EC市場全体の拡大という追い風が続く構図である。

第二に、AI投資競争のグローバルな波及である。ByteDanceがNvidiaチップに1,000億人民元規模を投じる動きは、半導体サプライチェーンに組み込まれつつあるベトナムの製造業にも間接的な恩恵をもたらす可能性がある。ベトナム北部にはサムスン電子をはじめとする電子部品製造拠点が集積しており、AI関連需要の拡大はベトナムのハイテク製造業の成長を後押しする要因となり得る。

第三に、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げとの関連である。ベトナム市場がFTSEの新興市場指数に格上げされれば、海外からの資金流入が大幅に増加すると期待されている。TikTok Shopの拡大に伴うベトナムのデジタル経済の成長は、ベトナム市場の魅力を高める材料の一つとなる。日本企業にとっても、ベトナムのデジタルコマース領域への参入・提携の好機と捉えることができるだろう。

ByteDanceの「利益を犠牲にしてでもAIに全力投資する」という戦略は、短期的には財務面での痛みを伴うが、中長期的にはTikTokエコシステム全体の競争力強化につながる。ベトナムを含む東南アジア市場での存在感拡大と合わせ、今後の動向を注視していく必要がある。


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出典: 元記事

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