ベトナム不動産大手ノバランド創業者「株価は企業価値を反映していない」—法的問題の解消で復活なるか

Ông Bùi Thành Nhơn: Cổ phiếu Novaland chưa phản ánh đúng giá trị
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ベトナム不動産業界の大手であるノバランド(Novaland、ホーチミン証券取引所ティッカー:NVL)の創業者ブイ・タイン・ニョン(Bùi Thành Nhơn)氏が、同社の株価が企業の実質的な価値と回復ポテンシャルを正しく反映していないとの見解を示した。法的な障壁が徐々に解消されつつある中での発言であり、ベトナム不動産セクター全体の行方を占ううえでも注目すべきニュースである。

目次

ノバランド創業者が株主総会で「過小評価」を訴える

ノバランドの創業者であり、同社の取締役会会長を務めるブイ・タイン・ニョン氏は、2025年の年次株主総会の場において、現在の株価水準が企業の本来の価値や今後の回復見通しを適正に反映していないと明言した。同氏の主張の根拠は、同社が長らく抱えてきた法的障壁(pháp lý=不動産開発に関する許認可やプロジェクトの法的手続き上の問題)が段階的に解消されつつあるという事実にある。

ノバランドは、ホーチミン市を中心にベトナム南部で大規模な不動産プロジェクトを複数展開する不動産デベロッパーであり、かつてはベトナム不動産セクターの「顔」とも言える存在であった。しかし、2022年後半からベトナム不動産市場全体を襲った信用収縮と流動性危機の中で、同社は社債の償還問題やプロジェクトの工事遅延、法的手続きの停滞などに直面し、株価は大幅に下落した経緯がある。

ベトナム不動産業界を取り巻く「法的障壁」とは何か

ベトナムの不動産市場において、「法的障壁」(vướng mắc pháp lý)は単なる法律用語ではなく、業界全体の根幹に関わる構造的な課題である。具体的には、土地使用権の取得・転換手続き、建設許可の取得、プロジェクトの投資承認、環境影響評価の認可など、不動産開発の各段階で必要とされる行政手続きが複雑かつ長期化しやすいという問題を指す。

特に2022年から2023年にかけて、ベトナム当局による不動産・金融分野の汚職摘発キャンペーン(いわゆる「反腐敗運動」)が激化したことで、行政機関の担当者が許認可の承認に極めて慎重になる「萎縮効果」が発生した。これにより、ノバランドをはじめとする大手不動産デベロッパーの多くのプロジェクトが事実上の「凍結状態」に陥った。

しかし2024年以降、ベトナム政府は不動産市場の停滞が経済全体に与える悪影響を認識し、改正土地法、改正住宅法、改正不動産事業法といった一連の法改正を前倒しで施行するなど、市場の正常化に向けた動きを加速させてきた。ニョン氏の発言は、こうした制度面の改善がノバランドのプロジェクト再開に直接的な追い風となっているという文脈で理解する必要がある。

ノバランドの現状と回復の道筋

ノバランドは、ホーチミン市近郊のドンナイ省(Đồng Nai)で展開する大規模複合都市「アクアシティ」(Aqua City)や、ファンティエット(Phan Thiết)のリゾート開発「ノバワールド・ファンティエット」(NovaWorld Phan Thiet)など、数兆ドン規模のプロジェクトを複数保有している。これらのプロジェクトは法的問題により長期にわたり進捗が停滞していたが、近年は一部で許認可の再取得やインフラ整備の再開が報じられている。

ニョン氏は、これらのプロジェクトが本格的に動き出せば、売上の回復とともに企業価値の再評価が進むはずだと株主に対して訴えた形である。現在のNVLの株価は、不動産危機前のピーク時から大幅に下落した水準にとどまっており、創業者としてはフラストレーションを感じていることがうかがえる。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム株式市場・不動産セクターへの影響:ノバランド創業者のこの発言は、同社固有の問題にとどまらず、ベトナム不動産セクター全体の「底入れ」シグナルとして市場参加者に受け止められる可能性がある。NVLは個人投資家の保有比率が高く、出来高も大きいため、センチメント面での影響は無視できない。ただし、創業者の「株価は過小評価」という発言は、ポジショントークである点も考慮すべきである。実際にプロジェクトの法的問題がどこまで解消されているか、具体的な進捗データを確認することが重要だ。

日系企業・投資家への示唆:ベトナムの不動産市場は、日系デベロッパーや不動産ファンドにとっても有望な投資先として注目されてきた。法的障壁の解消が進めば、日系企業との合弁プロジェクトや、不動産関連の投融資案件にも好影響を及ぼす可能性がある。一方で、ベトナム不動産市場特有の法的リスクが完全に払拭されたわけではなく、引き続き慎重なデューデリジェンスが求められる。

FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に判断が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、海外機関投資家からの資金流入が加速し、時価総額の大きい不動産銘柄にも恩恵が及ぶ可能性がある。ノバランドがそれまでに財務体質と法的課題をどこまでクリアにできるかが、格上げ後の資金流入の恩恵を受けられるかどうかの分水嶺となるだろう。

ベトナム経済全体における位置づけ:不動産セクターはベトナムGDPの約8〜10%を占め、建設・建材・金融など関連産業への波及効果も大きい。政府が不動産市場の正常化を政策の最優先事項の一つに位置づけている以上、ノバランドのようなメジャーデベロッパーの回復は、マクロ経済の回復サイクルとも密接にリンクしている。今後の政府方針や個別プロジェクトの許認可動向を注視していく必要がある。


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出典: 元記事

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