ベトナム不動産事業法の改正審査が始動—4つの重点政策と市場への影響を読む

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2025年4月24日、ベトナム司法省のグエン・タイン・トゥ(Nguyễn Thanh Tú)副大臣が主宰し、「不動産事業法(改正)」の政策審査会議が開催された。不動産市場の健全な発展と法的枠組みの整備を目指す今回の改正は、ベトナムの不動産セクターに大きな転換をもたらす可能性がある。

目次

建設省が示した4つの重点政策

会議において、建設省(Bộ Xây dựng)の代表は、今回の不動産事業法改正が以下の4つの政策グループに集中して取り組むと説明した。

政策1:法的枠組みの整備と実務上の障害除去
現行の不動産事業法の規定を見直し、関連法令との整合性・統一性を確保する。企業・国民・行政機関が法律を適用・執行しやすい環境を整備することが狙いである。

政策2:事業条件と行政手続きの改善
不動産分野における事業条件や行政手続きを改正し、透明で安全かつ開かれたビジネス環境を構築する。企業と国民の利便性向上と、国家管理の効率化を同時に追求する。

政策3:権限委譲の明確化
不動産事業における権限を地方政府の2つの行政レベルに適切に委譲し、各レベルが付与された任務を効果的に遂行できる体制を整える。

政策4:市場発展を促す新規定の追加
不動産市場の健全かつ効率的な発展を後押しするため、新たな創造的規定を盛り込み、社会全体と国民に利益をもたらすことを目指す。

関係省庁からの主要な指摘

農業・環境省(Bộ Nông nghiệp và Môi trường)の代表は、政策1に関して、土地分野に関する多くの内容はすでに土地法(Luật Đất đai)で十分に規定されていると指摘した。起草機関に対し、法令間の重複・矛盾を避けるため、引き続き精査・照合作業を行うよう求めた。

政策2については、既存の住宅・建築物の売買に関する規定の改正範囲を慎重に検討すべきだとした。具体的には、外国人個人には土地使用権がなく土地法の適用対象外であること、またすべての外国組織が土地使用を許可されているわけではないことを踏まえ、適用対象グループを明確に区分する必要があると述べた。これは日系企業を含む外国投資家にとって極めて重要な論点である。

財務省(Bộ Tài chính)は、プロジェクト譲渡や不動産取引における関係各者の権利・義務を具体的に規定し、発生する各種事態を統一的に処理するための法的根拠を確保するよう求めた。

さらに、出席者全体から、不動産取引の契約書の標準様式を整備し、消費者の権利保護を確保するとともに、民法(Bộ luật Dân sự)や消費者権利保護法(Luật Bảo vệ quyền lợi người tiêu dùng)との整合性を図るべきだとの意見が出された。

副大臣の総括と今後の方向性

グエン・タイン・トゥ副大臣は総括として、起草機関に対し法律の調整範囲と各政策を精査し、「正確かつ十分」な内容とするよう指示した。投資法(Luật Đầu tư)、土地法、企業法(Luật Doanh nghiệp)など関連法令との重複を回避し、法体系全体の統一性を確保することが求められる。

また、実務上の障害や問題点の解決に注力し、特に市場調整メカニズム、事後監督(ポストチェック)体制、不動産事業管理における新たな課題への対応を重視するよう求めた。政策影響評価報告書と提案書の質の向上を引き続き図り、書類全体の整合性を確保するよう指示して会議を締めくくった。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の不動産事業法改正の動きは、ベトナム不動産セクター全体にとって中長期的にポジティブな材料である。以下の点に注目したい。

不動産関連銘柄への影響:法的枠組みの明確化と行政手続きの簡素化が実現すれば、ビングループ(Vingroup/VIC)、ノバランド(Novaland/NVL)、カットバット不動産(Khang Điền/KDH)など大手デベロッパーの事業展開が円滑化する。特にプロジェクト譲渡に関する規定の整備は、資金繰りに苦しむ中堅デベロッパーの再編を加速させる可能性がある。

外国投資家・日系企業への影響:外国人・外国組織の適用対象の明確化は、日系不動産企業やベトナム進出を検討する日本の投資ファンドにとって重要なポイントである。規制が緩和される方向に進めば、外資による不動産投資の拡大が期待できる一方、制限が強化される可能性も排除できず、法改正の最終内容を注視する必要がある。

FTSE新興市場指数との関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げにおいて、法制度の透明性と予見可能性は重要な評価基準となる。不動産事業法の改正を通じた法体系の整備は、格上げに向けた制度面での実績として評価される可能性がある。格上げが実現すれば、不動産セクターを含むベトナム株全体への大規模な資金流入が見込まれる。

ベトナム経済全体における位置づけ:不動産はベトナムGDPの約11%を占め、建設・金融・素材など関連産業への波及効果が極めて大きい。2022〜2023年の不動産市場低迷を受けて政府は一連の支援策を打ち出してきたが、今回の法改正はその根本的な制度整備に位置づけられる。市場の健全化と長期的な成長基盤の構築という観点から、ベトナム経済全体のトレンドにおいて重要な一歩である。


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出典: 元記事

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